2019年改正動物愛護法解説:愛護センターと自治体への財政上の措置

2019年動物愛護法改正解説

動物愛護管理センター(第三十七条の二)、
地方公共団体に対する財政上の措置(第四十一条の五):
新たに動物愛護管理センターに関する条項と自治体への財政上の措置に関する条項ができました

 ※新設

第四章の二 動物愛護管理センター等
(動物愛護管理センター)
第三十七条の二 都道府県等は、動物の愛護及び管理に関する事務を所掌する部局又は当該都道府県等が設置する施設において、当該部局又は施設が動物愛護管理センターとしての機能を果たすようにするものとする。

2 動物愛護管理センターは、次に掲げる業務(中核市及び第三十五条第一項の政令で定める市にあつては、第四号から第六号までに掲げる業務に限る。)を行うものとする。

一 第一種動物取扱業の登録、第二種動物取扱業の届出並びに第一種動物取扱業及び第二種動物取扱業の監督に関すること。
二 動物の飼養又は保管をする者に対する指導、助言、勧告、命令、報告の徴収及び立入検査に関すること。
三 特定動物の飼養又は保管の許可及び監督に関すること。
四 犬及び猫の引取り、譲渡し等に関すること。
五 動物の愛護及び管理に関する広報その他の啓発活動を行うこと。
六 その他動物の愛護及び適正な飼養のために必要な業務を行うこと。

 ※新設

(地方公共団体に対する財政上の措置)
第四十一条の五 国は、第三十五条第八項に定めるもののほか、地方公共団体が動物の愛護及び適正な飼養の推進に関する施策を策定し、及び実施するための費用について、必要な財政上の措置その他の措置を講ずるよう努めるものとする。

これらの条項については、特に新設を要望をした団体はなかったのではないかと思います。法改正の検討が進む中、議員側から発案があり、新たに設けられました。

予算や人員を割り当てるために、こういった条項が役立つのであれば歓迎ですが、当初の超党派議連の骨子案では、第四十三条で義務化された獣医師の虐待の通報先をこのセンターにするとなっていたので、それには反対をしました。自治体は現状、刑事告発については積極的ではなく事なかれ主義であり、本来警察に通報するべき事案を自治体に通報されてしまっては、結局口頭で指導して終わりになってしまう可能性が高いからです。

また、現実には市民からの通報が圧倒的に多いはずなのに、市民からは通報を受けなくてよいようにも読める案となっていたので、懸念を示しました。最終的には、そのような条項は法案に入らず、ほっとしました。

法改正後の動物愛護部会で、獣医師の通報先はどこなのか決めろと獣医師会の委員がたびたび言い募っていますが、では前回の改正で努力義務が定められて以降、どこに通報していたのか?と疑問に感じます。

施行通知

施行の直前、2020年5月28日付けで環境省から自治体に通知された「動物の愛護及び管理に関する法律等の一部を改正する法律の施行について」(施行通知)では、以下のように説明されています。(この通知は、地方自治法に基づく、国から自治体への「技術的な助言」に相当します)

12 動物愛護管理センターの位置付けの明確化(第37条の2関係)

都道府県等において、動物の愛護及び管理に関する事務を所掌する部局又は当該都道府県等が設置する施設が動物愛護管理センターとしての機能を果たすようにすること及び当該センターが行う業務が明確にされた。なお、この規定は、動物愛護管理センターという施設の設置を都道府県等に義務付ける趣旨ではないことに留意し、動物愛護管理センターの機能を果たす方法については各都道府県等の実情に応じて判断されたい。

18 地方公共団体に対する財政上の措置(第41条の5関係)

法第35条第8項に定める都道府県等における犬及び猫の引取りに関する国による費用の一部補助とは別に、地方公共団体における動物の愛護及び適正な飼養の推進に関する施策の策定及び実施に係る費用について、国が必要な財政上の措置その他の措置を講ずるよう努めることとされた。

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2019年改正 動物愛護管理法 2020年 2021年 施行

2019年改正法の概要 目次

● 動物の所有者等が遵守すべき責務規定を明確化

● 第一種動物取扱業による適正飼養等の促進等

● 第二種動物取扱業に帳簿の備付け義務

● 動物の適正飼養のための規制の強化

● 特定動物(危険動物)に関する規制の強化

● 動物虐待に対する罰則の引き上げ

● 都道府県等の措置等の拡充

● マイクロチップの装着等

● その他

● 附則

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