キリンのジョージの写真が! キリンの輸入はこんなに大変なのに…

堀井動物園で死んだキリンのジョージについて、なんと写真を見つけてしまいました。

動物検疫所が出している「動検時報」(Vol.49-6 2016.12)の表紙です。

説明にはこんなことが書いてあります……↓

What’s New !
横浜本所にある9号畜舎が改築され、キリンが入るように天井が高くなりました。
改築されて初めての輸入検疫がありました。アメリカから来た1才のキリン、ジョージくんです。
無事 2 週間の検疫を終えて元気に動物園に送り出されました。

送り出されたときは、やはり元気……。もう死んでしまったかと思うと、こんなに悲しい写真はありません。

動物検疫の関係書類からわかること

キリンは牛などと同じ偶蹄類ですので、口蹄疫などの感染症の問題から、輸入時の動物検疫については厳しい決まりがあります。

日本に着いてからの検疫は15日間。ですので、堀井動物園に行ったキリンも横浜の動物検疫所で15日間過ごしました。これはその時の写真ですね……。なんとあどけないんでしょう。

キリンについては輸入時の家畜衛生条件が設けられているのはアメリカだけなので、基本的に輸入できる国として認められているのはアメリカだけということになります。

ただし、個別にほかの国から輸入できないわけではありませんので、どこから来たのかを調べるために動物検疫所に情報公開請求をしました。また、ある理由から特定動物の移動の際の通知書を通過自治体に出していない可能性を当初から疑っていたので、出発地点を調べるために開示請求したのもありました。

実は開示請求のとき、キリンが死んだと言ったら、動物検疫所の人が悲しそうだったのが印象に残ったのですが、ここでは可愛がられていたのかな……と、この写真をみると思ってしまいます。

開示請求ではいろいろなことがわかりました。
1歳のオスで、名前がジョージだったこともわかりました。
輸出国はアメリカで、搭載はダラス空港。

11月3日まで検疫。堀井動物園は11月4日に輸入と増減届に書いていたので、このことからもジョージが堀井動物園に行ったことは間違いないと確信。もともとこの月のキリンの輸入数は1なので、確定なのですが…。

また、検疫所にいる間も、たくさんの人が関わったということもわかりました。
まだ1歳で親から引き離され、個別飼育がルールになっている検疫所は狭いしさみしかったのではないかと思っていましたが、仲間のキリンもおらず日中人もいない堀井動物園の第二飼育場(しかも吹き曝し)に置かれていた頃よりは、ここのほうが良かったのかもしれないとすら思ってしまいました。

健康状態も問題なかったとの記載がいくつか。もちろん監視伝染病の所見は見られずです。



なぜジョージは死んだのか。

滋賀県の動物保護管理センターは、堀井動物園から死因については聞き取って、今後同様のことがないように検討するよう指導はしたと言っています。しかし、第三者には死因は教えません。法律で提出が求められているような事項ではないからです。(前にも書きましたが、堀井動物園も教えてくれませんでした)

実は犬猫の販売業については、獣医師による死亡の検案を求めることができる条文が動物愛護法にあるのですが、ほかの動物や業種にはそういった規定がありません。この「格差」も次の法改正でなくしたいことの一つです。

堀井動物園は、再びキリンを導入するつもりだという噂もあります。それを肯定するかのように、日経新聞に「キリン1頭100万円 移動動物園、エサやり体験人気」なる記事まで出ました。今、キリンはいないのに!です。

また死ぬかもしれないのに買う前からプロモーションとは驚きますが、売る輸入商のほうもどうなのかと思います。これだけ手間をかけてあっさり死んでしまったら仕事のやりがいがないのではないかと思いますが、やはり金目なのでしょうか?

業界のモラルが問われます。(随分前から問われ続けていますけど……)

堀井動物園まとめページへ

参考:
キリンの動物検疫について関心ある方は、動検時報のバックナンバー(No.43-6 2010.12 10ページ)が詳しいので見てみてください。

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