コツメカワウソのペット飼育を勧める日テレ「行列のできる法律相談所」にご意見を!

テロップ かわいい 飼ったら 飼った方がいい ペットとして話題
当日番組で流れたテロップ

Twitterの呼びかけ投稿のリツイートを大変ありがとうございます。テレビ局は個別に回答はしないので反応がわからない状況ではありますが、ブログでも呼び掛け継続させていただきます。

一昨日6月2日、日本テレビ「行列のできる法律相談所 あの人に惚れましたSP」という番組で、かわうそカフェ「コツメイト」のコツメカワウソ2匹をスタジオに連れてきてカワイイ~~!などとやっていました。

何の脈絡もなく2分半程度でしょうか。「ペットとして話題」というテロップとともにコツメカワウソを1匹ずつ肩に乗せた男女が登場。カワウソを芸能人の肩に乗せたり、餌やりさせたり。「コツメイト」という名前は出てきませんでしたが、ペットとして売られる値段を「90万~150万くらい」などと説明したのはコツメイト社長です。

内容としては、触れ合いカフェの宣伝ではなく、ペットとして飼えば?と安易に芸能人に勧めるような内容でした。スタジオに生体を連れてきて緊張やストレスをかけるのも問題ですが、コツメカワウソが野生動物であり、活動量・性質(魚などを狩り家族で暮らす)や必要な面積・環境などからも飼育下では福祉が保てず、飼うのに向かない動物であること、ペット取引のための密猟によって絶滅への圧力が高まっていることなど、一切説明なしです。

そもそもコツメカワウソがとても懐くように見えるのは、離乳前の超早期に母親と引き離して飼い始め、カフェなどでもまだ子どもが使われていることが多いからです。カワウソカフェでは、スタッフ以外が触れない、大人になった「咬みコツメ」については見せるだけの状態にしている店もあります。それでもまだ広めの場所(といってもとても狭いですが)に出しているだけ、ましなのかもしれません。ペットで性成熟後、手に負えなくなったら、ケージに監禁されるか捨てられるかでしょう。他の哺乳類では、早期離乳は生涯にわたる心身への悪影響が言われていますから、カワウソも同様である可能性があります。

また密輸が横行していることは既に報道でもしきりに言われていることですが、テレビを見た人が密輸カワウソを買えば、反社会勢力に金が流れます。法律を扱う番組で不適切極まりない取り上げ方です。確かに世の中には反社側につく弁護士もいることはいますが、番組はどちらの立場でつくっているのかが問われます。

コツメイトについては、過去記事や国際団体の報告書などもご参照ください。

●動物福祉上の問題について
コツメカワウソ密輸裁判判決/通報したカワウソカフェには都のセンターの立入り
https://animals-peace.net/wildlife/asian-smallclawed-otter-smuggling-judgment.html

(実態として、この記事に書いたより、もっと問題があります)

●正規輸入と宣伝していることについて
ニューヨークタイムズに日本のカワウソカフェなどの問題を扱った記事
https://animals-peace.net/wildlife/nytimes-otters-article.html

上記記事より古い情報にはなりますが、トラフィックの報告書OTTER ALERT:日本に向けたカワウソの違法取引と高まる需要の緊急評価https://www.wwf.or.jp/activities/data/20181019_wildlife01.pdf)35ページで触れられている、インドネシア政府に認められた施設から輸入しているとする業者が、名前は書かれていませんがコツメイトです。インドネシア側の書類が、いわゆる飼育下繁殖ではなく「飼育下で生まれた」(コード:F、「飼育下で繁殖させた」の定義に当てはまらない飼育下で生まれた個体)になっているとありますが、これは捕獲した妊娠個体から生まれた場合などに用いられるコードであって父親は野生個体です。その後のニューヨークタイムズの記事によれば、このコードが事実がどうなのかもさらに疑問が生じますが、業者が言っていることと実際の書類の内容が違う、要調査であると、この報告書は言っているわけです。(現在店員は、繁殖個体のさらに子ども、つまりF2個体だと説明してます。店側の公式見解なのでしょう。CITESをかなり意識した答えです)

ワシントン条約(CITES)事務について一般的な話をすれば、輸出国側の書類があれば日本政府側は通しますから、日本側で正規輸入であっても輸出国側では疑わしい案件ということはありえます。インドネシアの実情を知る人ほど、すんなり信用はしていないのが現実です。また厚生労働省は近年インドネシアから輸入されているコツメカワウソがいることは認めているので正規の輸入で入って来てはいるのでしょうが、哺乳類はワシントン条約をクリアしただけでは輸入できませんし、ワシントン条約の書類の写しや写真があるだけでは実際に輸入されたこととは実はつながりません。

そもそも一般論としてですが、個体と書類が一致するのか不一致なのかの立証が困難であることが、いったん国内に入った密輸動物の立件の障壁になっている現状があります。もともとが疑おうと思えばどこまでも疑える世界で、だからこそ無難な動物園や水族館が取り上げられやすかったわけです。また正規輸入の個体が流通していると、それが隠れ蓑となって流通しているのはほぼ密輸個体だと言い切ることができなくなるわけですから、迷惑極まりないとも言えます。

日本テレビへ、コツメカワウソを安易に飼わせるような取り上げ方はするべきでないと、ご意見をどうぞよろしくお願いいたします。

意見送付先

日本テレビ視聴者センター部
TEL: 03-6215-4444 
受付時間: 午前8:30~午後9:00(年末年始を除く)
メールフォーム➡https://www.ntv.co.jp/staff/goiken/form.html

 
▼コツメカワウソまとめページ

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