食品衛生法指針には「施設内では動物を飼育しないこと」とある謎 ※このページは旧情報です

この記事は旧情報です。その後、法改正があり、新しく厚生労働省が定めた衛生管理基準が全国統一で許可施設に対してかかることになりましたが、依然として客席での動物の飼育が可である状況は変わりません。改正前の状況がわかるように、当時のまま記事を残しています。詳しくは後日追記を参照。

動物カフェ、花盛りです。

動物がたくさん飼育されている場所で、しかもお客さんに触らせている状態で、どうして飲食店の営業が許可されるのかとても不思議ですし、そういう質問をよく受けます。

もちろんペットボトル1本渡すだけにして食品衛生法の規制がかからないようにするというのは一つの裏技(?)として知られていますが、ここで言いたいのはそういう店ではなく、カワウソ、ミニブタ、さまざまな種類の鳥類・爬虫類などたくさん!の動物を飼育し触らせる店舗でありながら、しっかり洋食を出すような店についてです。

カフェというよりレストランですが、営業許可が出ています。

そういう店に許可を出している名古屋市に確認したところ、

  • 厨房に動物を入れなければOK
  • 調理師が動物を触った場合でも手洗いをすればOK

等のルールで許可が行われていることがわかりました。

O157でトングがどうとか騒がれている一方で、動物の生体は全く問題にならないのは不思議です。

実は、こういった飲食店等の許可の基準は、都道府県等の自治体が条例で定めることになっています。

そして驚くのは、その条例制定に際して自治体が参考にできるように厚生労働省が示している指針「食品等事業者が実施すべき管理運営基準に関する指針(ガイドライン)」には、なんと「施設内では動物を飼育しないこと」とはっきり書いてあることです。

しかし、これを受けて制定された「名古屋市食品衛生法に基づく公衆衛生上講ずべき措置の基準等に関する条例」では、まさにその部分だけが削除されていました。<下図参照>

条例と国のガイドラインの比較

こういうからくりで、施設内で動物を飼ってもいいことになっていたんですね!

ちなみに名古屋市では、上記(2)の「製造、加工、処理、調理、保管、販売等を行う場所には、不必要な物品等を置かないこと」とある部分の「不必要な物品」に動物が該当するため、調理場に動物を入れてはいけないという運用をしているそうです。

でも調理場だけです。

どうもドッグカフェなどを許可できるようにこのようになっているようですが、飼い主が自分の犬を連れて来るのは飼育には該当しないかと思いますし、観光牧場なども動物飼育舎とレストラン等は別の建物になっているかと思います。ここまで基準を緩くする必要があるのでしょうか。

でも結局、まだ問題が起きたことがないから、こうなります。

厚生労働省にも聞いてみましたが、食品衛生というのは、汚染の可能性を想像し始めるときりがないので、問題が起きたら対策していくという考え方で進められているそうです。合理的ではあります。

つまり、動物を触ったりする店だとわかって食べに行く客は今のところ自己責任ということですね?と思い聞いてみたところ、保健所の人も「そうですね」と言っていたので驚きました。(つられただけだと願いたいですが!)

ちなみに、食品衛生法も来年の通常国会で改正が見込まれています。

全ての食品事業者に対し、衛生管理の国際基準である「HACCP(ハサップ)」の導入を義務づける方針であり、どのようにするのかということを現在厚生労働省の懇談会で検討中です。

HACCP義務化と動物の飼育・お触り(ふれあい)が両立するのか?

私たちはもちろん、動物のストレスや福祉の問題から動物カフェを問題視していますが、衛生問題も大きな懸念点です。

この辺で厚生労働省の本気度が試されるかもしれません。

参考

ちなみに上記のレストラン、ブタを飼っているのに化製場法上の届出をしていなくて、指導されています。

動物取扱責任者さんは、一体どこで実務経験を積んだのかな?

追記

その後、食品衛生法の改正が行われ、「食品衛生法施行規則」別表十七にある「食品又は添加物を取り扱い、又は保存する区域において動物を飼育しないこと。」という基準が全国統一で適用されることになりました。

ただし、厚労省によると、この基準は厨房には適用されるが客室には適用されないそうで、アニマルカフェ等は依然として合法に営業できてしまいます。厨房に入る際に手洗いをしたり、服についた毛を粘着ローラーでとったりすることは自治体が指導しているはずだと言いますが、それらの点について、はっきりと明記した基準はありません。

詳しくは別途ブログに掲載しました。

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