PEACE活動報告ブログ

<韓国>動物保護法に基づく統計の公開には実験動物使用数も!

dog-image_eye先日、国際団体Humane Society International (HSI) が韓国で実験動物の使用数がふえていることに対し、声明を公表しました。

この記事の情報の根拠となっている韓国政府の公式な情報公開のページを、ざっとですが以下に翻訳しました。

簡易な訳なので、厳密には原文を参照していただきたいのですが、統計の公開が動物保護法に基づくものであり、伴侶動物・遺棄動物や実験動物、動物福祉認定農場などについての近年の推移もわかる内容です。(元の公表は千単位の数字でなされていますが、読みやすくするために万単位も記載しました。)

日本でも環境省が全国の殺処分数等の統計を公表していますが、動物実験・実験動物に関しては、公式な統計は存在しません。韓国では動物実験委員会の設置は法律で定められた義務事項であり、設置された委員会数も統計が公表されています。日本では委員会設置に法的義務は生じていませんから、全体の数も不明です。先日の質問主意書でもそのような回答が出ています。

また、韓国では哺乳類から魚類等への代替が進んでいることが統計からわかりますが、日本ではこの辺りの傾向は全く把握できません。


<韓国農林畜産検疫本部公表資料翻訳>

伴侶動物登録 100万匹時代!!!

登録日 2016-05-10 18:00:00

農林畜産検疫本部(本部長BongKyun Park)は2016年5月11日、動物保護法第45条(実態調査及び情報公開)に基づき、各地方自治体を通じて動物の保護と福祉管理実態に関して調査した結果を発表した。

これは毎年前年度末を基準として各市道から動物の保護福祉に関する内容を調査し発表されたものであり、主要な内容は動物登録現況と遺棄動物現況、動物実験倫理委員会運営現況、動物福祉認証農場現況、動物販売業営業現況などである。

※動物保護法第45条(実態調査及び情報の公開)
農林畜産食品部長官は動物保護·福祉実態に関する情報と資料を収集·調査·分析し、その結果を毎年定期的に公開しなければならない。

‘15年基準調査結果

いなくなった伴侶動物(犬)を探しやすくし、遺棄動物による疾病及び人畜共通伝染病の予防、及び遺棄·遺失を防止するために‘08年に始まった伴侶動物登録は ’14年から登録が義務化され、’15年末には総97万9千匹が登録された。

* 9万1千匹が新規登録して ’15年全体97万9千匹が登録(’14年 88万8千匹)

遺棄動物は全てで8万2千100匹であり、このうち犬が 5万9千600匹(72.7%)、猫が 2万1千300匹(25.9%)、その他 1千100匹(1.4%)だった。

– 市·道別発生現況を見れば、京畿道が 1万9千700匹(24.0%)、ソウル 8千900匹(10.8%)、釜山 7千100匹(8.6%) の順であったし、これは主に大都市を中心に多く発生し、遺棄動物の福祉施設及び構造保護が活性化されていることと判断される。

– 遺棄動物の処理状況を見れば個人への譲渡(2万6千200匹、32.0%)、自然死(1万8千600匹、22.7%)、施設収容規模、疾病などで不可避な事由に処理される安楽死(注:殺処分のこと)(1万6千400匹、20.0%)、元の飼い主に返還(1万2千匹、14.6%)の順序であった。

遺棄·遺失動物処理費用は、遺棄動物発生数に比例して処理量が多い市·道の順となっており、年間必要費用は 128.8億ウォンで前年比 23.5% 増加した。これは野良猫のTNRなど、地方自治体の遺失·遺棄動物などに対する予算が増加されたためと判断される。

*処理費用 : (’12)105.8 → (’13)110.8→ (’14)104.4 → (’15)128.8億ウォン(TNR 31.4)

今年も初めて調査された野良猫のTNR 処理現況を見れば、2万6千300匹を対象にTNR 事業を実施し、年間3,1億3千9百万ウォンが処理費用に使われた。

– 野良猫のTNR 事業は各市·道別で差があり、京畿道(8千500匹、32.2%)、ソウル市(7千800匹、29.6%) の順で不妊手術費用は1匹当たり 5~15万ウォンが必要となった。

動物保護センターは全国307カ所で、その中で地方自治体直接運営が28カ所(9.1%)、委託運営が279カ所(90.9%)で大部分の地方自治体で委託運営をしていることが分かった。

– 保護センター選定の時、運営予算不足及びひんぱんな民願(注:市民によるクレームや要望といった、市民の声のこと)の発生など困難が多く、前年比61カ所が減少された一方、地方自治体直営動物保護センター 3カ所が増え、全般的な保護水準は向上したと判断される。

*保護センター数 : (’11)339ヶ所→ (’12)349 → (’13)361→ (’14)368 →(’15)307

動物実験倫理委員会設置機関は 351カ所でこの中 322カ所が運営中にあり、 ’15年総 250万7千匹の実験動物が使われて前年比約 9万5千匹が増加し、機関当たり平均使用匹数は 7,786匹で前年比250匹増加した。

*倫理委員会設置機関 : (’12)338 → (’13)342→ (’14)349→ (’15)351カ所
*実験動物使用現況 : (’12)183万4千→ (’13)196万7千→ (’14)241万2千→ (’15)250万7千匹
*機関ごとの実験動物使用現況 : (’12)6,459→ (’13)6,512→ (’14)7,536→ (’15)7,786匹

動物販売業新規登録は 729カ所で総 3,288カ所の販売業店が全国で営業していると調査された。動物葬墓業は京畿道 7カ所、忠南 3カ所など全国に総 16カ所が運用中と調査された。

*販売業体数 : (’12) 2,152 → (’13) 2,454 → (’14) 2,706→ (’15) 3,288カ所
*葬墓会社数 : (’12) 7→ (’13) 7→ (’14) 14 → (’15) 16カ所

動物福祉認証農場は ’12年から産卵農場認証を始まりに‘13年豚農場、’14年肉農場を認証して総76カ所を認証し、総97万匹が動物福祉の恩恵を受けている。

*畜種別認証現況(76農家) : 産卵鶏(68)、豚(6)、肉(2)

調査された資料を分析した結果

‘15年までに登録された伴侶犬は97万9千匹で毎年登録率は増加しているが、新規登録匹数が減少しており、動物登録制に対する対国民広報及び政策的代案が必要であるようだ。

*年度別新規登録匹数 : (’13) 479 → (’14) 192 → (’15) 91

全体遺棄動物の数は 8万2千100匹で 2010年をピークとして徐々に減少趨勢に転換された。これは伴侶動物文化が肯定的に定着してきているように見える。

*遺棄動物数 : (’10)10万0千900 → (’12)9万9千300 → (’13)9万7千200 → (’14)8万1千200 → (’15)8万2千100匹

– 遺棄動物処理方法で自然死(斃死など) または猫のリリースを除いて大部分が譲渡または安楽死などの方法に処理されている。このうち、飼い主に返還は持続的に増加趨勢であり安楽死率は徐々に減少するなど先進国型に変化していることが示されている。

* イギリスの事例(出典 www.dogtrust.org.uk STRAY DOG SURVEY , 2014年):遺棄犬 11余万匹中、譲渡 35%、安楽死 7%、飼い主に返還 50%

– ただし、毎年全国的に約8万余匹の遺棄·遺失動物が発生しており、地方自治体では 100億ウォン以上の処理費用が必要となる点等を勘案し、動物遺棄による社会的費用節減のために「動物引受制」検討が必要であり、持続的な譲渡率向上及び財政負担緩和のためにワクチン·診断キットなど政府支援が講じられなければならないように見える。

また、犬に対する動物登録制実施で動物遺失時の飼い主返還が持続的に増加しているところ、猫も動物登録制対象で拡大施行してほしいという要求が増加しており、一部地域を対象として猫動物登録制を示範的に施行する方案を検討する必要があったようだ。

年度別動物実験倫理委員会増加幅が鈍化され、実験動物総使用匹数は増えたが、実験当たり匹数は減っている。また、哺乳類など高等動物が魚類など下等動物に代替される割合がずっと増加趨勢であり、実験動物の 3R(Replacement, Reduction, Refinement)が改善していると見える。

*動物割合 : (’12)3.1% → (’13)2.1 → (’14)4.2 → (’15)4.2

動物福祉認証対象畜種拡大(3→6種), 76カ所の農場認証など動物福祉畜産は拡大しておらず、認証制参加農家拡大及び国民に対する広報を通じた福祉畜産物消費拡大の方策が必要であるようだ。

本調査結果活用

本調査結果を動物保護関連政策樹立の基礎資料として活用し、動物保護·福祉文化造成のための文化コンテンツを開発し動物登録制および遺棄動物保護管理が持続的に推進するために地方自治体と協議して行く計画である。

実験動物の使用が増加しており、動物実験倫理委員会に研究結果を反映させるなど制度を改善し、指導·監督の対象機関に対する重複実体調査の問題点解決のため、食薬庁との定期的業務協力及び共同説明会などを開催し、運営の効率性を向上する計画である。

また、動物福祉畜産農場認証を拡大し、認証畜産物の消費促進のための対国民広報及び消費者の意識拡散を通じて幸せな動物福祉畜産物消費につながる持続可能な畜産業発展の基盤となるよう、動物福祉運送車両·屠殺場指定制の法的根拠明確化を通じて飼育-運送-屠畜全過程に至る農場動物福祉体系が構築されるよう、積極的に努力することを明らかにした。

また、農食品関係者は最近伴侶動物関連産業の多様化、高級化などによる産業育成のために規制を合理化して、動物美容業、動物カフェ業、動物ホテル業などの新規業種に対する効率的な管理方案計画を検討する計画だと明らかにした。

※別添 : 2015年動物登録及び遺棄動物処理現況など 8枚(注:翻訳は割愛します)

出典:
http://www.mafra.go.kr/list.jsp?&newsid=155448053&section_id=b_sec_1&pageNo=1&year=2016&listcnt=10&board_kind=C&board_skin_id=C3&depth=1&division=B&group_id=3&menu_id=1125&reference=&parent_code=3&popup_yn=&tab_yn=N

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