動物実験

環境省がゲノム編集に関する方針決定~倫理観の欠如した研究者の動画もアップしました

投稿日:2018年8月31日 更新日:

昨日8月30日、環境省で中央環境審議会自然環境部会遺伝子組換え生物等専門委員会が開かれ、ゲノム編集について核酸の導入がないものは規制の対象外とし、それらについては新たに所管省庁への情報提供の制度をつくる方針が了承されたことが報道されています。

まだパブリックコメントがありますが、秋から運用したいようです。

この情報提供の制度は法律に基づくものではないので、何の罰則も生じない軽いものです。環境省としては、とりあえず情報収集するということに主眼を置いているようでした。

8月20日に開催されたカルタヘナ法におけるゲノム編集技術等検討会(専門委員会の下につくられたもの)の平成30年度第2回も傍聴してきましたが(第1回の報告はこちら)、やはり性善説に立った制度をつくろうとしていて、例えば病原体(ゲノム編集によって病原体となってしまう微生物を含む)の放出等について、このままでいいのだろうかという疑問は残りました。

もしできた微生物が人間に影響がなくても、ある種の生物に対して病原性があるだけで、生態系が著しく改変され、人類の生存が脅かされるようになることだってあるかもしれません。でも座長は、微生物だけ他の扱いにするなどといったことはするべきでないという立場を鮮明にしていました。

この回でも、やはり動物を扱われている方々は大人しくされていたように思いました。そもそも野外放出することがあまり前提となっていない専門分野だからかもしれませんが…

ただ、ゲノム編集によって誰でも遺伝子改変できるようになり、自宅で実験する「DIYバイオ」のようなこともできるようになってきたことについて触れていた委員もいました。

今回の規制で、拡散防止措置のないところでのDIYバイオによるゲノム編集はできるようになったのか…? というと、やはり国への情報提供は最低限しなければならないのではないかと思います。

規制はどうなるのか

2回の議論を聞いてもよくわからなかったのですが、環境省に確認したところ、そもそもゲノム編集でDNAを切るために用いる「はさみ」に核酸が含まれている場合は、遺伝子の導入を意図していようがいまいがカルタヘナ法の規制の対象となり、実験作業は拡散防止措置を取った場所で行わなければならないとのこと。違反したときにも罰則がかかります。

そうではなく、そもそもゲノム編集でDNAを切るために用いる「はさみ」がタンパク質であり核酸が含まれていない場合であって、遺伝子導入を伴わない場合は、ゲノム編集の作業をするときから既に法律の対象外となるが、そのような実験をする際には、今回決まった情報提供の書類を所管省庁に提出する必要があるということでした。

なので、多くのゲノム編集が、従来の遺伝子組み換えと同等の規制の中で行われることにはなりますが、つくられた生物について、「はさみ」に核酸を使っていた場合でも、作り出した生物に拡散が埋め込まれていないことが確認できた場合には法律の対象外となり、今回新たに作られることになった情報提供の書類を所管省庁に提出すれば、自由に野外に放出したり、拡散防止措置のとられていないところで利用したりすることができるようになってしまいます。

もし検出法が不十分で、野外に出した後に実際には核酸が入っていることがわかった場合はどうなるのか?と思いますが、それは事故として扱うことになるのではないかということで、法律違反になるのかどうかが明確でないように思いました。法律違反の時と同じように、拡散防止措置をとることになるのではないかとのことですが、後の祭りになることもあるのではないでしょうか。

どうも作物が前提の議論になっていて動物を野外放出する場合のことがあまり考えられていないような気がしますが、そもそも動物愛護法の遺棄罪が適用される可能性があるということなのでしょうか。でも魚類などは遺棄にも罰則はかかっていません。

それに、動物では一度に何十カ所も遺伝子を欠損させるといった実験がされています。ゲノム編集だから欠損箇所が小さくて安全だなどということはあり得ないように思います。しかも切りたいと意図したところを切れるのですから、放射線照射などのランダムなものより狙ったことが簡単にでき危険性は高いと思います。

これからどんどん、やりやすく、なおかつ規制に触れないような形の技術が発達するでしょうから、「法律自体は緩いままでいいよね」と最初になってしまっていたこと自体が非常に疑問です。

以下に動画を載せましたが、研究者は恐竜の遺伝子を入れて、いろいろな恐竜をつくることができるなどと子どもに説明しています。

拡散防止措置がとられていれば、何でもやっていいのか。

そもそもそこも疑問です。

科学者が子どもたちに伝えるゲノム編集…倫理観のカケラもない!

2018年8月1日、国立医薬品食品衛生研究所の一般公開で、子どもたちにゲノム編集の説明。 ジュラシックワールドのようなSFで子どもたちをひきつけ、恐竜の遺伝子を入れて、いろいろな恐竜をつくることができるなどと夢物語だけを子どもに話します。病気の治療だってできるようになる保証など、現時点でありません。人間の遺伝子改変を許すのか、多くの人が危機感を持っています。

でも、音声が小さいですが、子どもは「すげえ」と言っています。

科学者はこのような説明をして、一体どういう未来をつくりたいのでしょうか。

倫理観のカケラもありません。

ただ面白いから遺伝子をいじくりまわすような人間を生み出そうとしていいのでしょうか。そうやって作った動物がどういう影響をもたらすかもわからない、そして何より、苦痛を生涯抱えるような動物を作り出すことは動物虐待です。

多くの人がこのような技術に危機感を感じていることをきちんと子どもたちにも説明するべきでしょう。

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