湊山公園 日本猿 ニホンザル さる

湊山公園猿が島はニホンザルをふやして猿回し業者に払い下げ 米子市に意見を

特定動物であるニホンザルの逸走が3年連続で起きている米子市立湊山公園のサル展示施設「猿が島」。毎年サルがふえ続けており、複数の猿回し業者に子ザルを渡してきました。

繁殖制限をしていない上に、飼養管理も杜撰で、去年の脱走後の調査時まで、台帳と飼育ザルの数が合っていませんでした。特定動物の管理としてありえません。その調査も1度目は数を誤っており、2度目の調査で1頭、数がふえました。

その上、母子を引き離して猿回しに渡し、厳しい調教のうえに動物の尊厳を奪うことを良しとしているのです。許されることではありません。

3年連続の脱走は、施設の老朽化と作業員の不注意によるもの

2023年11月作業員が施設を清掃中、檻の扉を締めなかったため雄1頭が脱走。約40分後に捕獲。
2024年7月屋根のフェンスの一部が老朽化で破れ、雌1頭が市街地に逸走。
翌日、約900メートル離れた場所で捕獲され、マイクロチップによって猿が島の飼育サルと判明。
2025年2月作業中、バックヤードにサルが入っていることに気づかず、そのまま外に出る扉を開けてしまい雄1頭が脱走。
およそ5時間後に網で捕獲。

さらに昨年の脱走後には、管理台帳上の数字よりサルが多かったことが判明しています。

飼育数の調査は2回行われており、報道によれば1回目では、保健所の指導で施設内のサルを全て捕獲したところ、台帳上は48匹になるはずが実際は52匹いた。外れるなどしてマイクロチップがないサルは10匹を確認。台帳上は死んだとされる個体や、譲渡されて本来はいないサルもいたという杜撰さが露呈しました。(山陰新聞「サルの数、実は4匹多かった 米子・湊山公園 台帳とずれ、管理体制見直しへ」2024年9月27日)

さらに、この調査も間違っており、読売新聞によれば、「その後、10月末に1匹が死亡したため51匹になるはずだが、管理用のマイクロチップを取り付けるために12月4~6日に全て捕獲して数えたところ52匹いることが分かった」とのこと。数え間違えが起きたのは、捕まえたサルに水溶性のペイントを付けて猿舎に戻す方法で数えたが、捕まえていないサルにペイントが付着し、カウントしていないサルがいた可能性があったそうです。(読売新聞「サルのカウント『間違えていた』 米子・湊山公園 夏に本来53匹 全て捕獲で確認、チップと台帳の両面把握へ」2024年12月17日)

管理しきれない数の動物を飼うのは止めるべきですし、令和の今に至るまで無責任にふやし続けたことが信じられません。繁殖制限を行うべきです。

子猿はなんと、猿回し業者へ

湊山公園が、ふえた子ザルたちを譲り渡してきた先の猿回し業者は以下の3業者とのことです。無責任にふやして、猿に調教芸を仕込んで見世物にすることを良しとしていることに驚きます。猿回し業者のところに繁殖由来のサルがいることはわかっていましたが、いったいどのようなところが渡しているのかと疑問に思っていました。20年前ならいざ知らず、現在でもこのように無秩序にふやしている展示施設があることに驚きます。

●周防猿まわしの会
●オフィスえんた
●二助企画

そもそも施設はなぜできた? 市議会では脱毛や濁った水についての質疑も!

去年の脱走事件後に施設を修繕したといっても、獣舎自体が1986年に建てられており、一度フェンスの全面改修をしたとはいえ、老朽化しています。

この猿舎を建てたのは地元のライオンズクラブとのことで、クラブ設立30周年を記念して建設し、米子市に寄贈したとのこと。当時サルは9頭だけでした。そこから今は52頭おり、さらに猿回しに譲渡してきたのです。

ライオンズクラブは当時建物を寄贈しただけで、現在は何の手当てもしていないそうです。その後その施設で動物たちがどうなるのかは関知しない、無責任さを感じてしまいました。

意見先

米子市では繁殖制限措置の調査・検討のための予算はとったそうですが、まだ実行に移されるのは先なので、今年の春も子猿が生まれるはずです。(子ザルは毎年5月~7月に生まれており、ニホンザルの妊娠期間はおよそ半年です。)

生まれた子猿を絶対に猿回し業者に払い下げないよう、意見を送ってください!

米子市

市長にひとこと👇
https://city.yonago.lg.jp/6784.htm

都市整備課 公園担当👇
E-mail: toshiseibi@city.yonago.lg.jp
電話番号:0859-23-5247

参考資料

3回目の脱走については、市町記者会見で質問が出ており、以下のやりとりがされていました。

市長定例記者会見(令和7年2月7日)より抜粋

記者:
すみません、5日に湊山公園でサルの脱走があったいうことで、3年連続、脱走事案が発生している中で、現時点で飼育方法であったり管理体制等について見直しを今検討されていることがあればお願いします。

市長:
このたび、また大変ご迷惑をおかけしましたこと、まずもってお詫びを申し上げます。
原因といたしまして、やはりこれ、人為的なミスだと思っておりまして、二重の扉があるんですけれども、内側の扉を開けて作業をしたときに、その外側の扉との間にサルが入ったことに気がつかなかったと。それで内側の扉を閉めて、外側の扉を開けたときに、それで出ていってしまったということで、やっぱりこれは確認不足が現場の体制にあったと思っておりますので、まずは現状の設備の中でもそうした人為的なミスが起こらないように確認をしっかりしてもらうということが第一でございます。

ただ、中長期的に今の飼育・管理体制でよいかというのは、やはり考えていかなければいけないだろうなと思っております。何よりもちょっと数が増えてしまったというところですね、今、五十数匹いるわけですけれども、結構繁殖力が強いものがありまして、年間6頭ずつぐらい増えていくんですかね。一方で、引き取り手といいましょうか、それも必ずしもたくさんあるわけではないわけですし、ましてや野生に帰すということはできません。できないというのは、一度、飼育で育ったサルが野生で生きていけるかというと、それは厳しいものがあると聞いておりますので、そういうこともできないとなると、専門家に相談しながら、徐々に数を減らしていくようなことも考えていかなければいけない。その方法は、どういうやり方がよいのかというのは、専門家の方に聞きながら検討していかなければなりません。

それから、あわせて、檻といいましょうか、小屋のしつらえをどのように変えていけば、今回のようなミスが起こりにくくなるのかとか、その辺りについても検討した上で、今すぐにということにはなりませんが、檻の形状とか扉の在り方とか、その辺りで改善できるものがあれば、考えた上で、また檻を新たに修繕をしつつ、ちょっと変えていくようなことも考えなければいけないと、そのように思っております。

記者:
ありがとうございます。

記者:
すみません、関連したことになるんですけれども、これまで猿が島で育ったサルについては、引取りとかっていうのは、個人とか動物園とか、あったんでしょうか。

市長:
個人はちょっと記憶がありませんけれども、九州等の猿回しの集団に引き取ってもらうことが多いのですが、年齢や性別などの条件がつきますので、どんどん引き取ってもらえるということではありません。
それと、飼育するサルは自然にいるよりも比較的長生きになりますので、やっぱり増えていくんですよね。
これはあくまで構想ですけれども、もし私に来年度もチャンスがあるのであれば、サルをいい形で生かしてきたいと思います。単に縮小するだけじゃなく、例えばえさ代とか、そういったものについてクラウドファンディングをして寄附集めをするとか。あるいは、今、厚意によって野菜なんかは、形のよくないものとか、廃棄予定のものを頂くことで飼育費用を抑えたりしてるんですけども、そういったことをより一層多くの方々に協力していただけるように、エサを頂けるようなルートを作るとか。サルは、もう30年以上前にライオンズクラブさんから寄贈していただいたものでありますので、もっと生かせるように頑張らないといけないなと思います。

記者:
ありがとうございます。

次ページ:2024年の市議会会議録より

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