経済産業省の委託事業として2011年9月から開始されていた「ナノ材料の安全・安心確保のための国際先導的安全性評価技術の開発」は本年度が最終年度とのことで、先日、研究成果報告の会合が開かれました。
このプロジェクトでは、ナノ材料の吸入毒性を比較的簡便にスクリーニング評価する方法である「気管内投与試験」の開発に特に力を入れてきたとのことで、この試験も動物を用いる試験法ではありますが、動物実験の3Rの取組みの一環として国は考えています。
プロジェクト概要と講演会主旨にも、このように書かれていました。
「多種多様なナノ材料が開発され市場化されて行くためには、有害性を把握した上で適切に使用されなければなりません。一方で、それらの全てに動物試験による詳細な有害性評価を行うことは、費用・時間・動物愛護の観点から現実的ではありません。我々は、ナノ裁量を用いる事業者や行政が活用できる効率的な有害性評価の方法が必要であると考えました。」
(強調は当会)
全体を聞く時間がなかったので簡単なご報告になりますが、最後に質疑応答で「in vitro試験(注:細胞試験などの、いわゆる非動物試験)も導入を考えてはどうか」との質問があり、これまで動物実験が必要ということでやってきたが、今後については可能性もある?と感じさせる一幕もありました。