EUの実験動物のケージサイズの新基準をアップしました(げっ歯類から霊長類までの部分のみ)。これは2010年に定められたもので、2017年1月1日から各加盟国で適用されなければいけない基準です。
日本では、今年の改正動物愛護法施行へ向けて、これから動物取扱業者等の施設基準の話が議論されていく予定ですが、国際的には実験動物ですらこういったサイズが採用されていくのだという意味で、参考になればと思いアップしました。
さすがに、げっ歯類については、かなり狭いので参考にはなりませんが、イヌ、ネコ、サルについては、日本の動物取扱業者が果たしてこれをクリアできているだろうかと感じます。
ネコなどは、棚板の最小面積が決まっていますので、棚板をつけなければいけないという解釈になります。高さも2メートル必要です。閉じ込められたまま実験に使われる運命の動物とは比較できないという問題はありますが、少なくとも日本の多くの生体店頭販売業者ではクリアできていない条件です。
イヌも、可能な場所なら、出して走らせろと言っています。ケージから出して運動させるかどうかなども動物の福祉上大きな違いを生むので、ケージのサイズだけではない議論が必要ではないでしょうか。実験動物は体重ごとの基準になっていることが多いですが、体長・体高・体を伸ばした時の全長なども考慮に入れるべき点だと思います。
ケージサイズについては、小さいサイズで基準が決まってしまうと、結局その低いレベルが可として確定してしまう懸念もあり、非常に難しい問題があります。一方で、行政が指導なり処分なりをするには、具体的な数値が必要だというのも現実です。
動物愛護法政省令検討のスケジュールはこちらに掲載したとおりですが、既に若干遅れることになっているとのことです。