この土日は、メンバーがいろいろなイベントに参加してきました。順次ご報告していきたいと思いますが、まずはじめは明るい話題から。「東京都のイルカ」のお話です。
シンポジウム「イルカと人間の共生をめざして」
日時: 2012年11月10日 (土) 17:30~
会場: 早稲田大学 西早稲田キャンパス
会場に着いたのが第1部も終わりに近づいてきたころだったので、伊豆諸島の島々のうちのひとつである利島と、その周辺海域に棲むイルカたちの詳細については、ぜひ公式サイトをごらんになっていただきたいのですが、第2部のパネルディスカッションだけでも、パネリストの方々のイルカへの愛にとどまらない価値観に深く共感できるものがあり、すばらしい時間となっていたと思います。
利島のイルカを守りたいというところから、日本のイルカ全体のこと、そして海全体のこと、陸の自然のこと、地球のこと、また、人々の信仰や宇宙のこと、そういう広がりを感じるイベントでした。
特に、「子どもたちに伝えてほしいことはありますか」という質問に、「利島のイルカに子どもが生まれたとき、この海を汚すようなものを流したくないと思った。自分たちが買うものについて、コマーシャルでやっているからなどではなく、どういう企業がつくっているのか、どういう商品なのか、よく考えて買ってほしい」という内容のことをパネリストの方がおっしゃっていたのは印象に残りました。
また、子どもたちにイルカの棲む場所は海だと伝えてほしいというお話もありました。1日100kmでも泳げるイルカに、水族館は狭すぎです。
日本近海では、利島生まれのイルカが和歌山県の串本で見られたこともあり、そして同じイルカが伊豆を経て、また利島で観察されたこともあったとのことで、イルカ猟が行われている日本では1地域だけでイルカの保護を考えることはできず、日本海域全体で考えなければいけないという話もありました。(ただし、利島のイルカはミナミハンドウイルカであり、イルカ猟の捕獲枠が定められているわけではありません。では安全かといえばそうでもないのですが……)
また、やはり海外の動向としては、すでにイルカを見に行くこと自体を避けるべきだという方向にあるそうです。なので、利島でドルフィンウォッチング(スイム)を行うことについても議論はあったとのこと。イルカに負担をかけない方法を積み上げていく苦労についてもお話があり大変考えさせられましたが、日本ではやはりまだイルカの保護のためにウォッチングをする段階だということは感じます。
オルカに比べるとイルカについてはわかっていないことが多いそうで、利島のイルカと人とのかかわりの中から、日本人の意識が変わっていくくらいの何かが生まれるといいなと感じました。
参考リンク:
利島ドルフィンプロジェクト 公式サイト
(S.A.)