「ゆうぱっく」が愛護動物の取扱いを廃止~危険な動物に関する学校・試験所の除外規定も削除されるとの回答ありました

3月31日、日本郵便が爬虫類や小鳥の取扱いも中止へ

日本郵便の荷物配達のサービスである「ゆうぱっく」は、これまで取り扱わないのは哺乳類・鳥類だけであり、さらに近距離であれば小鳥もOKとしており、これまでさまざまな問題が起きていました。

女性自身

6月22日、鳥の保護活動などを行っているNPO法人がXに投稿した内容が話題を呼んだ。 ? 投稿をしたのは、神奈川県で動物…

動物愛護法改正の活動を連携して行っている3団体(PEACEのほかにJAVA、ARC)では、輸送業も第一種動物取扱業の対象に含めるべきという要望を行っており、超党派議連の動物愛護法改正PTでも輸送について取り上げられました。

その際、日本郵便からのヒアリングも行われ、もし輸送が第一種動物取扱業の対象になった場合、日本郵便は動物の取扱いを止める検討をするのではないかと感じていましたが、今年に入り、法令上の愛護動物(現行法では哺乳類、鳥類または爬虫類)の引き受けを本年 3 月 31 日(月)をもって終了するとの公表がありました。公表では、動物愛護法を踏まえた動物愛護への対応を実施する観点からということも言及されています。

対象は、ゆうパック、ゆうパケット、ゆうメールおよび郵便物などの日本郵便が取り扱う全ての商品です。動物を思う一般ユーザーだけでなく、当会含め複数の団体がこれまで要望してきたことが、動物全体ではないにしろ、実現したことをうれしく思います。

日本郵便による公表

郵便 日本郵政 配達イメージ

両生類も愛護動物に入れば禁止の対象に! 日本郵便から回答をいただきました

PEACEではこれまで、動物の取扱い中止だけでなく、「ゆうぱっく約款」が人に危害を与える動物について取り扱わないことに関し学校と試験研究機関を除外している点について削除を求めてきました。

愛護動物の取扱い中止公表を知り、その点についてはどうなるのか、また、動物愛護法が改正されて愛護動物の範囲が拡大した場合はどうなるのか日本郵便に問い合わせたところ、下記の回答をいただきました。

いずれもポジティブな回答であり、日本郵便の対応に感謝いたします。今後ますます法改正の必要性が高まりました。

(2025年3月5日 メールにて回答拝受)

(1)「ゆうぱっく約款」内の第7条第3項注釈内「人に危害を与えるおそれのある動物(学校又は試験所から差し出され、又はこれにあてるものを除きます。)」の部分についても愛護動物に該当する生物は除かれない(学校又は試験所からであっても引受拒絶となる)という理解でよいでしょうか。

⇒ 2025年4月1日改正のゆうパック約款において、「学校又は試験所から差し出され、又はこれにあてるものを除きます。」の文言部分を削除いたしますので、動物の愛護及び管理に関する法律に規定する愛護動物につきましては、学校又は試験所が差し出し、又はこれにあてる場合を含めて、引受拒絶の対象となります。

(2)また、今後、法改正により愛護動物は両生類等にも拡大していくことが考えられますが、そのような場合にも、愛護動物は全て引受拒絶となる(両生類等も扱わないことになる)ということになりますでしょうか。

⇒ 法改正により動物の愛護及び管理に関する法律に規定する愛護動物の範囲に両生類等が含まれることとなった場合は、今回同様、対応を検討いたします。

(3)最後に、改正された「ゆうぱっく約款」がいつ頃公開されるかも教えていただけましたら幸いです。

⇒ 2025年4月1日改正のゆうパック約款については、3月26日(水)頃までに事前公開とすることで対応を進めております。
なお、ご認識のとおり、愛護動物のゆうパックなどによる引き受け終了については、1月20日(月)に弊社Webサイトにプレスリリースを掲載しております。

議連PTに合わせ日本郵便に提出した要望書

2024年7月31日
※一部伏字にしております。

再要望:「ゆうパック」による動物の輸送廃止をお願いいたします

拝啓
時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。

さて、私どもは、動物福祉の観点からエキゾチックアニマル販売に強く反対する動物擁護団体として、2021年に一度、標記のお願いをしておりますが、その後も「ゆうパック」を悪用した動物の発送などの問題事例が続いており、改めて「ゆうパック」での動物の発送の引き受けを停止していただきたく、要望いたします。

先般、貴社が同一県内であれば発送を受け付けるとしている小鳥類にあたるセキセイインコについて、発送元住所を「同上」と偽ることで鳥類の保護団体のもとへ「ゆうパック」で送りつける事案が発生しました。受け取った団体は、SNSで空気穴もないと書いていました。このことはインターネット上で広く拡散され、各種報道もなされましたが、多くの人が怒りを感じた根本には、「ゆうパック」で生きものを送る人がいること、さらには貴社が生きものの発送を受け付けていること、受付時に空気穴の確認すらしないこと等自体への驚きがあったことは間違いありません。

また、昨年11月、当会に動物取扱業者の関係者から内部通報があり、本日「ゆうパック」で伝票の品名欄を偽って哺乳類を発送するはずだとのことで、■■■郵便局(千葉県)に荷受け時に開封を求めるよう当会から要請しました。しかしながら本部へ確認するという対応であり、後日「荷物を開封させることはできない」との回答がありました。

内部情報があった場合以外にも、声や動きが感じられる等、現場で疑義が生じる場合はあるはずですが、荷受人だけでなく発送人に対しても違反がないか確認のための開封を求められないのは問題です。貴社が勝手に開けるわけにいかないことは理解できますので、発送しようとしている本人に開封させるしかないと思います。「ゆうメール」では内容物の開封での確認を求められることがあったと記憶していますが、どうして「ゆうパック」ではできないのでしょうか。

業界関係者によれば、動物取扱業者の間、もしくは動物取扱業者が顧客に動物を発送する場合に、品名を偽ること(たとえばウサギなどの禁止されている種を爬虫類と書いて発送するなど)は状態化しているとのことです。中身が申請内容と偽りがなく、発送を受け付けていない動物種ではないかどうか確認するべきですが、それすらできないのであれば、やはり動物自体の受付けを禁止するべきです。

距離も、千葉から東北など、長距離でも平然と発送されているとのことです。もちろん死着もありますが、そもそも品名を偽ることで口裏を合わせているので、貴社にそうした苦情が寄せられることはありません。

また、懸念があるのは、今般の輸送事情です。貴社では、本年4月から一部地域で最大半日程度、配達日数の延長が生じることを告知されており、10月からは配達希望時間帯も縮小されます。これらのことは、「ゆうパック」で輸送される動物にとって、輸送時間の延長に直結する問題です。現在の全国的な運輸事情を鑑みれば、今後も配達日数の延長や遅延発生等の傾向が続くことが予想され、動物福祉の観点から、ますます「ゆうパック」での動物の輸送は問題となります。

また、酷暑が続いています。夏場の気温の上昇は、気候変動問題の悪化と共に、今後もますます過酷になっていくと考えられ、動物専用の空調車を使っているわけではない「ゆうパック」での発送の受注は、中止していただきたいです。

■特定動物について

2021年に質問書を送付させていただいた際、「ゆうパック約款」第7条の「人に危害を与えるおそれのある動物」の注釈箇所「(学校又は試験所から差し出され、又はこれにあてるものを除きます。)」について、特定動物の場合は法的にも問題があるはずだと指摘させていただきました。これについて貴社からの回答は問題がないかようなものでしたが、環境省にも回答文面を確認してもらったところ、正確ではないとのコメントをいただきました。

特定動物の輸送は、許可を受けたケージ等の設備を用いて行わなければなりません。また、通過する自治体にはすべて事前の届出が必要です。貴社の配送トラックが通過する自治体を全て特定動物の飼養保管許可を持つ事業者に伝え、全て自治体に届出が完了していることを確認してから荷受けをしているのでしょうか。そのような対応をしているとのご回答はなく、運用の実態に疑念を持っております。少なくとも合法の手段でなければ荷受けできないことを定款上も示すべきです。

またそもそも、「人に危害を与えるおそれのある動物」は、発送を「ゆうパック」に頼るべきではなく、当事者、もしくは専門の業者によって輸送が行われるべきです。

以上、 動物の輸送は、飼養する者、もしくは専門的な取り扱いができる者等が、細心の注意のもとに行うべきであり、他の一般の荷物と同様の扱いは考えられず、改めて方針の見直しを行うことを求めます。

動物の適正な取扱いを求める法律である「動物の愛護及び管理に関する法律」では、特に哺乳類・鳥類・爬虫類について動物虐待に罰則を設けており、死んだり衰弱したりする可能性についてわかっていながら、拘束状態にした動物を引き受けることは、これに抵触する可能性もあると考えます。

「ゆうパック」での動物全般の受け入れ廃止について、改めて要望いたします。

ご検討の上、本件方針について再度ご回答をくださいますよう、よろしくお願い申し上げます。

敬具

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