<超党派議連総会>業者の飼養管理基準、経過措置は12月の部会で決まってしまう


▲尾辻会長あいさつ。右に並ぶ堀越啓仁議員と串田誠一議員が事務局次長となることが了承された。

一昨日、超党派の「犬猫の殺処分ゼロをめざす動物愛護議員連盟」の総会がありました。

議題のメインは、現在検討中の動物取扱業者の飼養管理基準案について、動物愛護法PTからの報告と、環境省からの説明、そして、それに対する質疑応答でした。

環境省からの説明の冒頭に、犬猫以外の動物についても、当面は現行の定性的な基準で運用するが、具体化について検討するということがはっきり述べられました。スケジュール感などはまだ不明ですが、多くの方がご意見を送ってくださったおかげです。本当にありがとうございました。

先日まで行われていたパブリックコメントは、10万通に及ぶ意見があり、郵送のものが多く、集計中であるとのことでした。

基準の経過措置について

総会では、PTアドバイザリーからも質問できましたので、PEACEからは、経過措置について質問しました。パブリックコメント案にも経過措置については書かれていましたが具体的ではなく、この日の資料にも「飼養施設の規模」「従業者の員数」「繁殖にかかる基準」の3つについて経過措置を「検討する」と書かれていましたが、どのように検討するのか具体的な話が出てこない状態が続いているので、どのようなスケジュールで、どこで、どのように検討するのかを聞きました。

また、まったく改善する見込みのない問題事業者であっても、「経過措置中に改善する」と言い張るはずです。これまで何度指導を受けてきても、ずっとそうだったようにです。経過措置を何年にするつもりなのか、環境省は明らかにしていませんが、結果的に改善できないような事業者にも全て、経過措置期間を認めるべきだとはとても思えません。経過措置に入る前に、改善の見込みについて行政がきちんと判断し、廃業させるべき業者は廃業させるよう促すような措置が欲しいということを要望しました。

しかし、環境省の回答には驚いたのですが、12月に開催が予定されている動物愛護部会で、環境省が案を出し、そこで了承で決めてしまうというのです。この日の資料にも「検討する」と書かれていますが、実際には検討するような場はなく、環境省が案をつくって委員に了承させるだけなのです。経過措置は省令で決めるそうですが、だったら、先日まで行っていたパブリックコメントで経過措置案についてもきちんと入れ、国民の意見を聞いておくべきだったのではないでしょうか。

まるで策略のようです……。

さらに塩村あやか議員が、経過措置を何年にするつもりなのか、短いに越したことはないと食い下がってくれましたが、環境省は言わずでした。

しかし、12月に決めるのであれば、既に腹案はあるのでは? 業界と手打ちしている可能性だってあります。

塩村議員は、経過措置をすべての業者に一律に認めるのか、そうではなく、改善できる業者に少なくとも計画を出させるべきではないかということも突っ込んでくれましたが、環境省は法改正時に優良な業者への緩和措置は難しいということになったからと言っていました。しかし、それは施行を2年でおさめるための議論だったはずなのでまた違うのではないかというやりとりもありました。

司会の串田議員が、経過措置案について議連に提出するよう言ってくれたので本当に嬉しく思いました。12月の部会へ向けて、まだまだ環境省に要望しなければならないことがあるなと思います。

その他の争点について

一人あたり何頭というときの時間換算について、環境省は、16時間働くから二人と数えることはしないと言っていました。労働基準関連法規の規定に違反するような想定はできないということが前提にあるようでした。

また、獣医師から、お客さんを通報することになるので、国のほうで何が虐待になるのか明確にしてほしいという要望があったことを述べた議員もいましたが、環境省では、来年度中に虐待対策についてガイドラインの策定を予定していること、また法獣医学の取組みがあることについて回答がありました。

繁殖引退犬猫を同じ施設で飼い続ける場合に、匹数のカウントから外れてしまうということについて大きな争点になっていますが、これについてもやりとりがありました。繁殖を止めたと言いながら、繁殖に使うことは十分に考えられることです。環境省は、マイクロチップの仕組みと繁殖を結び付けられないかということも考えているそうですが、本来であれば繁殖引退犬猫であっても同一施設で飼育するなら、匹数のカウントに入れるべきだと思います。

基準が守られているかのチェックをどうするのかについても、例えば運動時間であれば、ずっとその場にいて監視していることはできないが、運動スペースが毎日使えるよう管理されているかなどを見るといった例を環境省は挙げていました。しかし現状の立入り頻度は、平均して3年に1回程度という現実についても述べていました。

立入頻度については、本当に劣悪事業者にレッドカードを出していくのであれば、自治体の時間を食う業者が減り、今より負担は減っていくはずではあると思います。

また結局、どの争点も、解説書にゆだねられる部分が大きいのですが、解説書の名称がまだ「仮」になっていたので、解説書というと、これまでどうしても「別に守らなくてもよいもの」の位置づけだったことが気になっていることについても意見しました。もっと遵守しなければいけないものだとわかる名称(遵守要綱のようなイメージ?)にしてもらえないかと個人的意見を述べたのですが、環境省は、必ず守らなければいけないものと、守らなくてもよい推奨事項と両方を書くので…と言っていました。ただ、名称は今後案があればとのことでした。

最後に、議連の今後の活動について議員間で意見が出し合われ、閉会となりました。

<追記>環境省に意見を!

経過措置は、業界が騒いだために検討されることになったものです。その際の根拠として、ブリーダーへのアンケート調査がありました。また、業界は環境省へのFAXを呼び掛けていました。しかしこれらの圧力をかけていたとき、業界では繁殖引退犬猫も一人当たりの数に含むものとして考えており、そういうことならすぐには対応が無理なので経過措置が必要だという流れになってしまいました。

しかし、蓋を開けると、環境省は引退犬猫は一人当たりの数にはカウントせず、業の監視の対象外だという見解を出してきたのです。そして、もしこれらの犬猫の数をカウントしなくてよいなら、経過措置は不要であったようだということもわかってきました。

もちろん、同じ施設で飼育するなら、引退犬猫にも日常の世話・管理の手間がかかります。数には含めるべきです(繁殖犬猫としてのカウントではなく、販売(譲渡し)用としてのカウントでよいとは思いますが)。PEACEなど3団体ではパブリックコメントでこのことを要望しましたが、しかし、パブコメも既に終わり、これから修正が通る可能性は低いと思います。

ですので、引退犬猫をカウントしないままになるなら経過措置は設けないでほしいということも強く環境省に要望していただきたいです。経過措置が長くなればなるほど、犬猫たちが苦しむ期間は長引きます。

また、今後の見直しの際に引退犬猫についてのデータがないと、どのように改正してよいかわからず、また放置になる可能性があります。引退犬猫をどれだけ抱えているのかということを自治体で把握するよう、要望してください。

  • 引退犬猫も一人当たりの飼育数の中に含め、カウントすること。それができないのであれば、経過措置は設けないこと。
  • 繁殖引退犬猫の数の把握をすること。

✉宛先:環境省メール moe★env.go.jp (★を@に変えてください)

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