神戸学院大学のデータ改ざん、ノニジュースの効用を謳う動物実験でも論文撤回

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Brian DorffによるPixabayからの画像

神戸学院大学で10本の論文に研究不正(データの改ざん)が認定された件、論文が1本取下げられていたことをご報告しましたが、もう1本取下げ論文があると教えていただきました。

そのもう1本、なんとノニジュースに医学的な効用があると謳う論文でした。健康食品で動物実験し、さらに研究不正となると、怪しさが増します。(利益相反については記載なく不明です)

嫌な予感がするので検索してみたところ、やはり健康食品のサイトで紹介されています。例えば、どこが開設しているのかも不明で連絡先もないようなサイトにこのような記述がありました。
※2020年8月30日追記:http://julioaugusto.me だったが、既にサイトはなくなっている

日本の神戸学院大学の研究者は、ノニジュースの抗酸化および抗炎症特性が、脳血流の一時的な中断によって引き起こされる脳損傷から実験用マウスを保護するかどうかを判断するために動物実験を実施しました. 7日間にわたって、1つのグループは3%のノニジュースが補充された飲料水を受け取り、別のグループはその水に10%のノニジュースを受け取り、コントロールグループは未処理の水を受け取りました. 正常な血流が回復すると、ノニジュースを摂取した動物は、対照群の動物よりも神経学的欠損が少ないことを示しました. 研究者は、調査結果を2009年の「Biological and Pharmaceutical Bulletin」に掲載しました。

まさに取り下げられた、この論文。

神戸学院大の調査結果では、「A氏が、生データから論文データに加工する段階で生データの数値を操作して、論文の主張にとって有利な方向になるよう改ざんを行っていた」としか報告されておらず、どの論文のどの部分でどのような改ざんがあったのかについては公表がありませんが、修正ではなく取下げとなっていることからも、この結論が虚偽であることは間違いないでしょう。

しかし、このサイトには、「ノニ果実からジュースを飲むと、脳卒中が引き起こす可能性のある損傷から保護するのに役立つ場合があります」(原文ママ)などと堂々と書かれてしまっています。

そもそも、人と動物では種によって反応の違い(種差)があり、マウスで何らかの効果が認められたからといって、人間でも同じようになる保証は全くありません。また、人為的に症状をつくり出した実験による結果が自然に生じた疾病や治癒を再現しているかどうかも保証はなく、動物実験の結果によって、このように効能を謳うべきではないのですが(消費者庁も不当表示に該当するとしている)、案の定、このように都合よく動物実験が使われてしまっています。

しかも、データ改ざんがあったということは実験結果は特に差はなかったのでしょう。2009年に「研究成果」が公表されて以来、10年以上もまことしやかに明らかな嘘が公表されたままで、しかも残酷な動物実験をこのようにありがたがっている人たちまでいるとは憤りを感じます。

長年食品として摂られてきたものについて動物実験は要りませんし、効能を謳いたいなら人間で臨床試験を行うべきです。

マウスはどんなことをされたのか

マウスは、7日間、ノニジュースか水を与えられたのち、喉のところを縦に切開され、中大脳動脈にナイロン糸を通して閉塞させる方法で血流を止める手術がされました。

そして、2時間血を止めたあと、糸を引き抜いて血流を再開させています。この間に、脳の血流を測るなどされています。

比較のために、脳への血流は止めないが同じように切開手術をされる偽手術の群も作られました。

最終的に、偽手術・水投与5匹、手術・水投与12匹、手術・ノニジュース3%投与7匹、手術・ノニジュース10%投与10匹と、4群で匹数がバラバラに違っているので、手術の過程でかなりが死亡したのではないかと思われます。

これらのマウスたちは、頸椎脱臼で殺処分され、解剖されました。

論文を書くためだけに犠牲になった、哀れなネズミたちです。

(関係ないですが、この論文、参考文献の番号もズレているようです。マウスに意図的に中大脳動脈閉塞(MCAO)を起こさせる部分で人の脳卒中についての論文が参考文献になっていておかしいです。ますますいい加減な印象。)

参考

ノニについては、日本医師会が「妊娠中に摂取してはいけません」「多量のカリウムを含んでいるため、腎臓病患者の方には有害です」などとするページをアップしていました。人での知見が重視されていることがわかるので、主旨からそれますがリンクします。

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