1月27日、猫のふれあい移動展示を各地の百貨店などで行っていた株式会社ラ・シャットの社長が、消費税法違反などの疑いで東京地検特捜部に逮捕されました。
特捜部が動いていることに驚きましたが、およそ100匹の猫を20億円で購入したように見せかけ、不正に消費税の還付を受けたり、受けようとしたりした容疑が持たれており、その金額は計1億9200万円にもなるとのこと! 驚き呆れるスケールです。
猫の価格は高いもので1匹およそ1000万円と報じられており、それでよくばれないと思ったな!と驚愕します。ペーパーカンパニーからの仕入れを装っていたそう。
また、読売新聞によれば、「猫は何百匹も仕入れていたが、購入した後にほとんどが死んだ」などと言っているとか。もしそれが事実なら、逆に動物愛護法違反の疑いがありますが、そのことには思い至らないのでしょうか? 自ら劣悪多頭飼育業者だと認めているようなものですが、実際に死んだと確認できた猫は数匹だそうです。(「最高1000万円の猫を大量仕入れ」実は数十万円程度…消費税9100万円の不正還付受けたとして社長逮捕」読売新聞2022年1月27日)
正直、意外に死んでないな?と思いましたが、過去には、ここから健康状態の悪い猫を引き取った方からもご連絡をいただいたことがありますから、死なせていないことが、適正に飼育していたことの証明になるわけではありません。
このラ・シャットの猫のふれあいイベントは2013年のインターペッツで行われており、そこに出されていた猫が、直後に九州の百貨店のイベントに空輸されていたことについて驚き、インターペッツ及び百貨店に対し要望したことがありました。
こちらの業者は、2022年の逮捕後、廃業しました。ご意見を送ってくださった皆さま、ありがとうございました。ブログは当時のまま残しています。▼業者の東京の店舗では猫たちが過密飼育されている…若干時間が経ってしまいましたが、今年[…]
この記事をブログに載せているので、店舗の猫の過密さを疑問に思う方などからも、ときどきメールをいただいてきました。
店舗については、前を通ると小さな店舗にギョッとするくらい猫がいるので、疑問に思った方は多かったと思います。当会がインターペッツのときにラ・シャットを知っていたのも、偶然八丁堀で店舗前を通って、なんだここは?!と思ったことがあったからでした。
当時、東京都の動物愛護相談センターに指導をお願いしましたが、猫の頭数に対して店舗が狭すぎることは理解してもらえたものの、当時は、「具体的な数値基準がないから強制的に変えさせることはできない」と言われたことを思い出します。PEACEができて間もないころでしたが、次の動物愛護法改正では、数値基準を求めていかなければ!と感じたきっかけでもありました。実際に規制が実現したこと思うと、感慨深いです。
そのうえ、社長が逮捕されたのだから驚きですが、現在、既にこの八丁堀店はなくなっているようです。
その後、「ふれあいねこ展」などの名称でラ・シャットが各地で移動展示を行っていることは知っていましたが、なかなかアクションを起こせないできました。
現時点でネットで調べられるだけでも、ざっと下記のような履歴を見つけることができます。
- 2016年3月~4月「ふれあいねこ展」 石川テレビ放送・北陸中日新聞主催
- 2017年8月「ふれあいねこ展」 京急百貨店
- 2017年9月~10月「ふれあいねこ展」 青森放送主催 三春屋
- 2019年4月~5月「ふれあいねこ展」 NBS長野放送主催 井上百貨店
- 2019年8月「ふれあいねこ展」 テレビ大分主催 トキハ本店
- 2019年12月~2020年1月「ふれあいねこ展」 井筒屋
- 2020年3月「ふれあいねこ展」 さくら野百貨店弘前店
- 2020年12月~2021年1月「ふれあいねこ展」さいか屋藤沢店☚追加で教えていただきました
- 2021年7月~8月「ねこ展」 大丸下関店
- 2021年9月~10月「ふれあいねこ展」 東日本放送・仙台イービーンズ主催 仙台イービーンズ
放送局主催が多いことも疑問ですが、教育委員会や、獣医師会まで後援についていることがあり、なぜこの業者がこんなに営業で食い込めるのか、心底、疑問でした。
「純血種の猫のみがたくさんいる」という高級感がデパートにマッチしたのでしょうが、純血種の猫をたくさん仕入れられることが業者の適性を保証するわけではありません。脱税事件の手法も相まって、むしろ動物業界の闇を感じざるを得ません。
改めて、生きた動物を使うイベントを行わないように要望していきたいと考えています。
ラ・シャットが脱税容疑で! 東京地検特捜部が逮捕!
ビッグニュースです。「ふれあいねこ展」などの名称で各地の百貨店等で猫の移動展示をしている業者です。【ANN】「猫死んだ」100匹購入見せかけ…約1.9億円を脱税かhttps://t.co/nMOiHtghs2
— PEACE 命の搾取ではなく尊厳を (@animalsPEACEnet) January 27, 2022
追記
2023年1月、ラ・シャットの第一種動物取扱業の登録がなくなっていることを確認できました。逮捕後、営業はされていないようでしたが、法的にも廃業です。詳しくはこちらをご覧ください。
ちょうど1年前、全国の百貨店等で猫のふれあい展示会を行っていた東京の業者「ラ・シャット」の経営者が逮捕されました。[sitecard subtitle=関連記事 url=https://animals-peace.net/domes[…]