7月23日に、東京農工大学野生動物保護管理学研究室・東京海洋大学鯨類学研究室合同ミニシンポジウム「大型野生哺乳類との共存にむけて」というイベントがありました。
「JAZAは今後も野生鯨類の導入を禁止してゆくべきか」など3テーマについて、学生が賛成・反対にわかれて討論する内容(注:ただし会場で指摘している方もいましたが、JAZAが禁止したのは追い込み猟からの導入です)とのことだったので期待して聞きに行ったのですが、賛成・反対は学生さんの自分の意見というわけではなく、教員が割り当てたものとのことで、がっかりして帰ってきました。
白熱感に欠けていたのは、それも一因か?と思いましたが、このイベントに、水族館から水産庁や鯨類研究家、保護関係者まで一通りそろって集まっていたのは驚きでもありました。水産庁で捕鯨推進に取り組んだ森下丈二氏が東京海洋大教授として講演したせいもあるでしょうか。
森下氏の意向に配慮しすぎで健全な議論ができるのかは疑問でしたが、司会が来場者も適宜指名して発言を求めたので、いろいろな立場の人の発言を聞くことができました。
やはり水族館関係者は、イルカの繁殖をやるといっても、どうしても新しい血を入れたいというところを力説。
一方、水産庁捕鯨班の方が、「JAZAは、この方針を貫かざるを得ないだろう」と述べていたのは印象に残りました。
そもそも「JAZAは今後も野生鯨類の導入を禁止してゆくべきか」と議論するような段階は終わっており、なぜこのようなテーマが出てきたのかも不思議です。
保護団体の方からの発言もありましたが、エンターテイメントのための鯨類飼育の継続が前提になっている議論を続けても仕方がないと思いました。
▼東京海洋大学は国立大学。国費で動物利用推進の教育がなされているのだなあということを実感。
▼鯨ギャラリーは閉まっていて中を見ることはできませんでした。