【報告】多度大社で行われた昨年の上げ馬神事に関し、関係者が書類送検されました

動物虐待のない社会を目指す会との連名で刑事告発しておりました昨年の上げ馬神事について、9月24日に、動物愛護法違反の疑いで12名を津地方検察庁へ書類送検したとの連絡を受けました。同日、報道もされており、検察に起訴を求める「厳重処分」の意見が付されたとのことです。

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ただし、告発は受理されていましたので、送検は必ずされる過程に過ぎません。大事なのは、これから検察庁がどう処分を決めるかです。

告発から送検まで時間がかかりましたが、綿密に捜査してくださったということだと受け止めています。今後、厳重な処分を求めて検察庁にも意見を伝えるつもりですが、検察庁でもしっかり捜査がされ、厳正な処分となることを願いつつ、結果を待ちたいと思います。

昨年の様子

今年の上げ馬神事について

今年も上げ馬神事は、5月4・5日の2日間にわたり、執り行われました。3地区から3名の乗り子(騎手)が選ばれ、1日目に6頭が、2日目に3頭が上げ馬を行い、昨年のような事故は起きませんでした。ほかの3地区は自主的に不参加を決めました。

動物虐待のない社会を目指す会は今年の上げ馬神事でも現地へ行かれており、以下のような点が改善されていたとの報告を受けています。特に坂の上の壁がなくなったことは大きな改善であり、長年の動物福祉関係者の悲願達成と言えます。

壁が撤去された上げ馬の坂

ただし、今年も1日目に、坂を登らせるのに勢いをつけすぎた場合になかなか止まれず、坂の上の観覧者の前の白いフェンスに馬が当たるということがありました。これについては、多度大社が公表した「本年の上げ馬神事を終えて」において、「現行の方法については問題があり、境内を安全に周回しつつ速度を落とし、自然に止められる方法について検討を要する」と真っ先に挙げられました。

当会では、できれば坂を駆け上がらせることも止めてほしいと思ってはいますが、壁をなくすなどの大きな改善が見られたこと、また今年も終了後に引き続き改善の検討がなされたこと等を歓迎しております。動物愛護法の原則にあるように、みだりに動物を虐待することのないようにするのみだけでなく、人間と動物(馬)が共に生きていける社会を目指し、動物(馬)の習性をよく知ったうえで、適正に取り扱われることを望みます。

改善された点

  • 坂の上の壁が撤廃された
  • 坂の角度を地理的に可能な限り緩やかにした(馬術専門家の判断とのこと)
  • 坂の地盤改良をし、走路と坂に砂を10cm程敷いた(グリップが利くようになった)
  • 小雨でも滑らない坂になった(お酒も撒かないようにした)
  • 坂の両端に氏子が並ぶが、幅は目一杯広く取り、動かないようにする専門家指示があった
  • 鞭を乗馬用に変更した(指示程度に使用することとした)
  • 坂上げスタート地点には入場を6名までに制限し、スタート後騎手以外が馬に触れた場合は曳き馬にすると決めた
  • 馬が階段を使用することはなくなった
  • 坂の使用後は毎回整備した
  • 楠廻りは、無理やり曳いて走らせることはなかった
  • 手綱やハミを強く引っ張る行為を禁止した
  • 馬へのコミュニケーションが以前より多かった(褒めたり、なでる行為)
  • 上げ坂後、馬に対してすぐに給水していた
  • 獣医師を坂の下に整備、馬運車は慰霊碑付近の広場で走路から走行可能とした
  • 馴致を行うことにより、ぶっつけ本番ではなくなった
  • 獣医師は定期的に馬の状態をチェックしていた
  • 乗馬技術、動物福祉等の講習を、県と馬術有識者にて実施した
  • 講習参加者にのみ法被に印を付け、馬の取り扱いと参加をわかりやすく制限した
  • 講習では過去の映像なども使用し、問題行為の周知徹底をした
  • 馬繋場において、馬付近で滞在する人数を制限した(昨年よりかなり削減)
  • 氏子用の滞在テントを、馬から少し離れたところに地区ごとに設置した
  • 馬繋場で馬装を外せる時間がある場合は、多くの馬が外していた(5日)
  • ミスト噴射は昨年同様あった。両日とも日影は高温ではなかった
  • 監視委員は自地区のみでなく、神事全体において監視するようにした
  • 監視委員についても、取り締まるべき行為の認識統一のため、事前に研修会が行われた
  • 拝観者へのお願いと本年の神事についての案内ビラを、三ヵ所に設置した
  • 館内放送にて、注意喚起を数回放送した
  • 馬の近くでの大声に対して、一度氏子が注意しているのを聞いた
  • 初日の鞭の使用、上げ坂後の馬の止め方に問題があったため有識者から指導が入り、翌日の本祭では改善を試みた

改善してほしいと感じた点

  • 上げ坂の走行スピードを速くならないように指導、練習してほしい
  • 上げ坂後の、境内上での馬の静止の方法の徹底を(撮影用足場が危険)
  • (うまく静止させるためにも)祭馬は指導を行っている牧場で練習かつコミュニケーションがとれた、祭りに適した馬を使用してほしい
  • 乗り子の乗馬技術の向上を徹底してほしい(和鞍から乗馬用へ変更)
  • 上げ馬後の境内上での儀式を、馬に負担が少ない方法にしてほしい
  • 拝観者への注意喚起ビラは、積極的に配布してほしい(HPにも掲載があればよいと感じた)
  • 境内上にも、館内放送がしっかり聞こえるようにしてほしい
  • 祭事に氏子が歌う歌は、馬に練習時より聞きならした状態にしておき、祭事での馬の負担を減らしてほしい
  • 馬装をできるかぎり軽装にし負担軽減、また装着時間の短縮を図ってほしい
  • 馬たちは連続して数日間の行事参加になるため、拘束時間を短縮してほしい
  • 鞭の使用を見直してほしい
  • 祭事側にも喫煙場所の徹底をしてほしい  など

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その後の経過

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津地方検察庁 外観
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