人と動物のキメラ作成に関する規制緩和については、ヒトESの問題が先に議論されたため、しばらく議論が停止していましたが、この12月16日、「動物性集合胚の取扱いに関する作業部会」の第6回が開催され、再び動き始めました。
それに合わせて、オンラインで集めていた署名と、今年2回出展したイベントで集めた署名、合計1,230筆を文部科学省ライフサイエンス課生命・倫理安全対策室に提出いたしました。ご協力をくださいました皆さまありがとうございました。
オンライン署名は、もし特定胚指針が改正されることになった場合、パブリックコメントが行われますので、そのご案内を流すタイミングまでオープンにしておく予定です。ぜひ継続して御協力をよろしくお願いいたします。
※署名サイトへのアクセスは、下記のバナーをクリックください。
ちなみに、今回の作業部会では、動物性集合胚作成が許される目的を3つに広げた場合、それぞれについてどのような課題があるか、表を埋めていく形で委員から論点の洗い出しのような作業がありました。具体的には以下の資料2です。次回は、今回の議論に基づいてこの表が埋められたものをもとに、さらに議論を行うとのことです。
今回は、この作業部会後に署名を提出し、文部科学省と意見交換する時間もいただくことができました。そこでは、規制緩和に反対していることだけではなく、動物性集合胚の作成目的をモデル動物作成まで広げることにも反対であること、サルで事前に行うことも意味がないと考えること、感染症などの安全性について患者に移植する際に問題がないかどうかの議論があえて抜かされていることが疑問であったことなどを伝えました。(実用化は当面ありえないために安全性は論点から抜かされているのですが、もし異種移植に問題があるのなら研究開発も止めるべきであり、違和感があったことを伝えました。)
また、この件に関係して、医学専門誌ではありますが「腎と透析」に寄稿をさせていただきました。よろしくご覧ください。
「腎と透析」77巻6号(12月号)
特集:腎臓再生医療―臨床応用に向けた新たな取り組み