特定外来生物違反で逮捕される人と、されない移動動物園!?

先月19日、特定外来生物に指定されている鳥、ソウシチョウを販売目的で飼育していた疑いで、鹿児島県出水市の男2人が現行犯逮捕されたとの報道がありました。ソウシチョウを入手した経緯や過去にも販売していなかったかなど調べを進める方針と報じられています。

今回は厳しい対応になっているので、ぜひ徹底調査し、関係した者すべてを立件していただきたいと思いました。

なぜなら、特定外来生物の規制に関しては、これまでザルといえる運用があったからです。

これは、滋賀県の堀井動物園が特定外来生物であるアカシカ(エルク)を、許可を受けずに違法に飼育していた際に、環境省が経営者である堀井氏に提出させた始末書です。

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どう考えてもおかしいのですが、ほかの動物園から譲り受けた動物であると申告されているにもかかわらず、アカシカかどうか同定せよという話になっており、最終的には自然研(自然環境研究センター)が同定を行いました。

動物園も「取引先」も、動物の種名も把握していないのでしょうか? 取引先が動物商のことであれば、さすが……と言わざるを得ませんが、どう考えてもおかしな話でしょう。

であるにもかかわらず、施設等の改善指導が行われたのち、結局、飼養許可が出てしまっています。(環境省による報告書はこちら

施設は下記の写真のように非常に狭いもので、仲間もいないところで虐待的な飼育がされていると言っていい状況ですが、特定外来生物の飼養許可では逃がさないことに重点が置かれるので、指導といってもそういう観点でしかありません。

また、シカ属を含むシカ亜科全種(在来種を除く)が特定外来生物に指定されたのは平成 17 (2005)年 12 月 14 日であり、施行が平成 18(2006)年2月1日なので(参考)、 2007年(平成19年)に譲り受けたというのが本当であれば、もともとアカシカを所有していた動物園も違法飼育だった可能性を否定できません。しかし、これについてはなぜかノータッチ。

そもそも動物取扱業者であれば、台帳によって取引が追えるはずですが、法令が定める台帳の保管年限が5年という問題が一つあります。(飼育中の動物が生きている限りは残すといった形にすべきかもしれません。)

しかし、そもそも堀井動物園について言えば、今いる動物のリストを出すのがやっとの施設であり、法令が求めるような形での台帳はつけていないのです。

動物園などの余剰動物を引き受けていると言っているのに台帳もつけていないとは、まるでロンダリング施設です。ここから先は行き場はなく、死亡するだけですが。

滋賀県は、今後そういったことも指導するとは言っていますが、そもそも業の登録を受けられるのがおかしい施設です。

こういった事例に限らず、動物商などの取引でも密輸等含め疑わしい取引があることは間違いなく、現在は動物取扱業者が遵守すべき細目の中に下記の内容が追加されています。

「動物の仕入れ、販売等動物の取引を行うに当たっては、その相手方が動物の取引に関する関係法令に違反していないこと及び違反するおそれがないことを聴取し、違反が確認された場合にあっては動物の取引を行わないこと。」(「動物取扱業者が遵守すべき動物の管理の方法等の細目」第六条第五項)

これは、平成25(2013)年9月1日から適用されています。

ちなみに、行き場のないかわいそうな動物を引き取って世話しているというスタンスで売っている堀井動物園ですが、特定外来生物の飼育許可の申請書には、「飼育等が困難になった場合」の欄に「責任をもって殺処分します」と書いていることをお伝えいたします。

行政の指導の際に動物の死体がころがっているような施設で、かわいそうな動物たちを飼ってあげているも何もないでしょう。ここにいることが、かわいそうなのですよ。



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