カドリードミニオン

プリンちゃんのショー早期引退を! 熊本県からカドリー・ドミニオンに対し文書で指導がされました!【追記あり】

2023年10月9日になって、カドリー・ドミニオンはようやく、プリンちゃんをショーから引退させました。プリンちゃんは2015年9月22日生まれですので、実に8歳になるまで調教芸をさせられていました。チンパンジーたちは、飼育下にあるだけで野生の生活を奪われた状態ですが、プリンちゃんは母との暮らしも奪われ、2重にチンパンジーらしく生きることを知る機会を奪われました。今後の生活に支障が生じないことを祈るばかりです。(早期母子分離させ、他のチンパンジーと交わらない環境で調教されたチンパンジーたちには、引退後、他のチンパンジーと適切に関わることができなくなる問題が指摘されています。)
このような虐待は、プリンちゃんで最後にしなければなりません。以下の記事は呼びかけ当時のまま残します。

カドリードミニオン

日本テレビ系列の動物番組「天才!志村どうぶつ園」の後継として始まった「I LOVEみんなのどうぶつ園」ですが、チンパンジーの子どもに服を着せて芸をさせるような内容とは縁を切るのかと思いきや、全く同じ路線を維持しています。

ガッカリです。

新たにMCになった「嵐」の相葉雅紀くんがコロナ禍の中、志村けんの死後初めて阿蘇カドリー・ドミニオンに行く回が7月に放映されており、このときは、プリンちゃんにいきなりマスクをいじらせたりしていて、とても驚きました。いま、霊長類を飼育している施設は、実験施設もそうですが、動物園も、サルたちに新型コロナウイルスを感染させてしまうのではないかということで、とても気を使っているはずなのに…

自転車の補助輪を外して乗れるように調教する必要ありますか?

そして、11月14日土曜日に放映された回では、MCの相葉くんが6月にプリンちゃんと初対面して以来、4か月ぶりに阿蘇カドリー・ドミニオンへ行くという内容が放映され、再びプリンちゃんを登場させていました。

まだまだ新型コロナは収束していないのに、東京から芸能人やスタッフが行っちゃっていいんでしょうか。

そして驚いたのは、プリンちゃんに自転車の乗り方を教えようとしていたことでした。

というか、プリンちゃんは既に自転車乗れたんです。補助輪付きの自転車。

それなのに相葉くんは、補助輪を外した状態で乗れるようにしたいそうで、途中で補助輪を外していました。驚きました。自転車の乗り方は志村けんが教えたという話になってましたが、それを完成させたいとか言って。そんな必要ありますか。(これ脚本なんですか? 企画は誰が考えているのですか?)

もちろん、プリンちゃんが自転車をこぎ始めて、相葉くんが手を離したら、プリンちゃん、1、2回こいで、よろけます。自転車が倒れそうになったら相葉くんが倒れないように抑えるのですが、それまでスイスイこげていたものが、急にふらつくのだからプリンちゃん、「!?」ってなってますよ。さっきまではスイスイこげたのに、急になんでなのかよくわからないでしょう。つまんないよね。

人間の子は、補助輪なしで自転車がこげるようになることの意味とか意義とかがわかります。転んでも頑張りたいという動機は十分あります。でもチンパンジーのプリンちゃんには、意味わからないと思います。自転車に乗れたら友だちとどこか遠くに行けるとか、そんな目的も想像つかないだろうし、実現する機会もありません。プリンちゃんにとっては全く必要ない技術であって、成功した時に得られる「成果」は、人間が「調教できた」と自己満足を感じられることだけです。

この回のこと、週刊女性が再び書いてくれています。ぜひ読んでください。

週刊女性PRIME

相葉雅紀がMCを務める『I LOVE みんなのどうぶつ園』。今年3月に亡くなった志村けんさんから引き継ぐ形で10月にスタ…

チンパンジーは特定動物です

チンパンジーは子どもでも特定動物であることに変わりはありません。この回について後日録画やGoogleストリートビューでも確認したのですが、撮影場所はカドリー・ドミニオンの駐車場で、一般道との間に何の塀も囲いもありません。少し走ったら敷地外に出られます。逃がしたらいけないのもありますが、車道に出たらプリンちゃんが危ない。

特定動物を、許可を受けた飼養保管施設から出して撮影などすること自体は違法ではないですが、十分な強度を有する首輪、引綱等をつけているか、自治体に届を出している必要があります。もしくは1時間未満であるかです。届を出している場合は目的の達成に必要とされる最低限の時間内で、出すことはできます。

いずれだったにしても、すぐ逃げられそうな場所で、この撮影、いいのだろうか? 当会では、熊本県に問い合わせをしました。

展示動物の飼養保管基準にも違反しているのでは?

また、環境省が定める「展示動物の飼養及び保管に関する基準」には、以下のような定めがあります。

動物に演芸をさせる場合には、演芸及びその訓練は、動物の生態、習性、生理等に配慮することとし、動物をみだりに、殴打し、酷使すること等は、虐待となるおそれがあることを十分認識すること。
撮影方法
動物本来の生態及び習性に関して誤解を与えるおそれのある形態による撮影が行われないようにすること。また、撮影の時間、環境等を適切なものとし、撮影動物に過度の苦痛を与えないようにすること。
服を着せて補助輪のない自転車に乗せる調教をするとか、動物の生態、習性、生理等に配慮してない不自然なものなのでアウトですし、別に殴ったりしていなくても、いちいち恐怖・ストレスを与えるようなことをさせなくていいです。撮影は、これらの規定にも違反しているのでは?
補助輪を外す訓練はチンパンジーには全く必要がなく、そんなことをするためにプリンちゃんを何回も倒れそうにさせて脅かしてもいいのかということを書き、補助輪外しの続きは止めさせてほしいと県に指導をお願いしました。

熊本県からの回答

そうしたところ、熊本県健康危機管理課動物愛護班から回答をいただきました。

なんと立入り指導し、法令の遵守を文書で通知したとのこと! 回答全文です。

文書が出たことは少し驚いたのですが、電話で聞いて納得しました。カドリー・ドミニオンは、過去にチンパンジーのパンくん(プリンちゃんのお父さん)による人身事故を起こしているので、熊本県はプリンちゃんをなるべく早く引退させたいんです。

チンパンジーは野生動物であり、家畜化された犬などとは違います。成長に伴い力も強くなります。数歳でショーから引退させることになるのですが、パンくんは10歳までショーに出されていて事故につながりました。

なので、保健所はプリンちゃんを早く引退させるように指導しているそうなのですが、いつ引退させるということをカドリー・ドミニオン側はこれまで示していないようです。

回答文中に「法遵守の再徹底」と書かれていますが、「再」というのは、もうパンくんのときのような事故を起こさないように!という意味でした。

またこれも確認したのですが、自転車の補助輪外しのときの撮影は、届が出ていませんでした。まさかだったのですが、驚きました。

カドリー・ドミニオン側は1時間未満だったと言ったそうですが、番組を見る限り、補助輪を外したりつけたりしてますから、とても1時間未満とは思えません。むしろ長時間の撮影はかわいそうだなくらいに思ってました。

このことについて、保健所は、撮影時には必ず事前に相談するようにと指導したとのことです。

実は以前、プリンちゃんがお母さんから引き離されて人工保育になってしまったとき、お母さんに戻すよう指導してほしいと当会から保健所に要望したことがありました。動物福祉上の理由だと、なかなか強制的に変えさせる根拠が乏しく、そのときは立入だけで終わってしまったのですが、特定動物の規制だと文書も出て、厳しいなと思いました。

日本テレビは、こういった法律のこと知ってるのでしょうか? この県の回答を添付して、質問するつもりです。スタッフや相葉くんは、あそこに何時間いたか、わかっているはずです。

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下記の記事から、大型類人猿のエンターテイメント利用の問題に関するいろいろな文書をリンクしています。ご参考ください。

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追記:2023年になってやっと、カドリー・ドミニオンはプリンちゃんをショーから引退させました。こちらのページもご参照ください。もう夜ですが、今日は「チンパンジーの日」でした。未だに野生動物を調教してショーという形で見世物[…]

追記①

熊本県から文書指導があったことについて、週刊女性が記事にしてくださいました。ぜひお読みください。

週刊女性PRIME

相葉雅紀がMCを担当する『I LOVEみんなのどうぶつ園』。亡くなった志村けんさんがMCだった時代から人気だったチンパン…

Yahoo!記事(魚拓)はこちら コメント欄に現在2000以上コメントがついていますが、共感してくださっているものが多く、うれしいです。アカウントお持ちの方、日本テレビへの圧力になると思いますので、コメントを引き続きお願いいたします。

高校生が立ち上げた署名➡中止になりました

高校生の方が立ち上げてくださっていた署名「チンパンジーのエンターテイメント利用に反対します」への協力のお願いをしていましたが、提出は断念されたとのことです。まだまだこういったアクションに反発もあると知って愕然としましたが、署名の呼びかけ内容はとてもしっかりしたものですので、引き続きご参考ください。

チンパンジーらしい暮らしを早く学ぶためにも、プリンちゃんは早期の引退が必要です。そして何より、今後の犠牲を出さないためにもショーを廃止させなければなりません。

Change.org

Change.orgはあなたの「変えたい」気持ちを形にする、ソーシャルプラットフォームです。現在世界中で2億人のユーザー…

追記②

2023年10月9日になって、カドリー・ドミニオンはようやく、プリンちゃんをショーから引退させました。プリンちゃんは2015年9月22日生まれですので、実に8歳になるまで調教芸をさせられていました。チンパンジーたちは、飼育下にあるだけで野生の生活を奪われた状態ですが、プリンちゃんは母との暮らしも奪われ、2重にチンパンジーらしく生きることを知る機会を奪われました。今後の生活に支障が生じないことを祈るばかりです。

ショーのための早期母子分離は非倫理的なものであり、人工保育によって他のチンパンジーと交わらない環境で育てられることにより、①チンパンジーの行動様式を学べない②人工的な行動を教え込まれることで行動発達が影響を受けるなどの問題が起き、他のチンパンジーと適切に関わることができなくなる問題が指摘されています。
チンパンジーのエンタメ使用の長期的問題については、論文「チンパンジーの人工保育とエンターテイメント:動物福祉・保全と将来展望」(山梨裕美ほか, 日本家畜管理学会誌・応用動物行動学会誌, 52 巻 (2016) 2 号)や、下記の記事をぜひお読みください。

プリンちゃんが問題と向き合うことになるのは、これからかもしれません。 でもその時には、姿も子供ではなくなったチンパンジーから、人々の関心は移っているのです。 こんなに残酷なことがあるでしょうか。

このような虐待は、プリンちゃんで最後にしなければなりません。
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