カネボウの白斑問題など、いわゆる薬用化粧品(医薬部外品)による被害が続いていることを受けて、医薬部外品・化粧品の市販後の安全対策の強化が厚生労働省で検討されてきました。その件に関わるパブリックコメントが1月27日まで行われています。
内容は、動物実験に直接関係するものではありませんが、市販前・市販後にかかる義務事項が重くなればなるほど、新規原料開発に対する企業のインセンティブが下がり、結果として動物実験を減らすことができます。
その観点から、PEACEとして、以下の意見を送付しました。
皆さまも、ぜひご関心をお寄せください。
薬事法施行規則及び医薬品、医薬部外品、化粧品及び医療機器の製造販売後安全管理の基準に関する省令の一部を改正する省令に関する意見募集の実施について
※意見送信フォームは、上記リンク先ページの一番下からリンクされています。
意見・情報受付締切日2014年1月27日
●動物実験などの非臨床試験によってヒトでの反応を予測することには限界があり、今後も新規成分を含有する製品の販売を許容するのであれば、新規成分にはリスクはあるという前提に立ったうえで、有害事象が疑われる場合の対応を速やかに行うことが最も国民の安全に寄与すると考えます。
●また、医薬部外品及び化粧品では、医薬品と違い、生命の維持に不必要な化学物質を健康な人が多用することになります。
安全寄りに考えるのであれば、市販前・市販後の義務事項を重くすることによって新規化学物質開発へのインセンティブを下げることが、最も国民の健康安全に寄与すると考えます。
それによって、社会的に求められている動物実験の削減も実現できます。
●そのために、具体的に以下の点を求めます。
(1)医薬部外品及び化粧品の製造販売業者に対し、副作用報告義務を強化することについて、必要かつ重要だと考えます。(改正に賛成いたします)
(2)企業だけではなく、医療機関・医師に対しても報告を義務づけ、より幅広く情報収集するようにしてください。
(3)市販後調査に関しても、より厳しい条件を課すようにしてください。
(4)市販前のヒトでの臨床試験の設計について、症例数をふやすなど、より厳しい条件を義務付けてください。
(5)動物実験等では予測に限界があるということを市民にもっと周知し、自己防衛するよう、促してください。
●新規性のある医薬部外品のうち、部会で審査される区分1については詳細が公開されますが、区分3については、どの製品が該当するのかすら公開されていません。
これでは消費者が自衛することはできません。申請情報の情報公開を積極的に行ってください。
●医薬品以外のものが効能をうたえる制度自体が問題ではないでしょうか。
医薬品・医薬部外品・化粧品の区分の再検討を行い、「薬用化粧品」といった誤解を招く表現の使用を禁じてください。
●非臨床試験については、動物実験ではない、より予測性の高い新規試験法の開発・評価・普及に力を入れてください。
以上、よろしくお願い申し上げます。