10月1日、日本動物園水族館協会が「イルカ類に対する(公社)日本動物園水族館協会の取り組みについて」という文書を公開しました。
2015年、JAZAはWAZA(世界動物園水族館協会)からの除名騒ぎを受けて追い込み漁によるイルカ類の導入を行わないことを決定していました。(詳細な経緯はこちらにまとめています。)
さらにその後、昨年11月に「水族館部」を設置し、飼育管理や飼育繁殖等、水族館に関する様々な課題に対応することとしていたそうです。
今回の発表は、その水族館部の中に「イルカ会議」を発足させ、イルカの人工繁殖に関係者が連携協力して取り組むこととしたことを告知する内容でした。
「今後は、繁殖に用いる個体の円滑な移動や、人工授精技術の共有、生まれたイルカ類の取り扱いに関する研修等を行っていく予定です」と書かれています。
飼育イルカの福祉が向上することは大変歓迎すべきことですし、追い込み猟から導入しないという方針は素晴らしいものです。
しかし、鯨類の展示がそもそも福祉にかなうものではない以上、最終的には縮小・廃止していく方向で、統合やそのための調整を行っていただきたいと、やはり私たちは願います。
犬吠埼マリンパークのハニーだけではなく、廃業せざるを得ない状況になり行き場を失うイルカが今後も出ないとも限りません。また、ショーやふれあいに向かないイルカが、狭いスペースしか与えられずプカプカと浮くだけの飼い殺し生活という問題もあります。
こういったイルカの問題を放置して、繁殖、繁殖、では理解は得られないでしょう。
野生導入しないというところから、さらに一歩進んでほしいと願っています。