“STAP”の正体はES細胞 新たに捏造も認定

昨日、STAP細胞論文に関する調査結果の公表がありました。検証実験の結果公表及び小保方氏の退職と、さほど日を隔てずに公表があったことは大変驚きましたが、「STAP細胞」とされた細胞の正体をES細胞とほぼ断定する内容でした。

ES細胞を「混入」させたのが誰であるかまでは確定しなかったようですが、意図的であったことが強く推察できるような説明が調査委員会からなされました。

捏造の認定は2カ所に留まりましたが、図表の問題点は他にも列挙されており、小保方氏がほとんど根拠となるデータを提出できていない実態がわかります。本来、データを示すことができなければ不正ですから、調査委員会の対応は手ぬるいとも言えますが、最初の理研の不正調査が隠蔽的であったことに比べれば、格段に詳細な情報が出てきたと感じます。少なくとも、論文の「基盤が崩壊」していることは明確になりました。

もし、今回の調査結果を先に行っていれば、検証実験を行うという発想に至らなかったことは間違いがなく、多くの動物たちの命も失われることがなかったことでしょう。

日本の「動物の愛護及び管理に関する法律」は、罰則に「第四十四条  愛護動物をみだりに殺し、又は傷つけた者は、二年以下の懲役又は二百万円以下の罰金に処する」とあり、対象から実験動物を除外するものではありません。実験動物を殺傷した際の「みだりに」の解釈はケースバイケースとのことで、目安も特に示されていません。「動物実験委員会を通っていないことが要件か?」と環境省に尋ねましたが、それも一概には言えないとのことで、それも「みだりに」の判定に関係はありません。

ESを意図的に使った人がいたならば、もしくは本当に必要かどうかを調べずに行われた検証実験は、動物虐待に当たる要素があるのではないでしょうか。

STAP研究への不正の疑義に関しては理研が対応を誤ったことは明らかですが、そのことに対する社会的な責任については、相変わらず意識が希薄な印象を受けました。「生命科学は何となく不正が多くて信用ならない」「科学者は地位や面子が大事で、不正を正そうとしない」といった印象は誤りではないでしょうし、特段に正す必要はないということなのかもしれないですが、これでよいのだろうか?と思います。

すくなくとも小保方氏は、まるで理研がわざと逃がすかのように退職をしたばかりで、実質的な処分は下せなくなっていますし、少なくとも研究費の返還請求は必須に思います。

ひとつ朗報だったのはハーバード大学の調査も始まっているとの情報です。論文には、動物実験の事前審査は理研CDBとハーバード大学から受けていることが明記されています。それに関する問い合わせにもハーバード大の動物実験委員会からは返信はないので、調査がどれほど期待できるのか心もとない感じもしますが、ホテルへの宿泊代などはハーバードの研究費から出ているとのことですし、あちらで不正が認定されることも重要であろうと思います。

今回の調査委員会の報告書は以下のページから読むことができます。

STAP細胞を用いたとされる動物実験について、以下の点も気になりました。

  • スライドのほうにテラトーマの写真が掲載されています。会見では説明がありませんでしたが、報告書には、細胞を植え付けられた側のマウス由来の組織をSTAP由来だと論文に書かれていることが示されています。これも不正なのではないでしょうか? また、ES細胞とわかって動物に不正に移植実験を行った人がいるとすれば、残酷なことも平気な人物であると感じます。
  • ArticleのExtended Data Fig. 9の動物実験が本当に行われたものかどうか疑問を呈していましたが、ここについては何も記載がありませんでした。

stap細胞 動物愛護の観点から

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