3月26日、中央環境審議会自然環境部会の傍聴に行ってきました。種の保存法改正について、パブリックコメントを経た最終の答申案が示され、今国会中に改正となることが、その日のうちに報道もされました。
また、本日(4/2)の報道では、罰金を1億円に引き上げる方針を環境省が示したそうです。外来生物法以来、罰金の水準が上がっているのでありがたい話ですが、ただ、答申案にもあるとおり、制度の不十分さについては、政府案では改正はほとんど手つかずとなるようです。
26日にはパブリックコメントの結果の発表もありましたが、やはり芳しくなく、答申案には「また、国内流通管理の制度のあり方について、社会的な要請を踏まえながら今後も検討を進め、必要に応じて改善を図ることが重要である。」の一文が付け加えられただけで終わってしまいました。(ほか若干の文言の変更はありましたが、具体的な施策の追加はありません)
もちろん、これは今後のために非常に重要な一文ではありますが、あまり関心も持たれていないのか、委員の意見も一人だけ、議論ともならずに了承されて終わってしまいました。しかもその意見も、「制度の精緻化によって違法なものを排除する意見が多いが、抜け道はどうやってもある。むしろ罰則強化で対応することで抑制効果が得られると思う。登録票は確かに改める必要がある」という、環境省の方針そのままのような意見です。
たしかに1億円の罰金となれば抑止効果は高いと思われますが、そもそも罰するためには、規則がなければ罰せられないのであり、本質的な改善につながるような実効性をあげるためには、制度の改善も必要だと思います。
最後になってしまいましたが、環境省の審議会は再編が行われており、野生生物部会は「野生生物小委員会」となって自然環境部会の下に統合されることになりました。野生生物部会の下にあった小委員会も、新たに「外来生物対策のあり方検討小委員会」と「鳥獣保護管理のあり方検討小委員会」となり、自然環境部会の直下につくことになりました。
自然環境部会の委員は、ほとんどが学識経験者(研究畑の人)で、あとは猟友会と経団連と自治体系。NPOは1カ所だけ、自然体験系のところが入っていますが、自然保護・野生生物保護に取り組んでいる全国組織の団体が完全に排除されているのは、驚きでもあり、奇異にも感じます。
人数は多いですが、議論にそれだけのパワーを感じませんし、動物愛護部会が統合の対象にならなくてよかったと思いました。