6月4日、文部科学省で生命倫理・安全部会が開催され、動物性集合胚についても報告がありました。生命倫理・安全部会は、動物性集合胚について議論してきた作業部会の親会です。
当日は、5月29日付けの作業部会報告書が資料として出されていましたが、委員からの質問は一つも出ず、議論もありませんでした。
報告書では、今後調査・検討を進めていくと書かれている部分に以下の2点が挙げられており、作業部会はまだ継続する気配があるのですが、はっきりした予定はわかりません。
・個体産生しなければ得られない知見として考えられるものは何か
・基礎研究利用に限定することについてどう考えるか
個体産生はキメラ動物を出産までさせるということですし、臨床応用に至っては、そこまでの研究が上手くいくかどうかすらわからないはるか遠くの夢でしかないのですから、今は全く範疇に入れる必要はないのではないかと思います。
そもそも、報告書にも書かれていますが、キメラになる能力の高いナイーブ型の幹細胞がげっ歯類以外で樹立されていないという話が一番最初に出ているのに、どうして成功すること前提で話がここまで進んでしまったのかが不思議です。