毒物劇物の分野でも動物実験の代替について初めての通知が!

6月13日、毒物及び劇物取締法の分野でも画期的なことが起こりました!

厚生労働省が「毒物劇物の判定基準の改定について(通知)」を発出し、毒物及び劇物の判定の際に用いられるデータについても、動物実験の代わりとなる試験法を用いることができると、明確に目安とともに示したのです。

しかも、「近年では欧州を中心に動物愛護の観点から動物実験を廃止する動きがあり、国内でも動物実験を必要最小限に抑える方向にある」との記述もあり、このことの認知が国内でも進んでいることを感じます。

厚生労働省によると、これまでもOECDで採用されている代替試験法について用いることはできたそうで、個別の相談にはそのように答えてきたそうなのですが、明文化された基準はなかったため、利用は進んでいなかったとのことでした。

今回、具体的に明文化されたことで、代替法の利用が進むことを期待します。

既に各業界団体にも通知されています。

※OECDのテストガイドラインの番号が出てきますが、どれがどの試験法に当たるかは、こちらもご参照ください。

今回の改訂では、あくまで代替法も使えるし動物実験も生きているという形であり、「動物実験ではなく必ず代替法を使うように」となっているわけではありません。

ただし、皮膚腐食性・刺激性は代替法が推奨、眼の腐食性・強度刺激性も代替法が推奨ということは書かれています。動物実験についても書かれているため、建てつけがわからづらいのですが、今回追加されたのは、最後の注釈の下線部です。内容については、通知文そのものを見たほうがわかりやすいかと思います。

LD50の数値も出てきますが、批判を浴びた昔の試験法については既にOECDが削除しているので使えないはずです。そのことが明確でないのは残念ですが、現在は動物の使用数を減らした試験法が代わりにいくつか採用されており、さらにそれらを代替する動物を用いない試験法について検討が進んでいることも記載されています。

眼について動物を用いる場合の記述も残っており、改訂されたドレイズテスト(TG405)と同様、苦痛への配慮を行うものとなっていないのは問題ではないかと思います。が、これも動物実験の削除が最も望ましいでしょう。

代替法の考え方

毒物劇物というと作用が強いので、「動物を使わなくていいのか」と心配する向きもあるかもしれませんが、例えば、人工的につくった皮膚で試してかなり損壊するような化学物質であれば、もう人間の皮膚への刺激性は強く予測できるわけで、動物で試す必要はないわけです。

作用が強いからこそ、わかりやすいとも言えます。

問題は、すでに毒物劇物の指定を受けている物質について企業が指定を外したいときにもこの判定基準が使われていることです。その場合は、毒性がないことを立証しなければならないので、現在の考え方では代替法が不利な場合もあり、動物実験が残ってしまいます。

ここを克服するための地道な作業は国際的にも今後も求められていきますが、国内での理解が進むよう、今後も動物愛護法改正運動などを通じ、働きかけを行っていきたいと思います。

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