2019年改正動物愛護法解説:廃業・登録取消後の立入検査・勧告等

2019年動物愛護法改正解説

第一種動物取扱業者であつた者に対する勧告等(第二十四条の二):
廃業・登録取消後に立入検査や勧告等を行うことができる規定が新設されました

 ※改正による新設条項。(第一種動物取扱業者であつた者に対する勧告等)
第二十四条の二 都道府県知事は、第一種動物取扱業者について、第十三条第一項若しくは第十六条第二項の規定により登録がその効力を失つたとき又は第十九条第一項の規定により登録を取り消したときは、その者に対し、これらの事由が生じた日から二年間は、期限を定めて、動物の不適正な飼養又は保管により動物の健康及び安全が害されること並びに周辺の生活環境の保全上の支障が生ずることを防止するため必要な勧告をすることができる。

2 都道府県知事は、前項の規定による勧告を受けた者が正当な理由がなくてその勧告に係る措置をとらなかつたときは、その者に対し、期限を定めて、その勧告に係る措置をとるべきことを命ずることができる。

3 都道府県知事は、前二項の規定の施行に必要な限度において、第十三条第一項若しくは第十六条第二項の規定によりその登録が効力を失い、又は第十九条第一項の規定により登録を取り消された者に対し、飼養施設の状況、その飼養若しくは保管をする動物の管理の方法その他必要な事項に関し報告を求め、又はその職員に、当該者の飼養施設を設置する場所その他関係のある場所に立ち入り、飼養施設その他の物件を検査させることができる。

4 前条第二項及び第三項の規定は、前項の規定による立入検査について準用する。

自治体による登録の取消しがほとんど行われない原因の一つに、取消しを行ってしまうと立入りの権限が失われてしまうため、飼養保管状況の確認ができなくなるという問題があります。

また、自主的な廃業の場合にも、廃業後30日以内に廃業届を出さなければならない現在の決まりを遵守させると、自治体による立入りができなくなってしまいます。廃業後にイルカやペンギンが取り残された犬吠埼マリンパークの事例では、自治体が立入りの権限を残すため、あえて廃業届未提出の法律違反を見逃す対応が長期間続いています。

3団体では、基準に満たない劣悪飼育業者に営業を許さない適正な法の運用をするためには、廃業後の立入り規定が必須であるとして、これを強く求めてきました。超党派議連の骨子案に入らなかったので、改正をあきらめかけたところ、自民党のどうぶつ愛護議連の骨子案にはこの点が入り、最終的に改正に至りました。背景には環境省が必要性を理解したことがあったようですが、それはすなわち自治体が現実に困っている問題だったからではないかと思います。

廃業後に動物を一時緊急保護できる規定については、日本では所有権が強いこともあり難しいと言われてきた通り、要望は実現しませんでした。しかし、検討がなされなかったわけではなく、今後も可能性を探ることが課題として残されました。

施行通知

施行の直前、2020年5月28日付けで環境省から自治体に通知された「動物の愛護及び管理に関する法律等の一部を改正する法律の施行について」(施行通知)では、以下のように説明されています。(この通知は、地方自治法に基づく、国から自治体への「技術的な助言」に相当します)

7 第一種動物取扱業者であった者に対する監督の強化(第24条の2関係)

第一種動物取扱業者について、法第16条第1項に規定する廃業等の事由により登録がその効力を失ったとき又は法第19条に規定する取消事由により都道府県知事に登録を取り消された場合に、その者に対し、これらの事由が生じた日から2年間は、動物の不適正な飼養又は保管により動物の健康及び安全が害されること並びに周辺の生活環境の保全上の支障が生ずることを防止するため、必要な報告徴収、立入検査、勧告又は命令をすることができるとされた。

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2019年改正 動物愛護管理法 2020年 2021年 施行

2019年改正法の概要 目次

● 動物の所有者等が遵守すべき責務規定を明確化

● 第一種動物取扱業による適正飼養等の促進等

● 第二種動物取扱業に帳簿の備付け義務

● 動物の適正飼養のための規制の強化

● 特定動物(危険動物)に関する規制の強化

● 動物虐待に対する罰則の引き上げ

● 都道府県等の措置等の拡充

● マイクロチップの装着等

● その他

● 附則

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