犬吠埼マリンパーク、イルカのハニーの健康状態に関する保健所の詭弁

犬吠埼マリンパーク敷地内の碑 法界萬霊供養 これまで死んだ動物たちの慰霊碑なのだろうか

犬吠埼マリンパークのハンドウイルカのハニーが死亡したことについて、死亡公表直後に保健所に電話したとき、3月18日の最後の立入り(ハニーが生きている間の最後の立入り)では、「今まで1月2月末とやってきましたけれども、全く状況は変わらずというところで」と担当者は答えていました。そして、急なことだったので我々も驚いているなどとも言っていました。

ただし、やりとりの中で「立入したときにハニーがちょっと泳いでいるところを見た程度で元気かどうかはわかりませんよね?」という問いに対して、ハニーが死んで初めて、そうだと認めていたので、そのことは印象に残っていました。

そして、水位を下げていること等についても相変わらず認識が甘く、切迫感があったようには感じられなかったので、そのようにご報告しようと思っていました。

しかし、さらにそれ以上に驚き呆れたことが昨日、ありました。

3月18日の立入りの際、ハニーの状態は本当はどうだったのか、死亡までの詳細を改めて突っ込んで確認したところ、やはり保健所は、ハニーの背中の皮膚がはがれている状態を2月の立入りのときから、見て知っていました。前回、電話した時の説明は嘘だったんです!

「全く状況は変わらず」って、皮膚が大きくはがれて治療を受けているのに、どこが? 

治療を受けていること自体が「状況の変化」ではないのか? 

ハニーの皮膚は、1月は、あのようにはがれてはいなかったと言っていたので、前から状態はおかしかったのだと思います。

1カ月ほど前、銚子警察署を含め、問い合わせしてきた人たちに、明かに意図的にハニーの不調を隠していたことになりますが、「獣医師の治療を行っていて、食べる量も減っていない、遊泳もしているから元気だという判断であることに変わりはない」という、まったくの詭弁を平然と述べたので驚きました。公務員がよく使う手段ではありますが、聞かれたこと以外は話さない、勝手な解釈、そして事業者とグルになって、バレないと思ってやっていたのでしょう。

ハニーを診ていたという獣医師は、地元の獣医師で、長年マリンパークが世話になってきた獣医師だそうですが、ほかにイルカを診た経験があるかどうかは保健所は関知していない。これもかねてからずっと、獣医師の専門性について疑問があると言い付けてきているのに、これまで確認することすらしていないのは呆れます。

また、そもそも保健所が獣医師の診療の頻度について、はっきり答えられないのもおかしい。皮膚病になってからは1カ月程度? はっきりしない。

またどういった皮膚炎なのか(感染症なのか、内因性ののものなのか、もしくは外傷など物理的原因があるのかなど)も聞いていません。以前の、水に浮いたままになってしまうためにできる日焼け傷とは違うそうですが(※補足:でも見た目が違うだけで、日焼けが進んだ状態だった可能性もあるかと思います)。そして皮膚の表面がはがれているだけだと言っていますが、それも本当かどうかはわかりません。

3月18日の立入り時には、(2月に?)獣医師からもらった薬がそろそろ切れてきたと飼育員が話していたそうですが、この後、死ぬまでの間に診察を受けているかどうかも保健所は確認していないです。

治療はステロイドの一種を塗ることと、総合ビタミン剤を与えること。死亡原因は閉塞性腸炎との診断ですが、マリンパークはまったく兆候に気づいていなかったらしく、それもあり得ませんが(※補足:しかしできる対処があったかあったかどうかは見解が分かれるようだ)、死亡当日の朝に、動かないので様子がおかしいということで獣医師が呼ばれ、死亡の診断だったそうです。(※補足:死亡しているとわかっていて獣医師を呼んだということかもしれません。前回の電話ではそう感じました。)

ハニーの解剖はマリンパークの従業員が行い(これも驚きました。※補足:ただし、水族館等でのイルカの死後の解剖では従業員も解剖に参加することは割と普通らしいです)、獣医師は、それに立ち会って診断をしたのだそうです。検案書はあるが、保健所はその場で見ただけで提出はさせていない。(犬猫については、法律で獣医師に死亡の検案をさせることができる定めがありますが、確かに犬猫以外の動物に対しては強制力のある条文はないです)

死亡公表直後の電話では、「死体を敷地内に埋めたと報道されていることや、壁の色の塗り替えが一部のみであることから、資金難が想像されるが、資金的にどれくらい逼迫しているのかなぜ把握しないのか?」という問いに対し、法律上の規定がないので行政は事業者に対してそのようなことは聞くことはできないと言っていたことに対して、呆れる気持ちがいっぱいでした。そんな基本的なことを聞くのに法律の根拠が必要なのか甚だ疑問ですが、では環境省に、自治体が経営状況を把握できる根拠を基準に盛り込むよう求めていくしかないですねと言ったら、これもそうだと言っていました。(環境省も、何でもかんでも押し付けられて、かわいそうです)

しかし、今は、ハニーが治療を受けていることも知っていたのに、変化はなく元気だと言い続けていたことに怒りを感じます。

ペンギンは死んでおらず(これも、数をその場で数えているわけではありませんから、本当かどうかはわかりませんが)、館内の爬虫類なども含め今後も立入検査は継続するとのことですが、正直、ここまで気持ちがなく事なかれ主義で、意味のある立入りができるのでしょうか。来て帰るだけの人なら、事業者になめられて当然です。むしろ事業者の立場に立って、グルになってやっているとも考えられます。

ちなみに、再オープン後は展示は室内だけという話ですが、ペンギンをどうするのかについても確認していないそうです。事業者の自由なので、ほかの適切な場所に譲渡せという指導を行うことはできないなどと言い始めています。不適切な多頭飼育に対して、犬や猫なら譲渡するなどして数を減らせと指導するでしょうに。

マリンパークも、(ハニーは?)7年前にも同じような皮膚炎になり、その時は治ったと言っていたとのことで、認識が甘かったのではないでしょうか。ハニーが生きていることが金食い虫で、いないほうがよかったのかもしれませんが。水位を下げていたのは、単にハニーを見せないためではなく、ハニーの病気を知られないようにするためだったのでしょう。

確かに、廃業2カ月後にハニーを見たとき、あとどれくらいで死ぬのだろうか、もうすぐ死ぬのかもしれないと思いました。ハガキキャンペーンを呼びかけ、ハニーをイラストにしてくれたツイートがバズってマスコミが反応してくれて以降、ハニーに注目が集まり、明らかに健康状態が回復した時期がありました。注目が集まったことはハニーにとってよかったはずです。(苦しみを長引かせただけだと言う人もいますが!)

しかし、マリンパークは、私たちが出した手紙に返事がないだけではなく、現地では心配する人々に「警察を呼ぶぞ!」と怒鳴り続け、幕でプールを隠し、マスコミの取材も受けない、電話も出ない、一体何がしたかったのでしょうか。営業を再開したい人のすることでしょうか。

純粋にハニーを心配する人々を裏切り続けたのではないですか。

私たちは水族館のイルカショーの問題点の一つとして、引退イルカや、ショー・触れ合いに向かない見捨てられたイルカたちの問題をあぶりだしたかったことがあります。そして、今も和歌山県で行われている追い込み猟からの水族館への野生動物の導入について、ショーを見ている人たちに「ハニーと同じなんだよ!」と問題意識を持ってほしかった。

これは今後も変わらず大きな目標です。ハニーしかかわいそうでない人たちには理解できないのだなと感じることも多々ありましたが、これまでも見えないところで多数のイルカたちが死んできたし、これからも犠牲は続きます。それはイルカショーで儲けたい人たちや、イルカショーを見て慰めを得たい人たちがいるからであって、日本が変わらなければハニーと同じ悲劇は今後も続きます。

しかし今、それとは別に思うのは、このような結果を招いた犬吠埼マリンパークの再開を許してはいけないということです。

そして自治体の立入りを査察レベルに引き上げるために、改正動物愛護法の来年の施行では、犬猫以外の動物にも実効性のある基準の改正が必要です。

毎日新聞にコメントしました

4月4日、毎日新聞朝刊・地方版にPEACEからコメントが載りました。コメント掲載部分が有料でないと読めませんが、「水族館業界全体の問題だ」とコメントした部分を載せてくださって、画期的なことだと思いました。本当にありがとうございます。

※時系列としては、29日ハニー死亡(獣医師による確認と解剖)、30日に保健所に飼育員が連絡、31日に保健所が現地確認。ただしハニーの死体は見ておらず、話を聞いただけです。

参考

犬吠埼マリンパークのこれまでの経緯については、こちらのページからたどれるようにしてあります。少し雑然としていたので、整理しました。

追記

4月15日 「※補足」としたところを追記しました。

 昭和60年4月旧経営者の名で建立とあった

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