犬と猫の輸入は検疫の対象ですが、試験研究用(動物実験用)の場合には特例が定められています。農林水産省が指定する施設からの輸入であって一定条件を満たしている場合には、180日以内の係留検査が不要となり、輸入時の係留期間を12時間以内におさめることができます。(ページ下部参照)
このための指定施設の一覧を農林水産省が公表しているので、日本に実験用の犬と猫を輸出している企業がどこか、知ることができます。
Googleマップで場所も見られるようにしていたのですが、リストが更新されていたので、修正しました。施設として公表されていない場所も多く、隠されているのかな…と闇を感じます。(ピンポイントで建物を指定できていないところもあります。ご了承ください。また一部は情報が古い可能性があり問合わせ中です。➡削除されました。詳しくはこちら)
変更点
1.韓国の企業がふえた
韓国の施設が追加されていました。「オリエントバイオ社」の施設です。(Googleマップの情報が古いのか、別の企業の名前がでてきますが、住所で指定しています)
2.「コーヴァンス」から「エンヴィーゴ」へ名称変更
昨年、イギリスのCRO(医薬品開発業務受託機関)大手「エンヴィーゴ(Envigo)」が、アメリカの医療検査会社大手「ラボコープ(LabCorp)」傘下にある「コーヴァンス(Covance)」の実験動物販売部門を買収したため、施設の名称変更がありました。
この買収は、相互買収で、逆に「コーヴァンス」は「エンヴィーゴ」の非臨床開発受託サービス事業を買収しています。(非臨床とは、人間で試す前の段階の動物実験やインビトロ試験などのことです) これにより、世界最大の非臨床CROが誕生。
非臨床CRO部門を手放した「エンヴィーゴ」は、実験動物関連サービスに集中すると報じられています。先のある事業とは思えませんが、賢明なのでしょうか??
この「エンヴィーゴ」は、かつて激しく動物実験反対運動から批判にさらされた「ハンティンドンライフサイエンス(Huntingdon Life Sciences)」が「ハーランラボラトリーズ(Harlan Laboratories)」と合併して2015年に名称を変えたものです。
「コーヴァンス」は、2015年に「ラボコープ」に買収され、傘下に入っています。
実験用の犬と猫を日本に輸出している施設一覧
2019年11月1日現在のものとしてブログに記録しておきます。(ハーラン スプラグ ドーレイ社の施設が残っているのは古い情報では?と思うので問い合わせています。は削除されました。詳しくはこちら)
農林水産大臣が指定する試験研究用の犬及び猫の生産施設より
The facilities dedicated to breed and rear dogs and cats only for research and experimentaluse designated by the Minister of Agriculture, Forestry and Fisheries (MAFF)
注)名称変更がありました。※既に封鎖。詳しくはこちら。
(旧名称/Old name)コーバンス リサーチ プロダクツ社 ヴァージニア施設(Covance Research Products, Inc. Virginia Facility)
住所 :アメリカ合衆国 ヴァージニア州 カンバーランド フレンツ ・ストアー ・ロード 482(482 Frenchs Store Road, Cumberland, Virginia 23040, U.S.A.)
住所 :アメリカ合衆国 ニューヨーク州 ノース ・ローズ レイク ・ブラフ ・ロード5800(5800 Lake Bluff Road, North Rose, New York 14516, U.S.A.)
住所 :アメリカ合衆国 ウィスコンシン州 ブルーマウンズ ウェスト ・ブルーマウンズ ・ロード10489(10489 West Blue Mounds Road,Blue Mounds,Wisconsin 53517, U.S.A.)
旧リバティー リサーチ社(Liberty Research, Inc.) ※名称変更がありました
住所 :アメリカ合衆国 ニューヨーク州 ウェイバリー ステイト ・ルート ・17シー 170(170 State Route 17C Waverly, New York 14892, U.S.A.)
住所 :中華人民共和国 北京市 昌平区 流村鎮 瓦窯村(Wayao village, Liucun town, Changping District, Beijing, People’s republic of China)
住所 :大韓民国忠清北道陰城郡大所面城本里603-1 (603-1 Seongbon-ri, Daeso-myeon, Eumseong-gun, Chungcheongbuk-do, South Korea)
犬等の輸出入検疫規則 第四条(表より抜粋)
犬等の区分
四 狂犬病に感染するおそれのある動物の侵入を防止するために必要な設備を備えているものとして農林水産大臣の定める基準に適合するものとして農林水産大臣が指定する施設(試験研究用の動物のみを生産するものに限る。以下「指定施設」という。)から直接輸入される試験研究用の犬又は猫のうち、当該犬又は猫が、狂犬病にかかっていず、又は狂犬病にかかっている疑いがない旨、指定施設において生産され、過去百八十日間又はその生産以来他の施設(当該指定施設内で集団ごとに区分して飼養されている場合には、当該犬又は猫の属する集団以外の集団)の動物と隔離されていた旨及び過去百八十日間当該指定施設(当該指定施設内で集団ごとに区分して飼養されている場合には、当該犬又は猫の属する集団)への犬又は猫の導入が行われておらず、かつ、当該指定施設に過去二年間狂犬病の発生がなかった旨を記載した輸出国政府機関の発行する証明書が添付されているもの(個体識別措置が講じられているものに限る。)
係留期間
十二時間以内であって家畜防疫官が必要と認める時間
犬と猫の輸入は検疫の対象ですが、試験研究用(動物実験用)の場合には特例が定められており、農林水産省が指定する施設からの輸入であって一定条件を満たしている場合には、180日以内の係留検査が不要となり、輸入時の係留期間を12時間以内におさめるこ[…]
先日、ある研究者の方から、ある大手の実験動物生産会社なども動物が売れなくなってきていて、今後、一定のラインを下回ったらクオリティを維持できなくなる、そうなるとガタガタっと日本の動物実験はだめになっていくかもしれないという話を聞きまし[…]
▲倒産した実験動物生産販売の企業が配布していたコーヴァンス・ビーグルの資料
追記
2021年1月19日付けでリストの更新がありました。詳しくは下記のページをご覧ください。
日本に動物実験用の犬と猫を輸出している生産施設の一覧を修正したことをこちらのページで報告しましたが、農林水産省が公表しているリストに古いと思われる施設が掲載されていたため、削除したほうがよいのではないかと情報提供したところ、回答がありました[…]