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厚労省で非公開審議~ライオンの新しい歯磨き粉&新規紫外線吸収剤

昨日、厚生労働省の化粧品・医薬部外品部会が開催されました。企業が承認申請を出している具体的な製品等について審議がされるので非公開ですが、審議結果について情報を得ることができました。

ちなみに、今回議題として事前に公開されていたのは以下の通りです。

3.議題

[審議事項]
・医薬部外品ライオンデンタルペーストCの製造販売承認の可否について
・化粧品基準の一部改正について
[報告事項]
・医薬部外品薬用No.6について

新製品「ライオンデンタルペーストC」のリン酸L-アスコルビルマグネシウム

医薬部外品ではライオンの歯磨き粉が審議にかかりました。製品名は上記の通りですが、有効成分はリン酸L-アスコルビルマグネシウムとのことです。全くの新規成分ではなく、これまで医薬部外品に使うことのできた成分ですが、薬用ハミガキへの使用については初めてとのことで審議の対象になりました。

このために新たに動物実験が行われたかどうかについては、厚生労働省も答えられないとのことで、ライオンに質問した結果も以下の通りでした。

平素はライオン製品をご愛用いただきまして、ありがとうございます。
お問合せの件につきましては、非公開でございますので、回答は差し控えさせていただきます。
何卒、ご理解賜りますようお願い申し上げます。
以上、ご連絡申し上げます。

要件としても必ずしも追加の動物実験必須とは言えないはずで、何ともはっきりしない結果ですが、薬用ハミガキに入れてよいという範囲の拡大について、何らかの実験データに基づいて昨日の審議が行われているはずです。議事録の公開はなされますが、まだ少し先になるかもしれません。また、部会で審議された品目についてはPMDAのサイトで資料概要等が公開されることになっています。

追記:後日厚生労働省が公開した議事録によって、少なくともモルモットの口腔粘膜刺激性試験が行われていたことがわかりました。これまで化粧品で使われていた成分ですが、「粘膜に初めて適用する」との発言があり、この申請のための実験です。
また、PMDAのサイトで公表された審議結果報告書には以下の記述があり、この製品のために各種動物実験が実施されたことが確認できました。そもそも、動物実験を行っていないならば「していない」と回答するはずだと考えるべきでした。ラット、ウサギ、モルモットだけでなくイヌまで使われていました。
ライオンデンタルペーストC ライオ(株) 審査報告書 動物実験記載 リン酸L-アスコルビルマグネシウム、モノフルオロリン酸ナトリウム

ちなみに、ライオンには、化粧品分野の動物実験全般について行っているのか止めているのかも質問していますが、回答はこれから届くことになっています。

追記:ライオンには2016年、美しさに犠牲はいらないキャンペーンでもコンタクトを取りましたが、口腔製品のための動物実験は止められないと言っていました。

新規紫外線吸収剤トリスビフェニルトリアジンのポジティブリスト新規収載

また、化粧品基準の一部改正と書かれていましたが、これも企業からポジティブリストの改正要請があったため行われるとのことでした。ポジティブリストに載るのは防腐剤、紫外線吸収剤、タール色素のいずれかになりますが、この要請をする際にも動物実験のデータが求められています。最近、改正要請はほとんどなくなってきており、久しぶりになります。

審議終了後に公開されたのですが、今回審議されたのは紫外線吸収剤であるトリスビフェニルトリアジンとのことでした。

海外で開発された新規成分を日本でも使えるようにするための改正要請であり、そのために追加で動物実験されたかどうかは教えてもらうことはできませんでした。ただし、日本ではこの基準改正のためには動物実験データは必須です。

昨日の審議で承認されたので、今後パブリックコメントにかかったのち、基準改正の通知がなされることになります。パブコメの時期は未定です。→改正されました。詳しくはこちら

追記:この原料を製造しているBASFより「申請をしていない」との回答があったため、BASF SEの原料ではないようだと記載していましたが、BASFのトリスビフェニルトリアジン(Tinosorb A2B)を岩瀬コスファ株式会社が日本国内で販売するために申請していたことが、後日、厚生労働省の議事録の公開により判明しました。再訂正します。詳しくはこちらをご覧ください。
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3月8日まで、化粧品基準改正のパブリックコメントが行われていました。現在の日本の法律では、国は化粧品(医薬部外品ではない化粧品)には動物実験は求めておらず、新規成分であっても企業は自らの責任で安全性を担保すればよい形になっていますが[…]

医薬部外品薬用No.6

最後の医薬部外品薬用No.6というのは、この番号がついて申請されている製品があるという意味とのことでした。審議ではなく、承認することが事前に部会で報告される形ですので、新有効成分含有医薬部外品のように新規性が高いわけではないが、何らかの新規性のあるものではないかと思います。動物実験もされている可能性が高いと思います。

追記:この申請も、当時は全く素性がわかりませんでしたが、議事録の公開によって、勇心酒造株式会社の開発した成分「ライスパワーNo.6」であることがわかりました。眼刺激性試験、単回経口投与毒性試験、反復経口投与毒性試験、皮膚一次刺激性・連続皮膚刺激性などの試験データがあることが報告されており、この成分のために動物実験が行われていたことがわかります。この成分が使われている商品に「ライース®クリアセラムNo.6」があります。
~~

まだまだ化粧品分野で動物実験されている事例が表に出てきました。ただ、添付されている動物実験データがいつ行われたものか等についてはわかりません。ヒトの安全性に関わるというのなら、詳細な情報公開を行うべきではないかと常々思います。

化粧品部会議題

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