食品安全委員会評価技術企画WG、変異原性をコンピューター予測で評価する手引き案について審議

食品安全委員会では、12月17日に第20回第21回の評価技術企画ワーキンググループが開催されました。

傍聴はできなかったのですが、第20回では、「食品健康影響評価において(Q)SAR を活用して変異原性を評価する場合の手引き(案)」 について審議が行われ、必要な修正をした後、食品安全委員会に報告することとなったそうです。

変異原性とは、化学物質や放射線などが持つ、DNAや染色体に突然変異を引き起すような性質のことです。遺伝毒性ともいいます。そういった性質を持つかどうかを検出するための試験には、細菌や培養細胞を使うものもありますが、動物実験も行われます。

この手引きは、動物実験ではなく、化学物質の構造式からコンピューター予測を行うことによって変異原性を予測するためのものなので、動物実験の代替に一歩近づいたことになります。

どういう場合に動物実験のデータの代替として活用することが想定されているかは、下記のように書かれていました。

食品健康影響評価において(Q)SAR を活用して変異原性を評価する場合の手引き(案)
「Ⅰ 基本的な考え方」より
※まだ案の段階です。太字はPEACEによる。 

現時点において、 (Q)SARは、従来の毒性試験を完全に代替するものではないものの、従来の毒性試験を行うことなく、化学物質の毒性予測が可能である。このことから、食品用器具及び容器包装からの溶出物質、食品健康影響評価を行う化学物質(以下「評価対象物質」という。)の製造過程で生じる不純物、 評価対象物質の代謝物等の毒性試験データを得ることが困難な化学物質の毒性評価に当たり、 (Q)SARの予測結果を毒性試験データの代替として活用することが想定される。
また、毒性試験データが利用可能な化学物質であっても、そのデータが限定的であること 又は毒性試験間で結果が異なる等の場合に、専門家判断を補助する情報として (Q)SARの予測結果を活用することも想定される。

手引きが活用されていくことに期待します。

その他、食品安全委員会が研究費を出している「食品健康影響評価技術研究」のうち、動物実験代替に関係する3つのテーマについて、研究成果報告書が公表されました。全て、いわゆるコンピューター予測に貢献する内容です。

参考過去記事

動物実験代替法など、食品安全に関わる新しい毒性予測評価の方法について検討を行っている食品安全委員会のワーキンググループ(評価技術企画ワーキンググループ)ですが、6月25日に2回にわたり開催されました。ともに傍聴不可だったので[…]

 

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