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公私立大学実験動物施設協議会(公私動協)が動物実験規程の雛形の改訂版を公開

今年6月20日、公私立大学実験動物施設協議会(公私動協)が「動物実験規程(雛形)第2版」を公開した。会員大学の動物実験規程の作成に際し、参考にするための雛形が改訂された形だ。

国立大学法人実験動物施設協議会(国動協)のほうは、2006年に作成した雛形の第二版を2016年に、第三版を2017年に公開しているが、公私動協のほうは2017年に作られたものについての、初めての改訂である。

どこが変わったか見てみると、まず「学長は、動物実験等の開始前に動物実験責任者動物実験計画を申請させと赤字部分が修正されている。実験計画は、実験の開始前にということが明確にされた。

動物実験計画書を提出せず、無審査・無承認で実験し、後から追認するなどといった、ほぼ不正もみ消しのような事例が現実に起きているので、これは重要なポイントだ。動物実験では、実験を始めてあたりを付けてから計画書を提出するなどといった、科研費等の申請か何かと勘違いした流儀が未だに横行している可能性を感じる。動物を被験者として使い、苦痛を与え、最後には犠牲にすることに対する倫理審査であることが理解されていないので、必要な改訂だ。

ちなみに、この実験開始前に審査が必要であるということについて、国動協と公私動協では雛形の記述に温度差がある(下記参照)。国動協のほうが、実験責任者に対して明確に未承認実験を禁じる記述になっており、文言が強く感じるが、一方で、学長にはその責任を負わせていないとも言え、一長一短なのである。

公私立大学実験動物施設協議会 動物実験規程(雛形)より

2 学長は、動物実験等の開始前に動物実験責任者に動物実験計画を申請させ、委員会の審査を経て、申請を承認し、又は却下すること。

国立大学法人実験動物施設協議会 動物実験規程(雛形)より

2 学長は、動物実験責任者から動物実験計画書の提出を受けたときは、委員会に審査を付議し、その結果を当該動物実験責任者に通知すること。
3 動物実験責任者は、動物実験計画について学長の承認を得た後でなければ、動物実験等を行うことができない。

ちなみに、実験計画の実施前審査については、とある経緯があり、2016年に公私動協と以下のやり取りをしたことがある。(実験前の)「事前審査」という表現は、また違うものを指すようで、なかなかややこしいのである。

PEACE再質問:
公私動協として、動物実験計画書の審査は動物実験を開始する前に事前に行うものであるという認識はお持ちなのでしょうか? この点について、しつこいですが、確認をさせてください。

公私立大学実験動物施設協議会回答:
 基本指針を遵守した動物実験の実施は、機関長の承認があって初めて実施することになります。
 動物実験委員会の「審査」後の機関長の「承認」ということですので、実験を開始する前に「審査」をすることになります。「事前審査」は「審査」をする前段階として行う場合がありますので、「事前審査」という言葉を避けていただきたく、お願いしたものです。

また学長の権限の話に戻ると、実はそもそも「学長の責務」について、公私動協の雛形のほうが詳細に書き込まれているのも特徴だ。

「実施結果の報告」の部分でも、国動協が学長に義務事項を定めていないのに対し、公私動協は学長に委員会への報告や改善措置についての義務事項を定めている。「施設等の廃止」でも公私動協の雛形には学長のすべきことが書かれている。(これは国立大と私立大の違いによるものだろうか?)

罰則の形で学長に実験禁止権限を持たせているのも公私動協のほうで、国動協の雛形には罰則という考え方自体がない。(どうして国立大学は実験を中止させることのできる規定を設けないのだろうか?)

公私立大学実験動物施設協議会 動物実験規程(雛形)より

第12章 罰則
第34条 学長は、本規程に違反した者の動物実験等を直ちに中止させ、一定期間動物実験等の実施を禁ずることができる。
2 罰則の適用に関して、学長は委員会の助言を求めることができる。

ほか、公私動協の雛形の第二版では、「学長は、所定の様式にて、その申請結果を当該動物実験責任者に通知すること」「管理者等は、人に危害を加える等のおそれのある実験動物については、名札、脚環、マイクロチップ等の装着等の識別装置を技術的に可能な範囲で講じるように努めること」などが追加されていた。

また、環境省の飼養保管基準で適用除外となっている畜産動物について「但し、大学等における研究、教育及び実習に供する動物は、原則、実験動物であって、これらの管理者等には本基準が適用される。また、畜産分野における試験研究であっても、血液の採取、人工繁殖や外科的な処置(家畜改良増殖法に基づくものを除く)を行う管理者等には本基準が適用される。」との文言が追加されていた。

畜産業にもバイオテクノロジーの波が押し寄せ、畜産動物除外が時代にそぐわないものとなっている今、必要な措置だろう。

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