厚生労働省「薬剤耐性ワンヘルス動向調査年次報告書2017」(平成29年10月18日 薬剤耐性ワンヘルス動向調査検討会)という報告書を公表しました。
「国内におけるヒト、動物、農業、食品及び環境の各分野における薬剤耐性菌及び抗微生物薬使用量の現状及び動向を把握することを目的に調査結果を初めてまとめたもの」だそうです。
確かにヒト(医療用)から家畜・水産までデータが網羅されています。家畜ではかなり耐性菌の割合の高い薬剤・畜種の組み合わせもあるようで驚きます。
しかし、抗菌性飼料添加物(家畜の餌に配合されるもの)は年間235.1トン(2013年)も使ってますが、何だかノーコメントですね。
今年OIEが公表したところによると、成長促進目的での抗菌剤(飼料添加物)の使用を禁止している国は74%に上るそうですが(2015年時点)、日本政府は沈黙? もう少し説明ほしいところですが。
それに比べていわゆる愛玩動物用は10.74トン(2013)、動物用抗菌剤全体の販売量の1.4%とごくわずかしか占めていないのですが、愛玩動物におけるヒト用抗菌剤の使用量については調査されておらず、調査方法の検討も含めて今後の課題であると書かれています。(まあ結局、ヒト用抗菌剤が最優先なのでしょうね)
2016年度、農林水産省で「愛玩動物薬剤耐性(AMR)調査に関するワーキンググループ」が設けられ、本年度から愛玩動物分野の薬剤耐性菌モニタリング調査を開始する予定とのことです。