東京都の平成30年度動物由来感染症検討会の資料が公表されていますが、動物園のヤギで病原性大腸菌である腸管出血性大腸菌(EHEC)が検出され、除菌治療をやった記録が載っていました。(ただし、除菌については抗生物質の乱用との指摘あり)
検査は毎年行われてきたもののようで、平成27年までの検査結果をまとめた記事は東京都健康安全研究センターのサイトに載っていました。病原性大腸菌は家畜の腸内にいると言われますが、思ったほどは保有されていないでしょうか。といっても他県では、ふれあいイベントからの感染事例があります。
健康被害の報告はないが、ヤギ、ヒツジから分離されたEHECも病原遺伝子を複数保有していることから、人への病原性は否定できない。このため、今後もヒトと接する可能性のある動物については、定期的な健康状態の確認や病原体検査を行い、モニタリングを継続させていくことが必要である。また、感染リスクを低減させるためには、動物飼育施設の衛生管理や動物とのふれあい後の手洗いの励行が重要である。
今年の動物由来感染症検討会の議事録より
腸管出血性大腸菌(EHEC)について
病原大腸菌ETEC、EPEC、EHECと三つあるのですけども、ETECについては毒素原性大腸菌ということで、耐熱性毒素ST、もしくは易熱性毒素LTというものを産生する大腸菌になっています。EPECについては、病原血清型大腸菌という名前でして、腸管上皮への接着因子を持っている大腸菌になっています。EHECは、ベロ毒素、志賀毒素とも言いますが、を産生する大腸菌ということで、主要血清型でいうとO157とか、O26とか、そういうものがあります。
※今回検出されている血清型はO91。
A動物園の規模について
子供向けの小さめの動物園です。余り規模は大きくないというイメージ
治療・対策について
A動物園では、飼養している全てのヤギ、ヒツジに対して治療を実施したとありますけども、これはまあ、その前のページにA動物園の自主管理措置ということですから、東京都が何か口出しをしたという訳ではないんでしょうけども、何か全然無駄なことをやっているかなという感じがするんですけれども。それに抗生物質の乱用みたいな感じがしますよね。その辺は、ちょっと逆に忠告した方がいいんじゃないかなという気がいたしました。
このO157とかそういう病原性大腸菌というのは、反すう獣にとっては、言ってみれば普通に出ているお話で、陽性が出たら、私たちとしては、それは放っておいていいですよという訳にはいけないから、駆除、除菌プログラムで除去をするということになってしまうんでしょうけども、むしろ大切なのは、そういう動物なんだよということを前提とした対応、接触の仕方をしていくということが非常に大切であって、それで手洗いということについて徹底をしていくという方が、より現実的で、また安全で、いろんなことについて理にかなっている方法ではないかと思います。
こちらは人間の話。
▼写真は記事と無関係です。(たぶん)