機能性表示食品 機能性はヒトでのエビデンスのみだが…

この4月から新たに始まった機能性表示食品の制度ですが、販売日の60日前までに消費者庁長官に届出が必要であり、先日、その届出等に関するガイドラインが消費者庁から公表されました。

当初検討されていた通り、機能性については、最終製品を用いた臨床試験の実施か、最終製品もしくは機能性関与成分に関する研究レビューにより評価することが必要という形になりました。つまり、機能性そのものについては、動物のデータは不要です。

実験動物も本来の食性は人と異なりますし、そもそも動物と人では作用に「種差」がありますから、機能性について動物のデータを用いることはナンセンスであり、そういった国際的な考え方が日本でも反映されるようになったのはかなり前進に思います。

しかし、最終的に安全性についても届出が必要になってしまったため、この新表示のために動物実験が新たに行われる可能性が出てきてしまいました。

機能性表示食品はあくまで食品ですので、これまで安全に食べられてきているものであれば当然、新たな安全性試験は不要です。しかし、人での食経験についての評価を行い、情報が不十分と考えられる場合には既存情報による安全性の評価を次に行う必要があり、さらにその評価でも不十分と考えられる場合には、安全性試験を実施して、安全性の評価を行うこととされてしまいました。

つまり、過去の動物実験データで評価してもOKということですが、足りない場合には動物実験が行われる可能性があるということです。

しかし、届出資料は全て消費者庁のウェブサイトで情報開示されますので、「安全性評価シート」を見れば新たに動物実験が必要になったかどうかはチェックできるのではないかと思います。ただし、安全性試験については、社内資料等、公開されていないものは情報開示の対象から除外されているので、詳細は公開されない可能性が高く、どこまで資料でわかるかも保証の限りではありません。(まだ始まったばかりなので、実際にどの程度公開されるかはまだ確かめられません) 【2016.6.5追記:動物実験の概要は必ず公開となりました。出典が社内資料等の場合は、非公開です。】

そもそも国民の「安全」のために集めるはずのデータの公表より企業秘密が優先されていることは不思議ですらありますが、こういったことが当たり前に行われているために「動物実験は隠されている」と言われているのだと思います。

安全性については、やはり消費者運動サイドがかなり危機感を持っているようですが、そもそも人での食経験が乏しいものを食品として売ること自体がおかしく、人に当てはまるかどうかもわからない動物実験のデータを求めるのは方向性が間違っているのではないでしょうか。

醤油でも味噌でも大量に摂れば毒になるとはよく言われますが、体によさそうだからといって大量に摂取するのも間違っており、こういった表示ばかりに騙されない食生活を心がけることも大切だと思います。

機能性表示食品 大事なのは食事のバランス たくさんとればいいものでもない


<追記>
2015.10.14 リンクを更新しました。
2016.6.5 文中に追記をしました。また、追加の情報を機能性表示食品の動物実験のページに掲載しました。

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