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<ドイツ>動物実験登録の仕組みが始まる―不要な動物実験を避け、科学を強化する

ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)の実験動物保護センター(The German Centre for the Protection of Laboratory Animals、Bf3R)が、新たに個別の動物実験の登録制度を開始したことをリリースしました。

同様の仕組みは既に十数年くらい前にも、重複する動物実験をなくすため、イギリスのNC3Rs(国立3Rセンター)が中心となって動物実験登録(ASRs; Animal Study Registries)として実現させようとしていたはずで、製薬業界もほぼ同意という話だったそうですが、ドイツはそれを実現させたということになります。

これは動物実験というものの科学性を信じている立場からつくられているものなので同意しかねる部分もありますが、参考までドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)のリリースがどのようなことを言っているか、ご紹介します。

ちなみに、ヒトの臨床試験では既に同じような仕組みが作られているのに動物実験で長年実現して来なった理由について、過去の議論では、研究者が失敗した動物実験の記録が残ることを嫌がってきたためと推察されています。失敗が研究費の減額につながるかもしれないという恐れです。また動物の権利活動家に利用されるかもしれないという議論もありました。逆に実験が増える恐れを指摘する声もあり、「重複実験を減らす」という強い意志のあるところでやらないと、その目的は達成できないのかもしれません。

しかしどのような議論をするにしても動物実験の内容や結果がすべて明らかになっていない現状では問題があります。今は、実験した人が表に出したい部分だけ、「良く」見せられるものしか表に出ていないことは明らかです。


ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)プレスリリース

不要な動物実験を避け、科学を強化する

2019年1月7日

ドイツ実験動物保護センター(Bf3R)によって、動物実験登録制度が始まります。今回、ドイツで始まる動物実験の事前登録制度は、科学研究と実験動物福祉の両方に意味をもつものです。
科学者は、実験を始める前に、内容をデータベースに登録しなくてはなりません。ドイツ連邦リスク評価研究所のアンドレア所長(Dr. Andreas Hensel)によれば、このことで、実験の「透明性」と「クオリティー」の両方を向上させることができ、同時に、不要な動物実験を避ける効果があると言います。

Link: AnimalStudyRegistry

2019年1月7日(本日)、動物実験の事前登録制度が始まります。

事前登録を行うことで、実験は、綿密で目的がはっきりしたものとなり、結果の再現性が上がり、科学レベルを上げることにつながります。

また、不都合な実験結果であっても、公にアクセス可能となるために、動物実験自体を減らすことにつながると期待されます。より完全で粉飾のない結果が提示されることで、間違った研究手法(例えば動物実験)が避けられるわけです。

最終的には、患者が利することになると考えられます。なぜなら、動物実験で得られた知識を基に新しい治療法が開発されるからです。よりしっかりとした科学の礎の上に、成功のチャンスが増し、同時に、副作用や合併症を減らすことができるはずです。

人間で行う臨床実験でも、既に長い間このような登録の方法がとられてきていますが、それは、こういった理由によるものです。

今回の登録制度は、新薬の研究資金を受ける場合や申請を行う場合には、必須となります。

登録には、だれでもアクセスできます。動物実験の登録は、ハイレベルな前臨床試験のためのものです。

出典

Bundesinstitut für Risikobewertung (BfR)
Strengthen science, avoid unnecessary animal experiments
https://www.bfr.bund.de/en/press_information/2019/01/strengthen_science__avoid_unnecessary_animal_experiments-239405.html

(翻訳協力:N.M.さん)

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