文化財保護法の緩さ 海外で売られる天然記念物のムラサキオカヤドカリ

国の天然記念物に指定されているムラサキオカヤドカリが日本から海外に密輸され、販売されているというメールが会宛てに届いた。調べてみたが、これまでも何度か問題として浮上しては、日本側の法律の穴により決め手を欠いて来たようだ。

ムラサキオカヤドカリが天然記念物に指定されたのは沖縄の本土復帰の前だったが、沖縄では一般的に生息する生き物だったため捕獲を業として営む者もいた。そのため、業者保護として、沖縄オカヤドカリ取扱商組合に加盟する業者にのみ捕獲が許可されてきたのだという。天然記念物は現状変更(つまり捕獲など)は原則禁止で、行う場合は許可が必要だが、この組合への許可が例年続いているのは特例的なものだそうだ。

どの程度獲られているのか沖縄県に聞いてみたところ、かなりの量で驚いたことは驚いた。しかし、昔は30トンとか、もっとたくさんとられていたのだそうだ。(Wikipediaには釣り餌として使われたとある)

捕獲申請量
2015年(平成27年) 3650kg
2016年(平成28年) 3600kg
2017年(平成29年) 3550kg

組合として減らしていく取り決めになっており、年間50kgずつ減らしている。産業保護のための特例なので、許可を受けている業者は一代限り(死後は受け継がれない)。6~8月の繁殖期は捕獲しないとも言っていた。

輸出については沖縄県はわからないというので文化庁にも聞いてみたが、合法に捕獲されたものは、販売も輸出も自由なのだそうだ。捕獲はもっぱらペット・鑑賞用と国は認識しているようだった。

ただし、合法に捕獲されたものと、違法に捕獲されたもの(つまり沖縄以外での捕獲か、組合以外の者による沖縄での捕獲)を区別するような制度は一切ない。例えば、国際希少野生動植物種であれば種の保存法に基づいて登録を行い、登録票が発行される等の仕組みがあるが、類似の制度は文化財保護法にはない。合法に捕獲された個体と違法に捕獲された個体の区別はつかないことを沖縄県も認めていた。

これでは、制度としてザルすぎではないだろうか。レッドリストに掲載している都県もあるが、合法に採取できる県もあり、違法性(裏を返すと合法性も)を立証する手段はない。かなり性善説に立った法律だ。

最近、奄美大島でのムラサキオカヤドカリ等の密猟で逮捕・有罪となった者はいるが、これはいわゆる現行犯。密猟が実際に行われているということの証明になった。

輸出の状況については沖縄県も文化庁も把握していないとのことで、密輸(密猟)と断定できる要素がないように感じているが、何か見落としていることや情報があったら教えてほしい。

海外で日本の天然記念物が売られていることへの疑問は、ぜひ文化庁へ意見を。

文化庁意見送付先メールフォーム:
https://inquiry.bunka.go.jp/InputForm.aspx


Copyright:Satophotoさんによる写真ACからの写真

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