PEACE活動報告ブログ

外部認証は登録制の代わりになるのか?<実験動物生産者編>

動物実験関係も、そろそろ動物愛護法改正を見越した業界側の動きが感じられます。

日本の動物愛護法に基づく動物取扱業の規制が動物実験関連施設を除外していること、また動物実験関係者が法規制を一切受け入れようとしないことは、そのことを知った一般市民が最も意外に思い驚く点ですが、そのこと以上に「おかしいのではないか」と思われているのが、実験動物の生産・販売を行う事業者が除外されている点です。

ペット事業者には動物福祉を目的とした規制があるのに、より虐待的な行為に直接晒されることになる動物を生産する事業者は許可もなく自由に営業できるというのは矛盾しています。

生産施設については、「日本実験動物協同組合(実動協)の加盟率が高いから規制は要らないんだ」等よくわからない理由も挙げられていましたが、もう一つ、「日本実験動物協会(日動協)が外部検証を行うから規制は勘弁してくれ」ということも言われていました。

この外部検証は、実験動物生産施設模擬調査に始まり、現在は実験動物生産施設等福祉認証事業になっていますが、この認証制度になってから4年目の今、取得済施設がどれだけあるのか、一覧を50音順に並び替えたリストを作成してみました。

実験動物生産施設等福祉認証機関一覧

㈱NAS研究所:成田試験場
アーク・リソース㈱:中央事業所
㈱イブバイオサイエンス:イブバイオサイエンス研究所
㈱オリエンタルバイオサービス:南山城研究所、神戸BMラボラトリー
北山ラベス㈱:吉城ファーム、箕輪生産場、伊那生産場、本郷ファーム、成田バイオセンター、伊那バイオセンター
㈱紀和実験動物研究所:本社
九動㈱:今藤生育所、鳥栖技術センター、L2
㈱ケー・エー・シー:生物科学センター
三協ラボサービス㈱:つくばラボ
清水実験材料㈱:本社及びアネックス
㈱食環境衛生研究所:食品医薬品分析センターアニマルヘルスサポートセンター
(一財)動物繁殖研究所:第一研究所、第二研究所
㈱特殊免疫研究所:宇都宮事業所
㈱日本医科学動物資材研究所:飯能生育場
日本エスエルシー㈱:中伊豆支所、大原支所、湖東本社、バイオテクニカルセンター、春野支所、引佐支所
日本クレア㈱:富士生育場、石部生育場、技術部富士宮技術サービスセンター、富士山生育場
(一財)日本生物科学研究所:実験動物部
日本チャールス・リバー㈱:日野飼育センター、筑波飼育センター、厚木飼育センター
㈱バイオテック:浮羽生産所
㈱星野試験動物飼育所:星野試験動物飼育所
㈱明治:研究本部食機能科学研究所栄養研究部動物センター

※注:上記の企業等のすべての飼育施設・実験施設が認証を受けているかどうかは不明です。上記施設以外にも動物施設を持っている可能性があります。

詳細は:

このリストを、日本実験動物協同組合(実動協)会員のうち生産販売会社の一覧と比較してみると、以下の企業等が、まだ認証を取得していないことがわかります。

実験動物生産施設等福祉認証をとっていない実動協の生産販売会社

石川実験動物研究所
オリエンタル酵母工業(株) ※ミニブタはAAALAC認証取得済
(有)熊谷重安商店
協和キリンプラス(株)
白石動物株式会社
(株)新日本科学 ※安全性研究所はAAALAC認証取得済
(株)高杉実験動物
中部科学資材(株)
東京実験動物(株)
(一財)日本生物科学[研]
(有)浜口動物
(株)フナバシファーム
(株)ホクドー

国際的な認証であるAAALACを取得している施設は、あえてそれよりかなり内容的にも緩い国内の認証を取得する必要がないと考えている可能性もありますが、ほかはどちらかというと認証取得済企業に比べると規模の小さな会社です。

また、日本実験動物協同組合に入っていない企業もあります。サル供給で有名な企業や、抗体企業で動物も売っているところなど実験動物関連企業でも入っていないところがいくつかありますが、いわゆる動物商でも実験動物を扱っているとしているところがあり、それらの事業者も入っていません。また、ブタなど家畜は、畜産農家からの購入があります。

抗体など動物由来製品を研究用に売る企業で動物も売っているある企業は、愛知・岐阜などで展開するふれあい動物園の事業者と関連があり(ただし現在はHPからその表示は消えています)、そこのふれあいのウサギなどが実験用に流れているという話があったこともありました。実際に、その企業の納入先の1つであった国立大学の方から、その事業者が納入するウサギは健康状態に問題があり、きちんとしたデータが得られないので取引は止めているとのお話も伺ったことがあり、ふれあい由来と確証は得られないものの、きちんと管理されているわけではない疑惑事例は確かにあるのです。

こういった事業者に最低限の遵守事項を法律で求めることが、どうして日本では不可能なのでしょうか。認証制度に頼っている限り、全ての事業者が最低限の事柄を守っていると明言することは不可能です。

認証制度は、アメリカのようにNIHの研究費申請手続きとリンクさせるなどすれば何らかの意義はあるかもしれませんが、基本的には規制遵守のような最低限のものではなく、ある程度の質の高さを示したいときに使われるものだと思います。取得も自主的であり、効果が全施設に及ぶことは期待できません。アメリカも動物福祉法に基づく施設の登録制は別途あることを忘れてはいけません。

さらに言えば、日動協の認証制度のチェック内容自体も簡素で、その理由は、ほぼ環境省の飼養保管基準を守っているかどうかだけが指標になっているからです。この内容であれば、登録制度において登録要件とするなど、規制事項とすればよいのであり、認証制度であればもっと高いものを目指すべきではないかと思います。

外部認証は、登録制の代わりにはなりません。

2006年体制のままでよいのか

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