【アメリカ】霊長類センター長がデータ捏造・改ざんを認定されるも所長を継続(メールアクションあり) ※降格になりました!

経過報告:この研究不正を行ったディーパック・カウシャルは、2023年4月、所長から降格になったことがPETAから公表されました。しかし、残念ながら解雇にはなっていません。

アメリカには7つの霊長類センターがあり、サル類を用いる動物実験を行う場を研究者に与えるだけではなく、動物実験のためのサル類の繁殖・提供、研究支援なども行っている。

そうした施設のうちの一つである、サウスウェスト国立霊長類センター(SNPRC)の所長、ディーパック・カウシャル(Deepak Kaushal)が研究不正を行っていたことが、明らかになった。

アメリカ合衆国保健福祉省のもとに研究不正対策のためにおかれている機関、研究公正局(ORI)が、8月3日、カウシャルの1論文、2件の研究費申請書にデータねつ造と改ざんがあったと公表したのである。

しかも、16匹のマカクザルに結核菌を吸入感染させ、その治療を試すような、非人道的な動物実験で不正が行われていた。

このねつ造・改ざんについては、研究不正問題に取り組む白楽ロックビル氏の記事が詳しいので、ぜひ見てほしい。現時点で撤回された論文は1報だけだが、今回ORIに認定された研究不正は、実際に行われた実験の手順を知っている者にしか告発できないタイプの研究不正である。カウシャルの他の論文で不正が発覚しづらいのも、そのためである可能性が示唆されている。

しかし、問題は研究不正が行われたことにとどまらない。カウシャルに対しては、1年間、監督期間を設けるだけの甘い処分となってしまった。研究費を得ることができるだけでなく、所長の職位も維持されることとなってしまったのである!

カウシャルは、チューレーン国立霊長類研究センター(TNPRC)とサウスウェスト国立霊長類センターの2か所の霊長類センターを渡り歩いた人物で、このねつ造・改ざんはチューレーン国立霊長類研究センターで行われたものらしい。だからといって、不正研究者がサウスウェスト国立霊長類センターで要職につき続けることが許されるだろうか。

不正研究者が霊長類センター長で続けることを報じるサイエンス誌の記事

サウスウェスト国立霊長類センターは、年間約 1,000 万ドルの連邦資金を得て、約2,500頭のマーモセット、ヒヒ、マカクザルを飼育する巨大な動物実験施設だ。

サルの飼育管理や実験利用には高い倫理的配慮が必要だと言いながら、結局はこのようなことが行われるのである。

ディーパック・カウシャルの所長解任を求めるメールアクション

この問題について、動物実験問題に取り組むアメリカの団体「CAARE」が解任を求めるメールアクションを行っているので、紹介する。

アクションページ

英語で、名前(first)、姓(last)、メールアドレス(e-mail)を記入するだけで送信できます。コメント欄はオプションなので、任意です。

レター翻訳

政府が資金を提供したマカクザルの実験において意図的にデータを改ざんしたディーパック・カウシャル博士をサウスウエスト国立霊長類センター所長から即時解任していただきたく、メールいたします。

アメリカ合衆国保健福祉省・研究公正局は、ディーパック・カウシャル博士が、ヒト以外の霊長類に結核菌やサル免疫不全ウイルスを感染させた研究において、10か所も「意図的に、故意に、また/あるいは、みだりに、実験方法を改ざんし捏造を行った」罪があることを見出しました。

驚くべきことに、サウスウェスト国立霊長類センターを監督するテキサス生物医学研究所は、わずかな是正措置しか講じていません。カウシャルは研究を行い、助成金を受け、センターで2,500頭の霊長類の世話を監督する職務を続ける許可を得たのです。こんなことはあってはなりません。

助成金を受ける研究者が、彼らの行いとは関係なく資金を得続けるのであれば、研究における良い行動規範を遵守しようとするインセンティブは働きません。これは、最も高い水準を遵守する必要性について、研究者によくないメッセージを発することになります。

このことは、研究に使用される動物に対するケアの水準が、人間の医療に適用される水準よりもはるかに低いことを、さらに示しています。このように重大なことでヒトでの研究結果を改ざんした医学所長なら、問答無用で解任されるはずです。

カウシャルは、意図的にデータを改ざんし、税金と霊長類の命を浪費し、科学界に嘘をつきながら、残酷な動物実験を行ったのです。彼が霊長類研究センターで研究を続け、ましてや指揮を執っているのは許しがたいことです。

カウシャル博士を所長とし続けることは許されず、直ちに解任すべきです。

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