2019年改正動物愛護法解説:動物を殺す場合の方法に国際的動向への配慮努力義務

2019年動物愛護法改正解説

動物を殺す場合の方法(第四十条):
国際的動向への配慮努力義務が盛り込まれました

 ※改正箇所に下線。(動物を殺す場合の方法)
第四十条 〔略〕
2 環境大臣は、関係行政機関の長と協議して、前項の方法に関し必要な事項を定めることができる。
3 前項の必要な事項を定めるに当たつては、第一項の方法についての国際的動向に十分配慮するよう努めなければならない。

自治体での犬猫の殺処分をはじめ、動物を殺すときの方法は環境省が定める「動物の殺処分方法に関する指針」に則って、できる限り苦痛のない方法にて行うことが規定されていますが、依然として炭酸ガス殺を行っている自治体が多いのが現状です。今回、動物を殺さなければならない場合に関しての必要な事項を定めるにあたって、「国際的動向に十分配慮するよう努めなければならない」とする規定が盛り込まれました。これは、私たち3団体が強く求めてきたことです。

3団体としては、自治体の犬猫殺処分だけではなく、畜産動物のと畜や実験動物等の致死処分についてもOIE(国際獣疫事務局)やアメリカ獣医師会の安楽指針等の定める水準を維持することを求めています。

また、第四十条の第一項に、できる限り「速やかに」「意識を失わせた上で」という文言を追加することについても3団体では求めてきたのですが、基本的な考え方であるにもかかわらず、これについては実現しませんでした。今後は「動物の殺処分方法に関する指針」の改正を求めていきます。

参考となる国会質疑

国会会議録から、参考となる部分を掲載します。

第198回国会 参議院環境委員会 第9号 令和元年6月11日

※審議が行われた議事録より該当箇所
(参議院の委員会ですが、法案提出者である衆議院の国会議員が答弁しています)

○衆議院議員(生方幸夫君)(中略)
今回の動物愛護法の改正の中で、私も特に取り組んできたのが、動物愛護センターを変えていこうじゃないかというのが元々ございました。動物愛護センターという名前でありながらその中に殺処分施設を併設しているというのはもういかにもおかしいということで、衆議院の討議におきましても、殺処分はきちんと国際的基準に合った形でしか殺処分はできないというふうに議論をし、その具体的なことはどういうことかといえば、二酸化炭素による殺処分、動物が苦しんで死ぬというようなことは決してあってはならないことだということで、それは今後認めないということになっているというふうに我々も解釈をいたしております。

しかし、すぐに殺処分の設備を全部壊してしまってほかのものに変えるというには、もちろん予算等の措置も必要でありますのですぐにはできないとは思いますが、少なくとも殺処分に関しては、そういう動物に対して苦痛を与えるような形での殺処分は今度の改正によって今後はないものというふうに考えております。

施行通知

施行の直前、2020年5月28日付けで環境省から自治体に通知された「動物の愛護及び管理に関する法律等の一部を改正する法律の施行について」(施行通知)では、以下のように説明されています。(この通知は、地方自治法に基づく、国から自治体への「技術的な助言」に相当します)

15 動物を殺す場合の方法に係る国際的動向の考慮(第40条関係)

法第40条第1項では、動物を殺さなければならない場合には、できる限りその動物に苦痛を与えない方法によってしなければならないとされており、同条第2項に基づき、環境大臣は、関係行政機関の長と協議して、動物の殺処分方法に関する指針(平成7年7月総理府告示40号。以下「本指針」という。)を定めている。改正法により、同条第3項において、本指針により必要な事項を定める場合は、「国際的動向に十分配慮するよう努めなければならない」こととされた。これを受けて、動物の殺処分の方法について、諸外国等における科学的知見や制度等について情報収集等を行い、従事者の安全性や心理的な負担等も考慮して、基本的な考え方や具体的な手法を再整理する。

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2019年改正 動物愛護管理法 2020年 2021年 施行

2019年改正法の概要 目次

● 動物の所有者等が遵守すべき責務規定を明確化

● 第一種動物取扱業による適正飼養等の促進等

● 第二種動物取扱業に帳簿の備付け義務

● 動物の適正飼養のための規制の強化

● 特定動物(危険動物)に関する規制の強化

● 動物虐待に対する罰則の引き上げ

● 都道府県等の措置等の拡充

● マイクロチップの装着等

● その他

● 附則

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