文部科学省が令和6年度の「研究機関等における動物実験等の実施に関する基本指針」等の遵守状況に関する調査結果を公表しました。
これは、毎年、文科省の所管する施設を対象に行っているもので、動物実験を実施している⼤学等の数は前年の387機関から383機関に減りました。
10年前は426機関ありましたので、着実に減っています。
文部科学省が毎年公表している動物実験の実施等に関するアンケートの最新版が公表されました。文部科学省の動物実験基本指針の対象となっている大学等の研究機関に聞いているもので、回答しているのは、ほとんどが大学です。(その他は、大学共同利用機関法人[…]
ただし、内容はほぼ無意味
科学的観点及び動物の愛護の 観点から動物実験等を適切に実施していますか➡「はい」が100%
情報を適切な⽅法により公表していますか➡「公表している」が100%
改善措置を行った機関が49機関
外部検証を受けた数も、ご都合主義
動物実験を実施している機関のうち、245 機関(64.0%)で外部検証の受検実績があったとも書かれていますが、これもおかしな話です。ずっと前に一度受けたことがある機関もカウントされていることは明らかです。
例えば、日本実験動物学会が実施する「動物実験に関する外部検証事業」では、検証結果の有効期限を明確に定めていないものの、「5~7年を想定しています」としています。 同学会のサイトを見ると、7年前である2017年以降に受検した機関の数(下記表参照)は199しかありません。つまり、およそ50の機関は、単に昔受検しただけで、更新はしていません。
一度受けただけのものを現時点の実績に含めるのは、いかがなものでしょうか。 第一種動物取扱業であれば登録の更新は5年ごとで、ほかの業種は少なくとも5年に1回は立入検査を受けています。なぜ実験施設や畜産施設は動物福祉の観点の立ち入りを受けないのか、甚だ疑問です。
年 | 受検機関数 |
2023 | 38 |
2022 | 36 |
2021 | 36 |
2020 | 17 |
2019 | 21 |
2018 | 24 |
2017 | 27 |
計 | 199 |
参考
歴代の文科省アンケート調査結果は下記のページに掲載されています。
文部科学省が令和6年度の「研究機関等における動物実験等の実施に関する基本指針」等 の遵守状況に関する調査結果を公表。
動物実験を実施している⼤学等の数は前年の387機関から383機関に減りました。10年前は426機関ありましたので、着実に減っています。https://t.co/304hr69w7i pic.twitter.com/VCvRane1U0— PEACE 命の搾取ではなく尊厳を (@animalsPEACEnet) December 24, 2024