日本産ペットフードで大型の事故発生 サルモネラ汚染により犬15匹が死亡

生活クラブ生協が販売した「犬猫用ササミ姿干し 無塩」という商品で、計68匹の犬猫が健康被害を受け、うち14匹の犬が死亡したとの公表がありました。生活クラブ生協が公表した後にも、1匹亡くなったことが追記されていますので、死亡は計15匹になったということかと思います。飼い主の皆さまにはお悔やみを申し上げます。

リリースによればサルモネラ菌と大腸菌群が検出されたとのことで、生活クラブ生協では、商品の廃棄を呼び掛けています。

注文を受けて配送するという共同購入の販売形態だったことにより追跡調査ができたこともあるかもしれませんが、日本でペットフードによりこれだけ大規模に被害が発生した事例がこれまであったかどうか(販売者が因果関係を認めているものでは)すぐに思い出せません。

ペットフード安全法(愛がん動物用飼料の安全性の確保に関する法律)が作られるきっかけとなった2007年のメラミン混入事件でも、アメリカでは3600匹もの被害が生じましたが(ただし原因となった原料は中国産)、日本では被害の報告はなかったと記憶しています。当時、リコールの対象となる製品は、日本国内でも販売されていました。

今回、農水省が立入検査をすることができたのもペットフード安全法が制定されていたためかと思いますが、これがなかったらどのような対応になっていたか、恐ろしい気もします。そして、15匹も亡くなっているのに、製造メーカーである株式会社ノースペット(兼松の100%出資子会社)の公表はかなり事務的な感じです。犬が亡くなっても、ペットフードメーカーはこういう感じなのか……と、改めて動物の地位の低さを実感しました。

追記:9月3日に再リリースが出ており、そちらでは飼い主への謝罪の文言が追加されていました。こちらを参照。)

原料は、一般的なブロイラー肉

生活クラブ生協の公表では、今回のサルモネラの汚染については、ノースペットが3つの原因(原料由来の汚染、工場設備による汚染、従業員等の二次汚染)について調査を行ったが、原因の特定にいたらなかったと書かれています。

しかし、サルモネラといえばウシ、ブタ、ニワトリなどの家畜の腸管内に常在する菌です。人のサルモネラによる食中毒も、家畜由来である肉、乳製品、卵などの畜産品によるものが多い。もちろん、ほかにもどこにでもいる菌とも言えますし、畜産原料に触れた手や器具による二次汚染ということも考えられますが、原料由来なのではと、どうしても疑ってしまいます。

そして、やはりサルモネラ汚染といえば工場畜産との関連です。農林水産省の報告書でも「地鶏農場(鶏群)のサルモネラ保有率は29%であり、ブロイラー農場(鶏群)のサルモネラ保有率(約8割)よりも低いことがわかりました」と述べられており、飼育密度の低さなど、飼育方法の違いによって保有率が違ってくる可能性が高いのです。

しかし、今回のペットフードを販売していたのは、食品の品質にはこだわりのある生活クラブ生協。原料となる鶏肉はどのような農場由来だったのだろうか? 何かこだわりはなかったのか?とふと思い、聞いてみたところ、原料は国内のブロイラーであり、ノースペットは3社から仕入れていたが、それがどこであるかは把握していないとの回答でした。

つまり普通のブロイラー肉でした。犬猫用商品にそこまでこだわっていないのは当たり前と言えば当たり前かもしれませんが(恐らく「犬猫ごときに贅沢」と解されるだろうという意味でですが)、特段、放し飼いなど、配慮された鶏肉だったわけではありませんでした。ただし、鶏肉自体は人が食べるものと同じものだそうです。

汚染源として特定されたわけではありませんが、微生物汚染は畜産品に潜むリスクです。

去年、農水省がペットフードのサルモネラ汚染についての注意喚起を出している

実は去年9月、農林水産省からペットフードのサルモネラ汚染についての注意喚起が出ていました。Twitterではつぶやいたのですが、当時ブログにも載せようと思っていて、できないままで時間が経ってしまいました。まさか、事故が起きて、投稿することになるとは思いませんでした。

これは、国内で流通する国産及び外国産の一部のペットフード(犬用おやつ:乾燥肉、ジャーキー)からサルモネラが検出されたという獣医学会での発表を受けて通知されたもので、具体的な商品名の公表はありませんでした。

死亡事故が起きた今、どの商品だったのかが気になります。

きっかけとなった獣医学会の研究発表は抄録によると「日本におけるイヌ用トリーツのサルモネラ属菌汚染状況」と題する発表のようです。

過去の研究では、ドライフードでは汚染なし同じく汚染なしローフードは汚染ありという報告が、それぞれありました。

追記

9月3日にノースペットから再度リリースが出ました。飼い主への謝罪と、公表が遅れたことへのお詫び、さらに、ビーフ干し肉製品の1ロットについても簡易抜き取り検査の結果、サルモネラ菌の擬陽性(陽性の疑いがある)判定の報告を9月2日に受けたことが書かれています。該製造日以降に生産した全ての製品の出荷と、生産ラインを停止して対応にあたっているとのことです。

※リリースに「昨年10月、11月製造」とあったので、記事の一部を修正しました。また、ノースペットが兼松の100%出資子会社であることを追記しました。

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