PEACE活動報告ブログ

消費者庁に消費者教育に動物への配慮を含めることを要望    

2015年12月2日、PEACE~命の搾取ではなく尊厳を、NPO法人アニマルライツセンター、NPO法人動物実験の廃止を求める会は、44の団体・企業(*)を代表して「PDFエシカル消費の普及に向けて動物保護からの提言書」を消費者庁に提出してまいりました。

会合の場には、元消費者担当大臣の福島みずほ議員が同席し、国民のあいだで動物への関心が高まっていることを説明、私たちの提言を後押しして下さいました。

倫理的消費申し入れ

2012年に「消費者教育の推進に関する法律」ができて以来、消費者庁は消費者教育・啓発を進めています。その一環として 今年5月に「『倫理的消費』調査研究会」が消費者庁内に設置され、2か月に一度のペースで会合が開かれ、倫理的消費の必要性・範囲・基準について話し合われています。

しかし現時点(2015年11月末)までの議論では、動物への配慮の観点が抜け落ちてしまっています。私たちは、この「倫理的消費」という概念のなかに動物の権利(Animal Rights)や動物福祉(Animal Welfare)の理念に基づいた「動物への配慮」を含めてほしいと考えています。

欧米では「倫理的消費」を考えるとき、「動物に対する配慮」は必ず重要な課題として扱われています。倫理的消費の先駆け的・中心的な存在としてみなされている英国の非営利組織エシカル・コンシューマー(Ethical Consumer)は、エシカルとされる企業の取組について、人権や環境と並んで「動物に対する配慮」を5本柱のうちの1本に据えています(別表参照)。

しかし日本ではこれまで、「動物」という観点から消費行動の善し悪しが語られることは多くありませんでした。動物は、ありとあらゆる商品・サービスで搾取されているにもかかわらず、日本では、動物という意識・感覚を持ち、共に地球上に生きる存在への配慮が、消費行動の中から抜け落ちているという状況にあります。

生産と消費の現場が大きく離れてしまっている現在、日本では自分たちの消費行動が動物にどう影響するのか意識する機会がほとんどありません。しかし、日本の消費者は動物がどうなっても良いと考えているわけではありません。近年のインターネットの普及やコミュニケーションツールの拡大に伴い、憂慮すべき環境に置かれた消費対象としての動物の実態が、日本の消費者にも知られるようになり、欧米で先進する動物の権利(Animal Rights)や動物福祉(Animal Welfare)の取り組みを気にかける消費者が急増しています。

動物に配慮した生活をしたいという気持ちがあるのに、消費行動に反映できないというこの溝を埋めるためには、さらなる消費者教育と企業への啓発 が必要だと考えられます。

企業により良い取り組みを促し、消費者に正しい知識を提供し、動物に配慮した選択ができる環境づくりに、私たちは動物保護団体として長年取り組んでいます。国としてもぜひ率先して取り組んでいただきたいと思います。


動物保護からの提言

「倫理的消費」という概念のなかに、動物の権利(Animal Rights)や動物福祉(Animal Welfare)の理念に基づいた「動物への配慮」を含めてください。


別表:
英国の非営利組織エシカル・コンシューマー(Ethical Consumer)による「動物への配慮」の3つの項目について出典

Animal Testing「アニマルテスティング=動物実験」

 1980年代、動物実験の問題は“ホット・トピック”になりました。化粧品メーカーによる動物実験に対して大きな反対運動が巻き起こったからです。我が国(訳注:英国)においては法的に禁止されているにもかかわらず、今日に至っても化粧品の完成品そして原料に対する動物実験は続けられています。

 動物実験を行う企業、または動物実験に関して不適切な方針をもつ企業は、ここでは批判の対象となります。また、日用品やペットフードに対する動物実験についても同様です。さらに医療品に対する動物実験も含まれています。

Factory Farming「ファクトリーファーミング=工場畜産」

 現代的な畜産システムは工業化されており集約的です。大量生産の原理に基づいてしばしば「工場畜産」とも呼ばれます。このタイプの畜産システムでは、動物たちは狭小なスペースに詰め込まれ、結果的に彼らの健康と福祉は顧みられることがありません。

 アニマルライツの活動家は、もし畜産を続けるならば思いやりと尊敬の念をもって動物たちを扱うべきであり、工場畜産というシステムではそれらは望むべくもない、と主張しています。工場畜産によって生産された食肉や卵を扱う企業は、ここでは批判の対象となります。

 土壌協会認定の有機農業は、一般的に動物への取り扱いが比較的よいと言われており、有機認定された食肉や乳製品はここでは批判対象になりません。

※毛皮(野生由来ではないもの)や魚の養殖などもここに含まれる

Animal Rights「アニマルライツ=動物の権利」

 ここでは動物虐待で告発ないし起訴されている企業が批判の対象となります。またここでは、たとえば動物園やサーカス、動物を利用した広告や、畜産など、動物の苦痛につながる可能性のある活動も含まれます。

 さらに、皮革やゼラチンなど、と畜の副産物の利用についても含まれます。

*本提言書では「化粧品の動物実験」 「工場畜産」 「衣料品に使用される動物」の3つのテーマを取り上げ、テーマごとに市民団体や企業に賛同をいただいています。

12/11追記 賛同が1団体ふえましたので、修正いたしました。

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