昨年、EUでの下痢性貝毒のマウス試験法禁止からさほど遅れず、日本も動物実験から機器分析法への転換が図られたのですが、機器分析に必要な標準品の供給が安定的でないことを理由に経過措置が設けられていました。つまり、当面のあいだ動物実験も許容されます。
しかし先日、産業技術総合研究所と中央水産研究所が合同でプレスリリースを出し、機器分析のための認証標準物質が開発されたことが報じられました。早速問い合わせたところ、「同標準物質開発における技術は既に確立しているため、安定供給できる見通しをもっている」と開発・供給担当者が述べているとの回答をもらうことができました。
一方、厚生労働省は普及状況についての広範な実態調査を未だ行っていないとのことでしたので、これを機に調査を行い方針の見直しを行うよう、要望書を送りました。
完全転換は遅かれ早かれ厚生労働省が取り組まなければならないことではありますが、1日も早い実現が望まれます。遅れれば遅れるほど、動物が犠牲になってしまうのですから…
また実現すれば、年間に全国で何千何万もの動物たちが犠牲になってきたであろう試験法が完全に終わることになり、動物実験代替の道のりの中でも画期的なできごとが起きることになります。
要望書全文は下記ページに掲載しました。
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