農林水産省の全国家畜衛生主任者会議を傍聴

今日と明日の2日間、農林水産省で平成25年度の全国家畜衛生主任者会議が開催されています。全国の都道府県の家畜衛生の担当者が一堂に介し、農林水産省の関連部署からも総出で関連の動向や今後の方針などについて説明をし、情報共有を行う会議です。1日目は一般にも公開されていたので、初めて傍聴に行ってきました。明日は非公開です。

パイプ椅子での長丁場は疲れましたが、いま農水省が家畜衛生について何をやっていて、今年度は新たに何をするつもりなのかの全体像がわかり、とても勉強になりました。動物衛生課からは国内担当の全員紹介があったりして、顔合わせ、交流的な意味もあるのだと思います。(参加者の皆さんは、終了後は懇親会)

動物福祉は今のところ直接何かやっているわけでは全くありませんが、動物の健康にかかわる問題として、このラインがアニマルウェルフェアの普及も担ってくれたらいいのに……と思わざるを得ませんでした。過密で過酷な飼育は病気の蔓延にも関係すると思います。

ちなみに、ペットフード法は環境省と農水省の共管なので話が出てくるのですが(ただし自治体には業務は発生していない)、産業動物の福祉(ひいては動物愛護法)は全く関係ありません。この状態は変えていかないといけないと思います。

とはいえ、気になる話題もちらほらと出ていたので、いくつかご紹介します。

●代替動物を用いたワクチンの有効性確認試験プロトコールの開発

レギュラトリーサイエンス新技術開発事業として平成24年度に採択。ただし、内容は、妊娠牛の代替動物として妊娠山羊等を使う研究開発とのことで、想像したものと少し違いました。

●獣医療を提供する体制の整備

都道府県計画は平成25年3月末までに43都道府県が策定・公表。平成24年度には、獣医事審議会計画部会の委員が県計画の取り組み状況を確認するため、幾つかの自治体を現地調査。調査結果は各都道府県に送付済。

●家畜衛生分野における全国的な薬剤耐性調査

平成12年度から調査を開始。OIEやコーデックス委員会は、動物用抗菌剤を継続して使用するためには薬剤耐性菌のモニタリングが必要であるとしている。

●死亡牛のBSE検査

24カ月齢以上の死亡牛はすべて検査しており、昨年11月までに約91万頭の死亡牛について検査が行われたとのこと。「夏場の熱い時期に牛が死ぬのは周知の通りだが、去年、涼しくなっても死に続けるという現象があった。なぜかという問いに答えられない自治体があった。確定でなくていいので、検討してほしい。予算は無尽蔵にあるわけではない」と言っていました。(つまり、「バタバタ死なすな」という意味かと思います)

ちなみに、日本のBSEステータスについては、5月のOIE総会での採決を経て「無視できるBSEリスクステータス」に認定される見込みです。

●日本からの牛肉等の輸出について

EUが今年3月8日、日本産牛肉の輸入を解禁。その条件の中に、「と畜場における動物福祉」との文言がありました。(動物福祉の言葉がやっと出てきました、さすがEU) 角や鼻輪にひもをかけて係留しない等の条件がついているとのことで、施設の指定は、ヨーロッパルールで進められていくと言っていました。

●ペットフード法に基づく立入検査

行っているのはFAMIC(農林水産消費安全技術センター)。立入で集取されたフードについて、不合格件数はいまのところゼロ件。

●鳥インフルエンザのサーベイランス対象種にハトを追加

中国でハトの事例があったことから、鳥インフルエンザのサーベイランス対象種にハトを追加。レース鳩・伝書鳩の団体に通達が出されたとのこと。報道では「感染判明なら殺処分」となっていたが、家畜伝染病予防法の対象種ではないので、殺処分は間違いだと強調していました。しかし、自主的な淘汰をお願いするということなので、言うほど違いはないように思います。(強制的なものではないと強調したいのだと思いますが)

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