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コツメカワウソ密輸事件で懲役2年の求刑! 判決は8月6日です

7月28日、東京地方裁判所でコツメカワウソ密輸事件の裁判がありました。

2018年10月に羽田空港でコツメカワウソ5匹が見つかった事件で、カワウソを運んだ男Hと、別の密輸事件で手口を覚えたとされた男Mの2人には既に判決が出ていますが、タイにいた別の男が捕まっていませんでした。その男Yが、今回の裁判の被告人です。

▼MとHの事件についてはこちら

コツメカワウソ密輸裁判判決/通報したカワウソカフェには都のセンターの立入り

しかし、当日傍聴に出向いたのですが、何と新型コロナウイルス対応で、座席が1席おきにしか座れない対応となっていて、傍聴ができませんでした。(集まってくださった皆さん、すみませんでした! 涙) 

被告人質問が行われている様子は扉の外からもとぎれとぎれに聞こえるのですが、「カワウソ」という単語しか聞こえず。

法廷内で傍聴することができた方から、概略を教えていただきました。

被告人のYは、昭和31年生まれ。元暴力団員で、暴力団を止めてから、戸籍の本名のYではなく「なぐも」と名乗っていた。現在は住所不定、無職。前科は動物の違法取引とは関係のない犯罪で計5犯。動物犯罪での摘発は初めてとのこと。黙秘はせず、聞かれたことは全て答えていたそうです。

検察はYが主犯との見立てでしたが、被告人Yは、既に有罪になっている後輩のMから頼まれたと主張。検察官は厳しく追及していたそうですが、Mに「もし捕まっても罰金くらいですむから」と言われ、軽い気持ちで引き受けたと一貫して述べていたとのことです。

Yはタイやフィリピンにはよく行くそうで、タイではビットコインの運用(?)をしており、カワウソはついでだった。芸能事務所の社長のAがタイにいて、社員であるHをタイに呼んだので、Hの面倒を見たと主張。

Mは「カワウソは金になる」と言っていたそうですが、「では、そのあとでカワウソをどうするつもりだったと思います?」と突っ込まれて、「誰かに頼まれたのか、売るのかだと思った」のような、そんなに深く考えていないようなことを言っていたとのこと。

Aとはタイで初めて会った。ラジオの仕事をしていると言っていた。SNSのグループに招待され、Hとつながった。そのグループで店がわかり、Hを連れて行った。

「Hはあなたに指示されたと言っているが?」という追及には、Hは若く、値引き交渉などはできないため、タイ人とはこういうふうに交渉するんだとは教えた等答えていたそうです。

そして、驚いたのですが、Hと同じ飛行機でタイから日本へ戻って来ていたのだそうです。Hの運んだカワウソが羽田空港で見つかってしまい、これはまずいことになったと思ったとか。

カワウソ5匹のうち一部が死んだことについて(報道によると2匹死亡しており、その後にさらに2匹死亡)、検察官は、「死んだのご存知ですか? 絶滅危惧種が死んだんですよ、あなたこれどう思います?」とかなり突っ込んでいたそうで、これまでの裁判ではあまりなかったことだなと思いました。被告人Yは、「それは申し訳ないと思っています」とぼそぼそと答えていたそう。

Yは、Hの滞在費やカワウソ代金など10万円ほどを立て替えたそうで、「何の見返りもないのに、手伝ったのか」ということも追及されたそうですがが、「軽い気持ちで手伝った。いけないこととわかっていたが、そんな重い罪になるとは思わなかった」という主張は崩さなかったようです。

裁判官も、「今どう思ってる?」と問うたそうですが、「申し訳ないことをしたと思っています」というような答え。

検察は、組織的犯罪であることを強調、その中でもYが中心的立場だったと考えられると主張。また、このやり方というのは誰でも模倣ができてしまうことから、極めて悪質であり、厳罰に処すべきだと述べ、懲役2年を求刑したとのことです。絶滅危惧種を密輸するような事件が今後なくなるためにも、厳しく求刑するとのこと。

弁護人は、懲役2年については争わず、重大な事件であることは認めつつ、あくまでHの滞在の世話など補助的役割だと主張。執行猶予付きを求める戦略でした。本人が反省していること、見返りがなくお金ももらっていないこと、息子の妻が身元引受人になり、再犯の恐れもない等を挙げていたそうです。

被告人は最後に一言と促され、「ご迷惑をかけて申し訳ありません」というようなことを言ったそうです。

懲役2年は、既に有罪判決を受けているMと同じですが(但しMは執行猶予つき)、それなりに厳しい求刑なのではないでしょうか。傍聴席も驚いた様子が見られたとか。

Yは、年齢よりも年取って見える感じで、裁判は、全体で50分間くらいだったそうです。

去年、別の事件の裁判では、密輸で知られるペットショップ経営者(どう考えてもタイで動物を仕入れている張本人)が「亡くなった知人に頼まれただけ」という、信じられない主張をしましたが、そういうケースもあることを考えると、裁判での「頼まれただけ」にどこまで信ぴょう性があるのかはわかりません。

少なくともカワウソを現地で調達できる人間がいないと成り立たない犯罪なので、そのあたり、SNSの記録などの証拠はどうなっているのかなと思いました。

若干「藪の中」ですが、いずれにしても関与したことは認めており、できる限り重い刑に処されてほしいです。

また、カワウソを運んだHは、社長から「カワウソを運ぶと教えられていた」と取り調べのときには証言してしまったが、本当は聞いていなかったと裁判で証言を変えています。Hの裁判での一番の争点だった印象ですが、AはYとも会っていたのかと思いました。

次回8月6日が、Yの判決です。

関税法違反事件(コツメカワウソ密輸)
8月6日 15:40~ 東京地方裁判所416号法廷
事件番号 令和2年特(わ)第1351号

※414号法廷から416号法廷に場所が変更になりました。

▼コツメカワウソまとめページ

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