宮内庁の新浜鴨場で鳥インフルエンザにより合鴨・アヒルの全羽殺処分。鴨猟の接遇の廃止を要望しました

昨年12月、千葉県市川市に宮内庁が所有する新浜鴨場(しんはまかもば)で、高病原性鳥インフルエンザ(H5亜型)が検出され、飼育されている全てのアイガモとアヒル、計約330羽が殺処分されました。

鴨場にいるのは野生の鴨ではないのか?と思われるかもしれませんが、ここでは、宮内庁が行っている鴨猟を用いた高官接待のために、アヒルとアイガモが飼育されています。

アヒルは捕獲の前に野生の鴨を堀に誘い込むおとりに使われており、アイガモは、来賓に供する料理に使う肉にされています。現在では、捕獲した野生の鴨は殺さず、国際鳥類標識調査に協力するための足環をつけて放鳥しているので、その代わりに料理には飼育されたアイガモの肉を使っているわけです。

鴨場の接遇とは

宮内庁の2か所の鴨場は、国内外の賓客接待の場として利用されています。毎年11月15日から翌年2月15日までの狩猟期間に、閣僚、国会議員、最高裁判所判事、各国の外交使節団の長等を招き、鴨の捕獲を体験させます。国会議員の事務所には、毎年、この鴨猟による接遇の招待状が届きます。

この鴨猟について、宮内庁は、サイトに「野生の鴨を無傷のままで捕獲する独特の技法」などと書いていますが、国会議員などの素人にさせなくてよいと思いますし、問題は捕まえた後です。鴨の翼を背中で交差させて、籠から逃げないようにさせる「羽交い絞め」が行われており、鴨の翼が傷んだり折れたりし、飛べなくなることがしばしばあるのだそうです。

以前、雅子妃が鴨場で鴨を放鳥するときに、鴨が飛べなかったことがありますが、あれです。

「羽交い絞め」にされた鴨の状態は、見た目にぎょっとすること間違いありません。使えるよい写真がないのですが、現代でもあのような方法がとられていることは驚きます。

また、こうした翼を傷めた鴨がどうされているかについて、いろいろな噂を聞いたことがあります。事実確認することは困難だと思いますので、詳細を書くのは控えますが、表に出てこない部分だと思います。

こうした野生動物を使った接遇を行ってほしくないと考えてきましたが、今回、アヒルとアイガモがすべて殺処分されたと知り、宮内庁に要望書を初めて送りました。アヒルとアイガモを新たにまた飼育してほしくなく、この鴨猟を使った接遇自体の廃止を求めました。

鴨猟は、宮内庁が接待に使うほどすごい日本の伝統なのではと感じるかもしれませんが、江戸時代は鷹を放って捕まえていました。現在鴨場で行われている叉手網(さであみ)を使う方法は、明治時代に考案されたものです。

時代はさらに進み、野生の鳥を捕まえる行為を接待に使うこと自体が、もはや時代遅れです。イギリスでいうならキツネ狩りに価値を置いているようなものです。

ちなみに、この鴨の捕獲は、国指定鳥獣保護区内で鳥獣の捕獲にあたるため、環境省の許可のもと行われていますが、研究目的となっているようです。(現在開示請求にて確認中)

環境省は、高病原性鳥インフルエンザ対策として呼びかけている「野鳥との接し方について」では、「野鳥の糞が靴の裏や車両に付くことにより、鳥インフルエンザウイルスが他の地域へ運ばれるおそれがありますので、野鳥に近づきすぎないようにしてください。」「不必要に野鳥を追い立てたり、つかまえようとするのは避けてください。」と書いています。鳥インフルエンザ対策としても、多くの人間を鴨場に呼び込む鴨場での接遇は廃止するべきでしょう。

宮内庁からまだ回答はありませんし、アヒルとアイガモをすでに調達したのかどうかも不明ですが、皆様からもぜひご意見をお送りください。

意見先

✉宮内庁メールフォーム
https://www.kunaicho.go.jp/page/contact/

 

 

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