神戸須磨シーワールド シャチ

神戸須磨シーワールドのシャチとトレーナーが危険にさらされている 運営会社と大株主への書簡に50以上の団体が賛同

神戸須磨シーワールドのシャチショーについて、世界的に知られる鯨類保護団体、WDC(Whale and Dolphin Conservation)が警告を発する動画を公開しました。

WDCは、「日本のシーワールドでシャチとトレーナーが危険にさらされている」として、ウェブサイトでも警告を発しています。

YouTubeやInstagramには、シャチだけでなくトレーナーにとっても生命の危険となる可能性のある、憂慮すべき事態を示す動画が数多く投稿されています。

特に今年6月9日の2回目のショーで、陸に上がろうとしたトレーナーの前にシャチのステラが割って入って阻止し、非常に危険な状態にあったことは、シャチショーファン界隈でも話題になっていました。 トレーナーにケガはなかったようですが、このようなインシデントがどれくらいの頻度で起きているのかなどについては、調べているところだと神戸須磨シーワールドは言っていました。

狭い水族館のプールに囚われた生活では、シャチたちは、身体的にも精神的にも刺激が得られません。そのことがシャチの攻撃性を誘発し、人間に対しても攻撃を仕掛けることがあります。

トレーナーだったアレクシス・マルティネス(2009年)とドーン・ブランショー(2010年)の死は、ショーがいかにあっという間に悲劇へと転じ得るかを物語っています。 この2つの死亡事故以降、水中でシャチとトレーナーが接触するショーは世界中で廃止されたそうですが、日本の2つのシーワールド(神戸須磨と鴨川)では、いまだにそうしたショーが行われています。

日本のトレーナーがいかに脆弱な安全体制でショーを行っているかについては、昨年の開業直後に神戸須磨シーワールドを訪問した鯨類専門家によるレポートもご参照ください。

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神戸須磨シーワールド kobe suma sea world KSSW シャチ ラン 

また、最近のSNS投稿では、シャチのランが自発的に何度も陸地にのぼってしまう様子が映されています。この行動によりランが自力で水中に戻れず、スタッフがなす術もなく傍観するなど、危機的な状況を感じさせるものもあります。シャチにとって陸地への乗り上げは命に関わる危険な行為です。陸上にいるシャチの体重は、心臓や肺などの重要な臓器に負担をかけ、最悪の場合、死に至ることもありえます。かといって、シャチの巨体は人間にとって危険ですから、スタッフがサポートして水中に戻すこともできません。

神戸須磨シーワールドは、これをシャチの「遊びの一環」だと説明したと報じられていますが、それをポジティブに捉えることはできません。なぜなら、飼育施設に閉じ込められた動物たちは、常に退屈な状態であり、その証明でもあるからです。

運営会社と大株主への書簡に世界の50以上のNGOが賛同

私たちPEACEは、WDCとともに、神戸須磨と鴨川の2つのシーワルドを経営するグランビスタホテル&リゾートと、その親会社のフジ・メディア・ホールディングスの主要株主、ダルトン・インベストメンツに、鯨類のショーと飼育を見直すよう求める書簡を送りました。

この書簡には、国内外から50以上のNGOが賛同しています。

フジ・メディア・ホールディングス取締役会の見解は時代遅れ

フジ・メディア・ホールディングスの主要株主であるダルトン・インベストメンツが提出した株主提案では、不動産事業(2つのシーワールドの運営を含む都市開発・観光事業も含む)をスピンオフさせ、事業として切り離す提案がなされています。

「放送事業と不動産事業は明らかに相互に関連性のない事業であり、認定放送持株会社である当社(注:フジ・メディア・ホールディングスのこと)が不動産事業を保有することは適切ではありません」と書かれており、健全な放送事業を行うために不動産事業が障壁になっていることを見抜いているように思えてなりません。もちろん、ダルトンの目的は、放送事業と不動産事業の両方から株主が今より利益を得ることですが、少なくとも水族館に囚われた動物たちの問題についてフジメディアは公平な報道をしていませんし、今現在、問題があることは明らかです。

この株主提案に対し、フジ・メディアの取締役会が反対意見を公表していますが、水族館を「エンタテインメント」としてしかとらえておらず、極めて時代遅れな見解が示されています。放送も、不動産事業を支える水族館も、「エンタテインメント」だから関連性があるというのです。

ただでさえ、動物園や水族館は、教育や保全を掲げなければ生き残れない時代になっています。そのなかで、国際的にも比較にならないくらい小さなシャチプールをつくり、新たにショーを売り物にする水族館を建設し、そのことで収益を得たと自慢げに語るのは、あまりに感性が時代遅れです。

シャチは、エンタテインメントのための道具ではありません。

グランビスタホテル&リゾートとフジ・メディア・ホールディングスは、シャチの繁殖を止め、生活を改善し、ショーと飼育を段階的に終わらせることに同意してください。

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神戸須磨シーワールド Kobe Suma SeaWorld

シャチはエンタメの道具じゃない

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