動物実験代替法による発達神経毒性の評価を推し進めるEU共同研究センター

化学物質が子どもの脳の発達を阻害する可能性(いわゆる発達神経毒性)について、動物実験の代替法を使って評価する方法に関し、EUが設置するジョイントリサーチセンター(共同研究センター:JRC)がリリースを出していました。(以前の記事も参照)

JRCなどが編纂した“Toxicology and Applied Pharmacology”(毒性学と応用薬理学)というジャーナルの特別号では、発達神経毒性や規制科学の分野で活躍する141人の国際的な専門家による18の論文が掲載され、発達神経毒性(DNT)を引き起こす可能性のある化学物質を評価するための新しい枠組みが必要だという見解に至ったとのこと。

科学者たちは、ヒトの脳の発達において重要なステージで影響を与えるかもしれない化学物質を検出するために、ヒト由来の細胞・組織モデルを使用して標準化されたin vitro試験の開発を推奨しており、さらにゼブラフィッシュや線虫(C.エレガンス)などのモデル生物を用いた方法で補うことによって、例えば行動の変化を推察する方法などが検討されているそうです。

また、発達神経毒性がどういう重要事象を引き起こすかのメカニズムについて(専門用語では有害転帰経路(AOP)を)まとめることを提案しており、それにより迅速な計算モデルや化学構造に基づくスクリーニングを行うことができると考えられています。

究極的には、インビトロの評価法と計算的な手法を統合した試験評価法(IATA)において組み合わせ、農薬などの植物保護用の薬剤や化粧品、工業用化学品などのさまざまな規制分野の目的に合致した評価を提供できるだろうとのこと。

日本ではとにかく「動物実験で」という論調があるように感じますが、国際的には、この分野も、動物をできる限り使わない方向での検討が進められていることを感じます。

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