コツメカワウソを飼わないで(=買わないで)!
※PEACEのコツメカワウソ関連のページをたどれるようにした、まとめページです。
食肉目イタチ科の半水生の動物。カワウソ13種の中では一番小さい。インドから東南アジア、中国南部などの河川や沼地・水田などに棲み、甲殻類や魚、軟体動物、カエル、小鳥などをいろいろなものを捕まえて食べます。家族で暮らし、家族間の絆が強い動物です。
生息地の減少や密猟などのために生息数を減らしており、IUCN(国際自然保護連合)のレッドリストでは、危急種(UV)。絶滅のおそれのある野生動植物の国際取引を規制するワシントン条約(CITES)では、長い間附属書II掲載種でしたが、2019年の締約国会議で附属書I掲載が決まりました。2019年11月26日から、日本の国内法である「種の保存法」の適用も始まっています。もし登録票のついていない個体が売られていたら、それは、違法な販売です。
SNSで動画が拡散するなど、かわいらしい姿が災いして、コツメカワウソのペット飼育やふれあい展示などの需要が高まってしまいました。それにより増加した密猟・違法取引が野生での生息数に影響を与えているとして、日本が国際的に批判されています。
コツメカワウソは、そもそも飼うことに向きません。長い年月をかけて人類と関係を持つことで改変されてきた犬や猫などの動物とは、根本的に違います。幼いころは人に懐くでしょう。しかし性成熟して大人になると、カフェなどでもお客さんに触らせることができなくなっていたり、オスとメスの間で闘争が起き、悲惨な事故につながったりしています(写真はこちら)。飼い主さんも、家じゅうの物を壊されるので飼うことは勧めないとインタビューで答えていました。
コツメカワウソたちが棲むべきは、本来の生息地である野生の環境です。人間が楽しみたいからと、野生からコツメカワウソを奪って飼育するのは、拉致・監禁であり、搾取です。
必読! 飼育下で病み、負傷し、死んでいくコツメカワウソたち
ショップや室内展示施設では最低限の福祉すら担保できない
動物たちのそれぞれの種や個体が持つ自然な欲求を満たしてあげる必要があります。それが動物福祉泳ぐことのできる環境は必須です。しかし、カフェなどでは水に自由にアクセスできない環境であったり、水があってもトレー程度しか置かれていなかったりします。活発な行動欲求に対して飼育スペースも狭く、IUCN(国際自然保護連合)の専門家グループが推奨する2頭につき最低でも60平方メートルに到底及びません。また、家族で生活をするため、1匹だけで飼育することは好ましくありません。
売られているコツメカワウソは、密輸だらけ
多くのコツメカワウソが日本に密輸され、売られました。密輸では、親を殺して密猟された幼いコツメカワウソが、キャリーバッグなどに詰められ、日本まで運ばれます。輸送が原因で命を落とすこともあります。一部は水際などで摘発され、事件化したものもあり、裁判の傍聴をした記録も載せました。
コツメカワウソは2019年に付属書Iに掲載になったので、パンダやチンパンジーなどと同じ強さの国際取引規制がかかったことになります。国際商業取引は原則禁止で、国内取引には種の保存法上の国際希少野生動植物種としての登録が必要ですが、2020年3月現在、登録されている個体は1匹もいません。もし売られていたら、違法な販売です。
▼説明はブログ参照
- 合法に輸入されたコツメカワウソの数はこんなに少ない
- ニューヨークタイムズに日本のカワウソカフェなどの問題を扱った記事
- 空前のカワウソブームに警鐘! TRAFFICが緊急評価報告書を公開
- タイからコツメカワウソが合法的に輸入されたのは1989年が最後
2018年10月 同じ実行犯が関わる密輸事件
テレビやネットで煽られないで!
コツメカワウソ人気は、「天才! 志村どうぶつ園」で放映された、芸能人がカワウソの赤ちゃんを連れて日本全国の観光地を旅して回るコーナーの頃から、既に始まっていました。この番組にカワウソを貸した室内展示施設兼ペットショップも、異常に狭いケージにコツメカワウソを入れて飼っていました。最近、多少改善された後も、繁殖をしようとして失敗し、メスが怪我を負い、死にました。
SNSで動画がバズったペットのカワウソ「ちいたん☆」も芸能事務所の関係者に飼育されており、テレビの冠番組や着ぐるみキャラクター化、フォロワー買い疑惑によるアカウント凍結などの経緯から、仕込まれた流行だったと考えられます。
どうか、メディアやSNSが見せる作られたかわいさに騙されないでください。
カワウソちぃたん☆問題
動物園からの流出問題
動物園で生まれたコツメカワウソがペットショップで売られていました。驚いたので、由来について調べました。その後、日本動物園水族館協会の血統登録の管理では、不適切な流出がないか、厳しい確認がなされていると聞いています。