カメ約40匹とトカゲ1匹を衰弱死させた疑いで動物取扱業者逮捕!

浜松で、販売のために飼っていた爬虫類を虐待死させた自称解体業の男(36歳、浜松市南区)が動物愛護法違反の疑いで逮捕されたとの報道がありました。

逮捕容疑は「2018年9月ごろから20年3月ごろまでの間、同市中区のアパートで飼っていたイシガメやクサガメなどカメ約40匹と、フトアゴヒゲトカゲ1匹に餌や水をやらず衰弱死させた疑い」とのことです。(11月25日 静岡新聞「カメ虐待死容疑、浜松の男を逮捕 販売目的で飼育か」より)

「警察の捜査では、店内には白骨化したカメとトカゲの死がいが放置されていた」という報道もありました。(11月25日 テレビ静岡「飼育放棄で衰弱死か 元ペットショップ経営者を逮捕 白骨化した死がいを放置 浜松市」)

酷い。

テレビ静岡のニュースでは、実名報道がされており、Twitterなども映っているので、店は「レプティスタジオ」だと特定できます。

「2018年9月ごろから20年3月ごろまで」と期間に幅があるのはどういうことだろうと思いましたが、どうも、市のセンターがこれま指導を続けてきたが改善に至らなかったということを意味するようです。

浜松市動物愛護教育センターが今年8月、警察に情報提供し、事件化されました。

自治体がエキゾチックアニマルを扱う業者のネグレクト事例について動くというのは、とても珍しいのではないでしょうか。酷い事件ではありますが、おそらくこういうことはあちこちで起きていて、ようやく表沙汰になる事例が出てきたものと受け止めています。

なかなか踏み切れない自治体も多そうな中、浜松ではセンターが警察に情報提供してくれて、本当にありがたいと思いました。こうあってほしい!と思います。

ちなみに、この容疑者は、今年1月に店を閉めていたと報道されていましたが、動物取扱業の登録は、現在もあります。

ただ、本人は廃業する意思はあり、そのように手続きするよう指導していくとのことでした。本来なら、廃業後30日以内に届出をしなければ罰金があるのですが、廃業後に登録が放置されている事例は他にもたくさんあり、特に悪質性が高いと判断されないと罰金までは難しいようです。

逮捕容疑になっている動物以外にも、ベンガル猫(繁殖していた)やプレーリードッグ(いわゆる「ペット」だと書いてある)などを飼育していた様子がSNSでは確認できるので、現状が心配ですが、そういったことについては、個人情報として教えてもらえませんでした。ただ、虐待と判断された中には入っていないので、虐待と判断されてはいないということだけは言える、ということにはなるようです。

裁判になるかどうかわかりませんが、要チェックです。

綺麗な店舗ではないと自ら記載

この店、様々な動物を扱っていて、ネットには販売業の痕跡が様々残っています。

綺麗な店舗ではないとか、匂いが気になる人はマスク持ってこいとか、自ら書く店も珍しいのではないでしょうか。どのような状況だったのかが推し量れるような気がします。

Twitterにも、来る前は絶対連絡しろと書いています。

爬虫類で立件は数少ないが、ないわけではない

また、爬虫類でこれまで立件された事例があったかどうか、環境省の資料集をチェックしてみたのですが虐待事件としては下記の2件しか出てきませんでした。(遺棄事件を除く)

もしかしたら、ネグレクトによるものは、今回の事件が爬虫類では初なのかもしれません。

環境省「平成21年度 動物の遺棄・虐待事例等調査報告書」より

2006/3/19 日刊スポーツ
新聞社の支局長(39)が、ワシントン条約で商取引が禁じられている希少動物のホウシャガメ(マダガスカルホシガメ)を購入した上に殺したとして、種の保存法と動物愛護法違反容疑で福岡地検に書類送検されていたことが 18 日、分かった。カメを買ったペット店の店主が今年 1 月に逮捕されたことを知り「まずいと思い死なせた」と、供述している。同県警が販売先を調べたところ、支局長を含めた数人がカメを買っていたことが判明した。

006/10/21 毎日新聞
20 日、川崎市の路上で、男が犬の首輪にひもをつけてカメをひきずらせて歩いているのを通行人の男性が目撃、「動物虐待では」と近くの交番に届け出た。男は駆けつけた神奈川県警川崎署の男性巡査(26)に怒鳴ってカメを蹴りつけたうえ、任意同行を求めた巡査の右手首にかみつき、公務執行妨害容疑で現行犯逮捕された。男は、カメの甲羅に穴を開けて、犬の首輪と長さ約1メートルのひもで結びつけていた。同署は動物愛護法違反(動物虐待)の疑いでも追及する。

最近は、犬や猫でも、いわゆる「多頭飼育崩壊」事例で、逮捕や書類送検が続いています。以前は立件されなかったものが、今後は事件化されていくのだと思います。

今回の爬虫類衰弱死の事件も、おそらく似たような店は全国に幾つもあるのではないかと思いますが、「自分は大丈夫」と高をくくらないで、きちんと改善するか、廃業・撤退を決めてほしいものです。

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